第一話
ようやく続き書けました!
時間調整とか上手にできるようになりたいな・・・
大地から生えた天をも貫くような黄金の柱を私は、じっと眺めていた。
昔は栄えていた国だったらしいのだが今では人一人いない滅んだ荒廃した町並み。そこが私たちの住処だ。物心つく前からあの黄金の柱が目に入り気になっていたのだ。すると、背後の方から声がかかってきた。
「おはようサクヤ。昨日はよく眠れたかい?」
「先生、おはようございます。多少疲れは残っていますが十分寝れたと思います」
声をかけてきたのは、入間 澪。私たちの生みの親だ。比喩でもなく本当に生みの親なのだ。私たちは人ではない。ホムンクルスだ。
ホムンクルス────。人工的に作られた生命体をこう呼称されている。そして私たちの生みの親もまたima人ではない。彼は肉体の殆どが機械で構成されている。とある事件で肉体にひどい損傷を負ったらしく賭けとして魂を機械人形に定着させ、無事に成功したというのだ。
そうして暫く澪先生と私は雑談をしていると後からぞろぞろと他のメンツが集まってきた。
「おはよー、昨日は疲れたねぇ」
「おはよぉ、今日もいい天気だね」
「おはようございます」
「おはよう、朝食すぐに用意しますね。それと、今日もしっかりと扱いてあげますよ」
最初に挨拶してきたのは、太陽のように明るい金髪が特徴的な活発で明るい性格のヒナタ、次に魅惑的な紅い髪の家庭的で姉さん気質のあるレンカ、流麗で透き通るような銀髪で格好いいと言う言葉がよく似合う落ち着いた雰囲気が印象的なヒイラギ、そして大先輩で私たちの教育係である朝無さん。朝無さんは謎が多く、不思議な雰囲気を漂わせているよくわからない人だ。彼女らもまたホムンクルスだ。因みに朝無さんの髪の色が淡い空色。私は、薄桃色の髪に少し黒くメッシュの入った不思議な髪をしていた。別に染めたわけじゃない。
「うへ〜、今日も扱かれるのかぁ」
そう言ってヒナタは暗い気持ちでテーブルに突っ伏した。
「彼女に一撃でも与えることができれば合格なんだから頑張れ」
「そう簡単には合格させませんけどね」
澪先生は、そう言って日向を宥めるが朝無さんは朝食の準備をしながら容赦のない言葉を繰り返す。
「一撃でも与えられたらまずいのですからこちらは最初から本気でやらせていただきますから、まぐれなんてものは絶対に許しません」
そうして朝食を運びながらそう告げ全員で食事をとった後再び試験が始まるのだった。
◇ ◇ ◇
それは1週間程前のことだった。私たちが普段通りに6人で囲んで食事をとっていたら澪先生と朝無さんが目を合わせ頷き合ったところで全員に声がかかった。
「君たち4人に頼みたいことがあるんだ。」
「「「「……?」」」」
頼みごと自体は珍しくなかった。普段6人で生活しているのだ、頼みごとの1つや2つ今までだって請け負っていた。何せ澪先生は今でも立派な学者なのだから。ただ4人揃っての頼みごとというのは今までなかった。
「まぁその前にそれ相応の実力を出せるようにこれから試験をしてもらうんだけどね」
「試験って具体的になにをするんですか?」
私の質問に対し答えたのは、朝無さんが咳払いをし注目を集めたところで答え始めた。
「試験内容は簡単です。4対1で実戦形式での戦闘を行います。そこで1度でも有効打が決まれば合格です。簡単でしょ?」
その答えにヒイラギを除いた3人が眉間を寄せた。怪訝な表情でレンカが問いかける。
「4対1って流石にそれは甘く見過ぎじゃない?」
「それ程あなた達と私の実力差があるということよ」
さも当然かのように涼しい顔で言ってのける朝無さん。事実、この時のわたしたちは朝無さんの実力を間近で見ていなかったから知らないが実力と経験の差は、歴然とあったのだ。その結果彼女らは今までにないほどの惨敗を味わったのだ。
全身ボロボロに息も絶え絶えとしていて生きた心地がしない。そんな感覚をこの時彼女らは初めて味わったのだった。その光景はまさに死屍累々としたものだった。
◇ ◇ ◇
「前回は前衛二人の後衛二人でバランスは良かったけど相手が一人に対しての陣形って感じじゃなかったのが敗因だったと思うの」
前回と同じ轍を踏まないように今回は、念入りに対策を立てることにし4人で輪になるようにしゃがみ込み作戦会議を始めていた。進行と代案はサクヤがともに進め話がどんどん進んでいく。
「今回は相手が一人ということを想定した陣形。前衛三人後衛一人で行こうと思います!何か意見はありますか?」
私が提案をし質問の有無を求めるとヒイラギが小さく手を挙げ質問を投げかけた。
「私とヒナタが前衛をするのは当たり前だけどもう一人は誰がやるの?できる人なんているの?」
至極もっともな意見で周りも頷いたがそれを気にすることもなくサクヤは誰もが想像もしなかったことを口にする。
「それはもちろん私が加わります。狩りにはあまり参加していなかったですけど武術にはそれなりに心得があるつもりです。何より今回はそれでいけばうまくいくような気がするんです」
その答えを聞いた全員が大きく見開いたがヒイラギはすぐさま怪訝な表情に変わりサクヤに訴えかけた。
「そんな不確定要素が高いものに私は賛同できない。せめて中衛とかじゃダメなの?」
賛同はできない。しかし、現状維持では今までと変わらない。だから妥協案として中衛ではダメなのかと提案したがまたも予想外な発言が帰ってきた。
「私の攻撃手段なんですが中衛じゃ何もできないんですよね。なにせ近接格闘術なので」
その言葉に一瞬聞き間違えたんだろうかと固まったが、すぐに我に帰り怪訝な表情になる。それもそのはず、今まで武術の訓練をしている様を一度も見ていない。15年も一緒に生活しているのにもかかわらずだ。あくまでたしなみ程度。自分たち前衛が本職のヒイラギとヒナタからしたら隣に立てるほどの実力があるとはとても思えなかった。
「ん〜〜……わかった!それで行こう!」
「ちょっとレンカ!」
「別にいいだろう?試しだよ試し。これでダメならまた別の作戦を考えよう」
「……」
レンカからの思わぬ助け舟によりこの作戦でいくことになったがヒイラギはまだ納得しきっていないようだった。
「実際相手が一人に対して前衛三後衛一は、アリな組み合わせなんだしサクヤが行けるってんならそれに賭けてみるのも一興だろ?」
「……わかった、それで行こう」
そう言い話が纏まり戦闘の準備に取り掛かる四人であった。
まだまだ不慣れなところも多く書き直しが多かったりするかもしれません!
もしそうなってしまったらすみません!