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第30話 昔の敵と貴族

視点変更 妖精ズ→レイ


 4回戦目があった次の日5、6回戦目があった。 え、省略しすぎ? だって書く程のことが無かったんだもんしょうがないじゃん。 5回戦目は黒猫さんの魔法で一発KO。 6回戦目は使い魔持ちだった為黒猫さんVS使い魔&俺VS相手という構図になるという今までにないパターンだったがどちらも直ぐに倒してしまった。 そして今アリアと黒猫さん、サラさんとアルカさんといういつも通りの面々で第6回戦を観戦しようとしていた。


「っていうか第6回戦目は準決勝だったんだね」

「何でそんな大事な事を忘れているんですか……」

「いや、闘いに必死でつい、ね?」

『ね?って言われても……』


 遊んでいるとついつい時間がたっていつのまにか夜になってるという感じの感覚は黒猫さんには分からないのか……。


『それとこれとは話が違う』

「……黒猫さん心の声聞こえるの?」


 黒猫さんやっぱりすごい子だ……。






「レイちゃん、そろそろ準決勝二戦目だよ?」

「あ、アルカさん。 そういえば準決勝だから二回しか試合がないんだね」

「レイちゃん、そういうこと全く考えないで試合してたの? 凄いというか何というか……」

「レイちゃんは天然だね」

「サラさんもそんなこと言うの!?」


 やばい、周りからの評価が「凄いけど頭が残念な子」っていう感じになっている気がする。


「そ、そんな事はともかく誰と誰が闘うの?」

「バルテン・リヴィルっていうヒューマンとダイナンっていうドワーフの人が闘うんだよ~」


 四つの何とも言えない視線が俺に向いているのに耐えきれず話を変えた所、アルカさんが話に乗ってくれたのでそのまま話を続ける。


「あ、やっぱりあの貴族の人準決勝まで来たんだ」

「やっぱり?……ああ、どんな人か聞いてたね~」

「そうです! そうです!」

「凄いね~レイちゃんあらかじめ誰が決勝に来るか分かってたんだ」

「凄いでしょー」

「凄い凄い!」


 正直話の流れが途中から理解出来てないが褒められたので偉そうにする。 ……何かアルカさん以外の視線がまた辛くなってきたが出来るだけ気にしないようにする。


「ところで相手のダイナンっていうのはどんな人?」

「Aランクの冒険者でとっても凄い人らしいよ」

「レイちゃんも会った事有るはずよ」

「……え?そうなのサラさん?」


 こっちの世界で俺の知り合いって全然いないけど……。 ダイナンって名前確かに聞いた事あるな……何処だろ?






「長らくお待たせしました!準決勝第二回戦目!選手の入場です!」


 この後は女子高生がしてそうなどうでもいい会話をしているとアナウンスが闘技場に響き渡る。 因みにこのアナウンスは魔法で声を大きくしているらしい。 そんな魔法「マジック・テイル」には無かったので魔法が廃れてから出来た魔法なのだろう。


 この世界の魔法の技術に興味を持っていたら、右側から派手な赤いマントを着た金髪のヒューマン……バルテンと隣にひとりでに動く黒い影……バルテンの使い魔?が出て来た。


「お、出て来た!」

「やっぱり何か雰囲気違いますね」

『やっぱり気に入らない』


 アリアと黒猫さんがそれぞれ感想を言う。 うむ、俺は黒猫さんに同意しよう。


「対戦相手も出て来たよ」

「おお……ん?」


 サラさんに促され顔を左に向ける……すると


「あ、あの筋肉は……」

「レイさん、人の事を筋肉って言わない方が……」


 そう、筋肉だ。 アントシア卿に雇われ、俺に倒されたあのドワーフ。 ついでに闘技大会初日にばったり会ったあいつだ……そういえば自己紹介したときに名前聞いてたなすっかり忘れてた。


「レイちゃんが魔導隊の結界を壊したっていうニュースを聞いた時にレイちゃんの対戦相手の名前も聞いててね。 それを覚えていたの」

「サラ凄い!記憶力良いんだね」

「別にそれ程でもないわよ」


 アルカさんが褒めてサラさんが謙遜する……意外に珍しいやりとりかも。


「開始!」


 そんな俺たちの会話を他所に二人の試合の合図が成った。






「流石、Aランク冒険者同士の闘い……」

「一進一退だね~」


 今、毛むくじゃらの筋肉ドワーフダイナンとムカつく金髪貴族のバルテンが闘っている。 ダイナンは明らかにモンスターと闘う用の巨大な斧を、バルテンは装飾の施されたレイピアを持って闘っている。


ダイナンは斧を盾としても使い、上手くレイピアの突きから守り、バルテンは巨大な斧の一撃を受け流すようにして上手く避けている。 多分、この闘技大会では 一番いい闘いをしているだろう。 だけど……


「レイさん、あの黒い影のような物、何なんでしょう?」

「多分、使い魔か何かだろうけど……」

「全く動いてないわね」


 バルテンと一緒に入場して来た謎の黒い影はさっきから全く動いていない。 もしあれが使い魔なら一緒に闘った方が数の利で上回るのに……。


『何か準備してるとか?』

「何かって?黒猫ちゃん」

『いや、分からないけど』


 黒い影……「マジック・テイル」にあんなモンスター何種類かいたな、そして黒猫さんが言っていた準備……まさか!


「カウンターファントム!」

「え?レイちゃん何て?」


 やばい!もしかしたら……


 ダイナンが怪我じゃ済まないかもしれない!

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