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2限の休み時間に、と思っていたが、3限が体育とは知らなかった。いかん、そうすると次の時間の休み時間もバタバタしちゃうよな…どうしようかな、と思っていたら、葵ちゃん・理子ちゃんコンビは「教室に入る前に、ちゃちゃっと『話がしたい』って言えばいいじゃん」とアドバイスをくれた。大丈夫かな。私、今それ言う?とかしょっちゅう言われるぐらい、間が悪いランキングを作ったら確実に上位入賞の自信があるから、ものすごく不安だ。
そしてもう一つの不安。そこは葵ちゃんに聞くことにした。
「葵ちゃん、すごく根本的なことを聞くけど。」
「なに?」
「付き合うってさ、どういう感じなの?」
2人が顔を見合せて大笑いした。真面目な質問だったんだけれども。
「まー、そうだね。晴香と奏太くんだったら、あんまり変わりないかな、今の状態と。」
「はい?」
「だってさ、クラスが違うだけで、部活は一緒だし、帰りも一緒に帰ってる、朝練だって一緒。見た目上というか、なんというか、そんなに変わりはないかな。」
「じゃあ、何が違うの?」
クスッと笑って理子ちゃんが答えた。
「それはさ、相手を思う気持ちとか、思う時間とか深さじゃないの?あとは週末の予定がデートになるとかそういうこと。」
そうか、なるほど…
葵ちゃんが続けた。
「奏太くんも、晴香にちゃんと言うまで時間がかかったけど、晴香も同じぐらい、恋愛とかを難しく考えていたんじゃないの?大丈夫。何とかなるよ。」
「そうだね。」
その言葉を聞いて、ちょっと気持ちがラクになった。昨日の奏太の気持ちの答えを伝えるのは緊張するけれども。
「大丈夫、一緒に付いてってあげるから。」
「ありがとう…だ、だ、だ、」
「大丈夫だから!お昼休みに話がしたいって言うだけだから、すぐ終わるでしょうが!」
私の覚悟が足りないようだ。
遠くで様子を見ていたらしい都並くんが肩を叩いた。
「まー、奏太のことだから、大丈夫じゃねーの。」
突然のことに私はビクッとしたが、3人はニコニコしていた。私、みんなから応援されてたのか、という気持ちと、え?なんで?という気持ちが同時にやってきて、頭が混乱してきた。
「奏太の待ち受けは俺の隠し撮り写真だから。」
「えー!そうなの!!」
私、葵ちゃん、理子ちゃんはビックリして叫んでしまった。ちょうどチャイムが鳴って、解散となったが、席に戻る都波くんからこう言われた。
「晴香ちゃんが思っているより、奏太は晴香ちゃんが好きだと思う。」
ビックリして都並くんの顔を見たが、ニコっと笑って去って行った。都並くんと奏太は仲が良かったかどうかがうまく思い出せない。昨日から意外なことが続き過ぎて、よく分からなくなってきた。