第37話 女王様と……
今回は短めです。
「そういえば、レイ様。 今日はこの後何か用事はありますか?」
大事な話も終わり、ケーキの4個目を食べているときにハイちゃんが俺に話しかけてきた。
「ん?ないよ。 それと私の事はレイでいいよ。 女王様に様付けされるような立場じゃないし」
「そうですか……ではレイ、今夜はこの城で泊まりませんか?」
「ん、お泊まり会だね。 いいよ」
「いやいやいやいや! ハイちゃん、レイさんストップです!」
何故か分からないけどアリアに止められる。 ん?俺何か変な事言ったか?
「どうしたのアリア? 私おかしい事言った?」
「いや、ハイちゃんは女王様ですよ! 女王様のお城に泊まるなんてそんな事……」
「私が許可しますから大丈夫ですよ、アリアさん」
「でも……」
「ハイちゃんがいいって言ってるからいいんじゃん!」
「まあ、そこで遠慮しないのもどうかと思うけど」
黒猫さんが俺を見ながら呆れていた。 黒猫さんって意外と礼儀正しいんだな。
「で、何で女王様と一緒の部屋に寝るんですか!?」
夕食の後、女王様に勧められそのままお風呂に入った。 女王様も意外と楽しんでいるのかもしれないが女王様が「一緒の部屋で寝ませんか?」という衝撃発言を行い、アリアが先ほどの突っ込みをした。
「いえ、遠慮しなくても良いんですよ。 私、お泊まり会というのが初めてなんです」
「いいじゃん。 アリアもハイちゃんと楽しく夜までお話しできるんだよ!」
「ま、まあ女王様と話が出来るのは良いんですけど……」
「ならいいじゃん」
「ま、まあそうですね……」
うん、アリアも納得してくれたようだ。 よかったよかった。
「じゃあ、私は先に行って。 部屋を片付けてきますね」
「いえ、女王様。 部屋ならすでに片付いていますよ」
ハイちゃんがトテトテと言いそうな走り方で走っていこうとしていたが、いつのまにか近くに居たエルフの女性が女王様に話しかけていた。
「あら、そうなの?」
「はい、というかいつも掃除はしてあります」
「あ、それもそうね」
ハイちゃんとそのエルフが自然に話しているのを見るとどうやら知り合いのようだ。
「ハイちゃん、どちら様?」
「ああ、私の秘書です。 とっても優秀な方なんですよ」
「どうも、秘書です。 よろしくお願いします」
秘書がこっちに会釈をしてくる。 名前を言わないのには意味があるのだろうか?
「じゃあ、女官の方に寝間着を用意させてくれますか?」
「え、ハイちゃんの服を借りるんですか?」
「ええ、寝るときは服着替えますよね?」
「まあ、そりゃあ着替えますけど……」
「じゃあ、問題無いですね」
「え、あ、はい」
女王様の言葉にやや振り回されているアリア。 何というかこの光景いつも見ている気がする。
「なんというか……ハイちゃん、レイさんに似てますね」
「ん? そうですか」