第58話 海の危険性?何それおいしいの?
今回は短いです。
……双子の姉妹って何か良いと思い始めた今日この頃
「え、あなたが五師匠なんですか?」
「ああ、そうだ。何か不満があるのか?」
「いえ、何もないですけど」
現在ボイルの港町に行く途中。 自称五師匠の1人というドワーフの男と一緒に行動している。
「けど五師匠ってライヴァン同盟の政治とかをするんでしょ? 何て言うか……ずっと町にいるイメージが有ったなー」
「そんなオルアナ王国の王やハイナ教国の女王じゃねーんだ。 五師匠の奴らはみんな弟子の指導とかもしてんだよ」
「それ、町から出なくても出来るような……」
俺が男と会話をしている時にネイが隣で呟く。 ……確か五師匠って優秀な職人が選ばれるんだよな。 本当に何で町の外に居るんだろ。
「俺は素材を全て自分で調達するんだ、弟子達の分もな。 だから町の外にはよく出る」
「ああ、なる程。 じゃあ、その帰りにたまたま私達と会ったって事?」
「いや、違う」
「違うんですか!?」
アリアが男の答えに突っ込む。 ……アリアこんな大人にも直ぐ突っ込むなんて凄いな。
「ああ、何かボイルの港町の外に巨大なモンスターが居るから正体を個人的に調べようとしたのさ。 そしたらそのモンスターの上に人は居るはモンスターに囲まれてるは……」
「ああ、私達のせいで出てきたのね」
ボイルの港町からもジャイアントタートル見えていた。 という事は結構近いのかな? なんて思い俺は男に聞こうとしたとき有ることに気がつく。
「そうだ。 あなたの名前何て言うの?」
「俺の名前か?」
「そうそう」
「ガントだ。 聞いたこと無いか?」
男……ガントは俺達に自己紹介をしてくる。 けど俺にはやっぱり聞き覚えが無い名前だ。
「無い。 ネイは知ってる?」
「まあ、名前くらいなら」
「私もです」
名前は有名……まあ五師匠ってライヴァン同盟のリーダーみたいだし知ってる方が普通か。
「へ~やっぱり凄い人なんだ」
「相変わらずレイちゃんは……」
『まあ、いつものご主人様って感じ』
俺の言葉にネイと黒猫さんが呆れた風に言葉を返してくる。 そんな会話をしている時、俺の耳がガントの独り言をキャッチした。
「……獣人族か。 まあ尾行だけで良いか」
ゴツゴツとした地面を4人と1匹が歩き続ける。 しばらくするとガントが足を止めた。
「ここから下ればボイルの港町だ」
「……下る?」
よく地面を見るとここから少し斜めになっているようだ。 そして少し遠くに青い何かが広がって見える……あれは。
「海だ~!」
「そりゃ港町だ。 海は有るに決まってんだろ」
「ねえ、アリア海で泳げるのかな?」
ガントの棘のある言葉を無視して俺はアリアに話し掛ける。 アリアは俺の言葉を聞いた後、やや目を丸くしていた。
「え、レイさん泳ぐんですか?海を?」
「うん、何か可笑しいの?」
「海には危険なモンスターが多くて漁師位しか海では泳がないと昔本で読んだので……泳がない方が良いんじゃないですか?」
『塩水は髪傷めるからやめといたら?』
アリアと黒猫さんに俺の楽しみを否定される。 うーん、しょうがない俺1人で入るか……っと思っていると俺の気持ちを察したのかガントが俺に話しかけてきた。
「海に入るのは止めといった方が良いぞ」
「え?何か居るの?」
「いや、火山が近いからかどうか知らないが余り魚は居ない。 まあ、モンスターもあまりいないのが良いところだが時々デカいモンスターが来るからやめといた方が良い」
うーん、海でジョーズ状態になるのは御免だしな。 海に入るのは諦めるか。
「結構楽しみにしてたのに……」
「関係ないですけどレイさん、泳げるんですか?」
アリアが俺にいきなりちょっと変わった質問をしてくる。
「うん、私は泳げるよ。 みんなは?」
「すみません、私はずっと村に居たので泳いだ事が全く有りません」
「私も泳げないな……尻尾とか濡れちゃうし」
『私もネイと同じ』
……まさか私以外みんな泳げないとは。
「ついでだが俺も泳げない」
「いや、あなたには聞いてない……ってガントさんも?」
「ああ、カナヅチだ。 鍛冶職人だしな」
「いや、上手くないよ。 それ」
海が徐々に近づいてくる。 俺はそれに少し失望感を感じながら歩くのであった。 ……泳ぎたかったな海。