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第56話 ボイルの港町へ……行く前に

 さて、その後ハース村の宿屋に一晩泊まった私達。 宿屋の料理は肉とジャガイモのような物を中心にした料理でハイナ教国やオルアナ王国では見れなかった料理を沢山食べたのであった。 そして夜にいつの間にかアリアを抱き枕にしたりしながら一晩を過ごした。


「そして現在朝、私たちはボイルの港町にどうやって行くのか考えている所です」

「レイさん、一体誰に話してるんですか?」


 俺達3人と1匹は現在ハース村の門の前で悩んでいた。 内容はさっき言った通り「どうやってボイルの港町に行くか」である。


「うーん……やっぱり馬を借りる?」

「借りれますかね?」

「無理だよね……」


 ネイが自分の出した案を自分で否定していた。 ハース村にとって多分馬は重要な労働源だろうし借りるのは難しいだろうな……。 となると


「やっぱり【召喚】したモンスターに乗るしか……」

「まあ、それが妥当でしょうね」

「あ、レイちゃんのモンスターに乗れるの? 賛成!」


 俺呟いた言葉にアリアとネイが賛同をする……って、ん?


「あれ、アリア賛成なの?」

「手段が無いのならそうするしか無いじゃないですか。 走るのが速すぎたり、空を飛んだりするモンスターには反対ですけどね」


 アリアが意外にも俺の意見に賛同してくれていた。


「よし! じゃあアリアの意見を取り入れてそんなに速くない、飛ばないモンスターを【召喚】するよ!」

『了解』

「どんなのが出るのかな~」


 みんなに見守られながら俺は【召喚】を発動した。 










「……亀?」


 俺が召喚したモンスターを見たアリアがポツリと呟く。


「うん、そうだよ。 可愛いでしょ?」

「……けど大きすぎじゃないですか?」


 俺が召喚したのはジャイアントタートルというモンスターだ。 全長200mもある大きなモンスターで「マジック・テイル」で出てくるデカイモンスターの1体だ。 けれどもかなり大人しく攻撃さえされなければ何もしてこないというとても良い子ちゃんである。


「確かに大きいけど……甲羅に乗れるから結構良いと思うんだけどな~」

「……まあ、飛ばなさそうだし良いでしょう」


 アリアに了承を貰えたので俺はジャイアントタートルの甲羅の上に乗ろうとする……が


「……アリアをどうやって乗せよう?」

「……はい?」


 ジャイアントタートルは縦にもかなり大きい。 下から見たら小さな山に見えないこともない。 つまりジャイアントタートルの甲羅に乗るのはかなり大変じゃね?


「いや、私は何とかなるけど……アリアとか大変だよね……」

「確かにあそこまで登るのはキツイですね」


 また【召喚】をするか。 いや、でもあんまりアリアに嫌われる事をしたくないしな……。


「そうだ、お姫様抱っこをしよう」

「……はい?」










「いや、アリアってジャイアントタートルに乗るの大変そうじゃない?」

「まあ、キツそうだとは思いましたけど」

「だから私がアリアをお姫様抱っこしながら空中を歩こうって事だよ!」

「……確かシムルグの時もお姫様抱っこでしたね」


 ん?アリアはお姫様抱っこに不満なのか?


「じゃあ私がアリアをおんぶする?」

「いえ、良いです! お姫様抱っこで結構です」


 アリアが顔を真っ赤にしながら俺の言葉に返してくる。 あぁ……あれか「初めてのお姫様抱っこは格好良い殿方にして貰いたかったですわ」的な奴なのか。


「ねー2人で盛り上がってる所悪いけど……私も空中を歩けないよ?」

「んー……ネイには【召喚 キングイーグル】をして上げるよ」

「うっわー……かなり適当……」


 ネイが俺にジト目をしながら何やら呟いたくる。 だって空を飛びたくないアリアを安心される妥協案だもん。 ネイには関係ないことじゃん。


「何で私がそんなに子供みたいな扱いなんですか!?」

「だって……アリア可愛いし」


 俺の心の声を察したかねようなアリアの突っ込みを俺は軽く流し……てないような気もするが、みんなに向かって話し掛ける。


「さあ、みんな! ボイルの港町に出発するよ!」

「まあ……こんな所でウダウダ言っててもしょうがないね。 行こうか」


 ネイも俺の話に賛同してきてやっと行こうという雰囲気になる。


「……あれ? 黒猫さんはどうするんですか?」

『前回と一緒、アリアの上に乗る』

「あ……はい分かりました」










 ジャイアントタートルの甲羅は全体的に緑色で東京ドームの様に緩やかな傾斜がある。 ……どっちかと言えば丘って言うのかな?


「そ、そんな事は良いですから。 早く降ろして下さい!」


俺の腕の上に居るアリアが分かりやすい悲鳴を上げている。 まあ、現在空中でアリアは足が地面に着いてないしな。 恐いのは分かる。


「アリア落ち着いて後少しで甲羅の上に着くから」

『緊張しすぎ』


 これなら普通にペガサスとかに乗った方が良かった気がする……と思いながらゆっくりと歩く。 そして甲羅に上手く着地をし、アリアと黒猫さんを甲羅に降ろす。


「よし!到着」

「……やっぱり空中は嫌です」


 アリア相変わらず空中が苦手なんだな……。


「おお! 空を飛ぶって凄いね!」


 ちなみにネイは俺が【召喚】したキングイーグルをやけに上手く乗りこなしジャイアントタートルの周りを飛んでいる。 キングイーグルはレベル100で出てくる「マジック・テイル」ではそこそこ有名なモンスターだ。 見た目も茶色が中心の色合いで格好良いと好評のモンスターだ。


「ネイ~! もう行くよ」

「はいはーい!」


 俺に元気に返事をしながら急旋回してくるネイ。 あんな動き「マジック・テイル」の初心者じゃあ出来ないし……ネイ何回か乗った事あるのかな? 何て思っているとジャイアントタートルの甲羅にキングイーグルが堂々とした雰囲気で着地してくる。 そしてキングイーグルの背中から軽やかにネイが飛び出して着地する。 ……な、何か格好良い!


「ネイ、何回か空飛んだことあるの?」

「ん?有る訳ないじゃない。 レイちゃんみたいにモンスターを持ってる訳じゃないし。 ただあのモンスターの動きに合わせてたら自然に上手くいっただけだって」

「へ、へー」


 「マジック・テイル」では空を飛ぶモンスターを操るのは難しいと言われている。 理由は簡単、横に旋回した時とかにモンスターが傾いて落ちてしまうプレイヤーが多いからである。 かなり大回りすれば傾かないが大回りだけだと空中でモンスターと戦うのはキツいので落ちないように頑張るしか無いのが難点だった。 ……それを初めてでこなすなんて。


「やっぱりネイって凄いね!」

「……? 良く分からないけど。 誉めてるの? ならありがとね」


 やっぱりBランクの冒険者って凄いんだな~っと俺はこんな事で感心していたのだった。

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