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第50話 あいつ、やる時はやるって思ってたよ。 ほんとだよ?

更新が遅れました。

そして微妙な出来……

「あ!レイちゃん!」


 俺がアリアと共に馬身の近くに来るとネイがダッシュで近づいてきた。 おっ?これは?


「?どうしたのレイちゃん? 何か期待した目して」

「いや……別に何にもないよ」


 何だ……ネイも俺に抱きついてくれると思ったのに。 まあ、ネイの服(服?)で抱きつかれたらそれはそれで困るけど。 そんな事を思っているとネイが来た方角から黒猫さんがやってきた。


『レイ、大丈夫?』

「うん!問題ないよちゃんと「平原の主」も倒したし」

『……』

「ん?黒猫さん何か不機嫌?」


 何故か黒猫さんがジーッと俺を睨んでくる。


『……私レイの使い魔だよね?』

「うん、そうだよ? もしかして一緒に戦わなかったのに怒ってる?」

『……別に』


 黒猫さんが冷たく返してくる。 ああ、やっぱり怒ってるな……。


「黒猫さんごめんね。 ……けどネイやアリアやおじいちゃんを放っておくわけにはいかないじゃん?」

「レイちゃん、私達はあなたの事とても心配してたんだけどな~」


 俺が黒猫さんを説得していたが隣からネイが怖い笑顔で見てくる。 あれ?何か怒らせることした?


「したよ! 私達には一言も言わずに「平原の主」の所に行っちゃうんだもん!」

『うんうん』

「あ、あー……」


 ネイと黒猫さんは一言も言わずに「平原の主」の所へ行ったのに怒っているようだ。 まあ、アリアみたいな反応が異常何だけどね。


「……うん、そうだね。 ごめんなさい、行く前にちゃんと用件は言わないとね」

「そうだよ。 行く前には私達にもちゃんと言ってよね」

『じゃないと心配する』


 ……あれ?ボケたつもりがマジで返された。 ここは「その前に1人で危険なモンスターに挑むのはやめてよ!」的な突っ込みが来るべきじゃなかったの?


「だってレイさんにそれ言っても絶対に聞かないじゃないですか」

「……まあね」


 アリアにツッコまれてしまった……まあそうだけど。


「そんな事よりもおじいちゃんはどこ?」

「馬車の所でレイちゃんが【紹介】したモンスターと一緒に居るよ」

「ああ、ウッドナイトね」

「そうだおじいちゃんも心配してたよ? お嬢ちゃんがー、お嬢ちゃんがーって」


 ああ、全然説明せずに行っちゃったからな。 おじいちゃんにも心配掛けちゃったのか。


「じゃあ急いで行こうか!」

「あ、レイさんが走ったら誰も着いていけないですから! 歩いていきません?」

「え、しょうがないな~」


 おじいちゃんに急いで無事を報告したいがしょうがない。 ゆっくり歩いていくか。 そう思い、走る姿勢を止め、アリアの隣で歩く。


「レイさんってやっぱり猪突猛進ですね」

「これはしょうがない。 そういう性格だもん」

「冒険者ならちょっとは変えた方がいいと思うけどな~」


 俺の台詞にネイが苦笑いしながらそう呟いていた。










「おお、お嬢ちゃん! 無事だったか!?」


 さて、馬車の所に到着した所おじいちゃんが大きな声を上げた。 どうやら心配しているというのは事実なようだ。


「うん!勿論!おじいちゃんの方はどうだった? ウッドナイト役に立った?」

「おお、あのモンスターは今、馬車の周りを警戒しておるぞ中々優秀な奴じゃ」

「それなら良かった」


 どうやらウッドナイトは俺がいない間おじいちゃんを守ろうとしていたようだ。 中々良い子じゃないか。


「ウッドナイト~カモン!」


 俺がそう大声で言うと木の騎士がこっちにキビキビと歩いてくる。 もしも鉄の鎧を着ていたらガシャガシャ鳴ってたんだろうな~何て思っているとウッドナイトは俺の前でスッと肩肘を着いた。 ……あらやだ格好良い。


「レイさん、何してるんですか?」

「ん?ちょっと褒めようと思ってね」


 俺が見てないときもこんな頑張ってくれたんだし、召喚解除する前に褒めておかないと何か悪い気がした。


「ありがとね、おじいちゃんを運んだり、周りを警戒したりして」

「……」


 ウッドナイトは何も喋らない(喋れない?)が首をコクンと動かす。 格好良い! もしウッドナイトが女だったら抱きついてるところだったよ!


「レイちゃん顔がちょ~緩んでるよ」

「……相変わらずですね」


 ……ウッドナイトの頭を撫でているとネイとアリアから顔を指摘される。 え、そんなに緩んでる?










「ロックキャンサーは何やってるんだろ?」


 馬車の近くで何をしようか考えていて、ふと思った事を口にした。 今、中継地点には物はあるが人はいない。 みんな「平原の主」を恐れて逃げてしまったようだ。 なので露天があった所へ行っても面白くないし、誰もいない。 露天を見て回って泥棒と間違えられたくないので馬車の近くにみんなで居た。


「どうしたの?レイちゃん」

「あ、ネイ。 ロックキャンサーってそういえば何処に居るのかな~って思って」

「それなら……ホラ、アリアがそこで様子を見てるよ」


 ネイが指を指したところに目を向けると土色の蟹が小さなクレーターの所に居て、それをアリアがジーッと見ている。 アリアの黒いゴスロリの服……そろそろ服を着替えさせようかな……何て思っていたら、ロックキャンサーが俺をチラッと見て、一気に手を振り落とし、地面を思いっきり叩く。 すると地面から水がチョロチョロっと出てきた。


「ん?これは?」

「お湯?」


 俺がネイと顔を見合わせつつ話しているとお湯が思いっきり上に噴き出した。 ……まさかこれは


「間欠泉だ~!」

「間欠泉だね……」


 そう、間欠泉である。 まるで壊れた水道管みたいに水が出ていたが直ぐに勢いが収まり、大きな水溜まりになった。


「まさかロックキャンサーはこれを狙っていた?」

「はい?」


 俺は出来た超露天風呂に近付き、手を入れながら感嘆する。 入るにはちょうど良さそうだな。


「もしかして、私達が火傷しないで入れるような温度でお湯が出てくるように計算していた?」

「……」


 ロックキャンサーは何も言わなかったが、何かどや顔をしているような気がした。

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