終一章
さすがだな、黒瀬君鳥。
ガブリエルももうちょっと頑張ってくれると思ったんだけどなぁ。
まぁ、こっちの事はどうでもいい。
黒瀬があの時使った能力。
あの能力はおおよそ、『違う世界の法則を持ち込む』ってところか。
『元の世界』の、魔法なんて存在しないっていう法則を持ちこんで、ガブリエルの魔法を封印したようだしな。
まったく、ウリエルには感謝しないと。
あの天使が黒瀬の精神をある程度広げてくれたおかげで『状態透視』が二段階進化したようだし。
もうあの時点で、僕の助言は必要なかったか。
今回はイレギュラーな事がたくさんあったけど、まぁ、ここまでは想像の範疇、いや、予想内、いや予定通りって感じだ。『違う世界の法則を持ち込む』なんて言うチート能力も含めてな。
ガブリエルを倒した程度じゃあ、何も変わりはしない。
チート能力を持った程度じゃあ、あの帝王は倒せない。
それじゃまだまだ甘いんだぜ? 黒瀬君鳥よ。
ウィリアやレイチェルも含めて、ストラテス王国を救う道のりは長い。
ガブリエル、ウリエル、メタトロン、ラファエル、ラジエル、ミカエル、サンダルフォン、そして『冥神の帝王』。
ウィリアの『呪縛』を解けたしても、この八人は絶対に撃破しなければならない。
まあ彼も、そろそろあっちの世界に慣れてきたようだし。まだまだ甘い、なんて僕は言うが、ガブリエルを倒せた事は、彼にとって大きな自信になるだろう。
このおかげで精神領域がさらに拡大するかもしれないな。
まあ、さっきウィリアの話が出たから言っておくが、彼女も不運なもんだ。結局今回も彼女の『呪縛』は解けなかったみたいだし。
さて、僕の余談もここまでにするとしよう。
次はどこをいじろうか。黒瀬君鳥か、レイラ=ストラテスか、ガブリエルか、レイチェル=アトラスか。
それとも、芹紫咲か。
僕が創ったルールに、法則に、彼らはどれだけ抗うことができるかな?
まったく、これだから面白いんだ、この世界は。
『黒瀬の世界』 完




