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第29話 黒と妖精と銀の髪

視点変更 レオーナ→レイ


「レイさん今回の試合は一気に終わらせちゃいましたね」

「ん?もっと相手を焦らした方が良かった?」


 第4回戦も無傷で終わり、宿屋に二人と一匹で帰る途中アリアが俺に話しかけてくる。 俺の言葉を聞いたアリアは顔に面倒くさそうな顔をしつつ俺に話しかけてくる。


「そういう意味じゃないですよ……レイさん大会では魔法や奥義をピンチになった一回しか使って無かったのに今回は最初から使いましたから」

「ああ、そういう意味ね」


 アリアが疑問に思うのはもっともだ。 俺は最初から狩人の憶えるスキル【奥義 フォトンアロー】を放って敵を倒した。 威力によっては敵は一撃で見てはいけないような姿になったのだろうけど弓の弾き具合によって威力は変わるという事を知り何とか相手が気絶する程度に抑えた。 それでも最初から奥義を使ったのはアリアにとって不思議だったようだ。


「いや……どんな出来事にも弱音を吐かないように本気でやろうと覚悟しただけだよ……まあ、相手が死ぬのはごめんだけどね」

「それ、本気じゃ無いですよね?」

「それもまた覚悟だよ」

「……なんだがはぐらかされた気がします」

「うん、私もよく分かってないから」

『……えぇ~』


 黒猫さんが不服そうな声を上げる。 まあ、分からなくも無いけど。


「分からないものは分からないの! それでいいでしょ!」

「……まあ、いいですけど」

『子供っぽい……』


 黒猫さんがやれやれといったようにため息をつく……なんだか大人にあしらわれる子供のような気分になりつつ話題を変える……決して拗ねた訳ではない。


「そういえば黒猫さん……何レベなの?」

『いきなりだね』

「いや、そういえば知らないな~と思って」


今までずっと気にしてはいなかったが黒猫さんが使っていた魔法はMPを結構消費する魔法が多かった気がする。


『確かレイ調べられなかった?』

「ん、まあね……けどプライバシーとかあるじゃん?」

「そんな事考えていたんですか、レイさん……そういうこと全然考えない人かと思っていました」

「最近、アリアが酷い!」

「だったらもっと威厳とか出した方がいいですよ?」

「……だってそんなのないもん」

『まあ、人の上に立つような人ではないね』


 一人と一匹にいいように遊ばれる……うぅ……ちょっと泣けてきた。 こうなれば仕返しも兼ねて黒猫さんに【補助 サーチ】を使う。


 【黒猫さん レベル400 使い魔 ♀】


 ……ん?黒猫さん強くね?


『どうしたの?その思っていたよりも自分の使い魔がとても強くて驚いたような顔は』

「黒猫さん分かってて言ってるよね!」


 黒猫さん意外に凄いな……。


『っていうか私が何歳だと思っているの?』

「……20歳くらいですか?」

「猫だし5歳くらいじゃない?」

『ふざけてるの? 特にご主人様』

「……何かごめんなさい」


 黒猫さんのいつも淡泊な声がさらに冷淡さを増してきたので謝る。 黒猫さんもモンスターの一種だから結構年上だったりするのだろうか?


「じゃあ黒猫さんは何歳なの?」

『80歳。 ご主人様達よりは年上』

「……え、【補助 変身】じゃああんなにロリなのに?」

『【補助 変身】は自分のなりたい姿になるスキルだから歳は関係ない』


 まあ、変身だしそれもそうか……でも80歳っていう事は……


「じゃあ、黒猫さんは合法ロリって事?」

「……どういう意味か聞きたいですけどろくな言葉じゃなさそうなので聞かないことにします」

「アリア、合法ロリっていうのはね……」

「言わなくて良いです!」


視点変更 レイ→???


 「ぼく」は海の上を歩きつつふと上を見た。 真っ青な曇一つ無い空、「ぼく」は青が好きだった。 そしてその青い空は「ぼく」が歩くごとに消えていく。 まるでハンカチにココアが染みるように青い空は徐々に無くなり「ぼく」の歩いた後は黒く、暗くなる。 「ぼく」はこの色は嫌いだ。 夜の色だから暗くて何も見えなくなる。

けれども「われ」はこの色が好きだ。「われ」の嫌いな光を遮り、「われ」が自由に動けるから。

 そして「ぼく」は足下を見る。 下は青空に比べると汚い青だ。 けれどもその綺麗じゃない青も「ぼく」の通った所から黒くなってゆく。

 ……こうして「ぼく」の見ている景色は全て真っ黒になる。 「われ」は満足そうだが「ぼく」は嫌だ。 「ぼく」はもっと綺麗な色が好きで黒は嫌いだ。 そして、今「ぼく」の体を操っている「われ」も嫌いだ。 「ぼく」の人生は「われ」が目覚めたせいで変わった。 「われ」は「ぼく」の体を使い大陸中を真っ黒にした。 そして世界を真っ黒にするために「われ」は海を渡り始めた。





 「われ」が海の上を歩いていたがやがて大地を見つけた。 雪と氷の寒そうな土地だ。どんな場所だろうが「われ」はここを侵略するのだろう。 嗚呼、誰か居ないのか。


 「われ」……「魔神」と言われし「われ」を、「ぼく」の全てを奪った「われ」を倒せる者は……。





視点変更 ???→妖精ズ


「ヤバイヤバイ! キチャッタヨ!」

「ドウシヨウ! ドウシヨウ!」

「マジンハドコニキタノ?」

「バアルダヨ! バアルヒョウケツチタイ!」

「アソコッテ……マゾクガカクレテクラシテイルアソコ?」

「ソウ! アソコ!」

「……ドウカナ? ダイジョウブカナ?」

「……タブン、マジンニハカテナイヨ」

「ダヨネー」

「レイハイマドコニイルノ?」

「イマハハイナダヨ。 ハイナキョウコク」

「ト、トリアエズイソイデレイニツタエナイト! マジンガキタッテ!」


そろそろ闘技大会を終わらせないと話のネタが……。

後2、3話で闘技大会を終わりにすると思います。

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