表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
葉桜~late spring days  作者: ともかlabo
心の中
11/24

3

 当たり前だけれども、なんの変哲もない、普通にお墓だった。


 「拓人、久しぶり。」

 「俺は1か月ぶり。命日にも来たから。」

 「えっと…」

 「拓人、同じ部の山田晴香。ま、知ってるか。そっから見えてるもんな。」

 「は…はじめまして。」

 「不思議な感じだよな、こんなとこであいさつするなんてな。」


 笑いながら、まずは墓石を磨いて、お花を入れ替えて、お線香をお供えして、手を合わせた。


 「生きてたら…たぶん、大いにからかわれてるだろうな、奏太。」

 「それを言うな。」

 「一番話しづらいとこは代わってあげたから、あとはちゃんと自分で話せよ。俺はバイト。」

 「え?」


 奏太と同じタイミングで「え?」と言ってしまった。それぐらいお互いビックリした。鎌田さんは「じゃあな」と言って、去って行った。あっけにとられて隣を見ると、奏太と目があった。


 「ごめんな、昨日からあれこれ。」

 「いや、別にいいよ。」


 少し間が空いて、何で私とお墓参りに連れて来たのかを聞こうと思ったところで、奏太が切り出した。


 「とりあえず、はらへった~。昼飯行こうか。」

 「う、うん。お腹空いたな~。何食べようかな~。」


 いつも通りの奏太の笑顔だったから、やっぱり聞けなかった。


 聞いていいのかどうか、うやむやなまま、奏太と話して、来た道を戻って駅まで行くことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ