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第11話 いざ!決闘!

まじめな戦闘描写は初めてですね。 

う~ん、いまいちな出来……。

視点変更 アリア→レイ


 光の眩しさに目を開ける。 そういえばずっと馬車の上で寝てたからベットで寝るのは久しぶりだな。 そういえば前に宿屋に泊まった時は隣にアリアが寝ていたんだっけ。 あれは驚いたなーっと昔を思い出しつつも隣を見ると黒猫さんが人型で何故か寝ていた。

 ……ん?昨日の夜は何があったんだっけ? 確か夜どんな武器で闘おうかという話で盛り上がって。 途中から黒猫さんの服を替えられないかと俺が考えて黒猫さんの着せ替えショーになって……あ、ここからおかしくなってるな。 とりあえず黒猫さんを起こそうと体を揺すって起こす。


「ん……?」

「起きろ~朝だぞ~。」


 少し揺すったらすぐに目を覚ました。 そして目をこすりながら起きる。 中々かわいいな……と考えていたが体を起こしたことで彼女にかかっていたシーツが落ちたときに恐ろしい事に気がついた。

 服を着ていない……だと! こんなことは体育の授業の時に体操着に着替える時に男子生徒から鼻血を出されたときくらいの衝撃だ!

 アリアの肌は真っ白でずっと光一つ届かない部屋に居たかのように真っ白で下は……説明はしないぞ……うん。


「んー後5分。」

「そんなこと言ってないで! 服を着て!」


 襲いたくなっちゃうじゃないか。


「分かった……。」


 黒猫さんがモゾモゾとベットから出ると。 最初に着ていた黒いコートを着始める。

 ちなみに女将曰く「決闘は昼、村の中心の広場でするって言ってたよ。」と言っていた。 何故場所が分かったんだろうって聞いたら。 ここしか宿屋がないからじゃない?とのこと。 そういえば時間とか決めてなかったな……。


「レイは着替えないの?」

「え?ああ。 そうだね、まだパジャマだね。」


 ネタ装備のパジャマに着替えて寝てたため、服を着替える。 着る服は今回も変わらず聖女のワンピースを着る。


「よし!朝食に行こう!」

『うん。』

「あれ? 黒猫さんになっちゃうの?」

『一人分で部屋は取ったんだよ?』

「あ、そっか。」

『それに食費も浮くよ?』

「いや、そんなにお金では困ってないから。」


 黒猫さん中々節約家だな。 一階に降りて食堂にやってきた。 食堂は丸い机と椅子がいくつかある感じのレトロなRPGでありそうな感じの食堂だ。 そこには女将が料理をしていたが俺に気付き挨拶をする。


「おはよう!よく眠れたかい?」

「はい!とっても眠れました。」

『同意。』

「そうかい、それはよかった。 ……そういえば聞いたかい?」

『何を?』

「決闘の話は私も聞いてるんだけど。 相手は狼の集いのギルドマスターらしいんだよ。」

「へぇ~。 その人は強いんですか?」

「ああ、大剣士のヒューマンだよ。 ここに泊まっているから顔も知ってる。」

「大剣士……。」


 大剣士は剣士の上位職に当たる職業だ素早さと回避能力が低い代わりに物理攻撃力と物理防御力がかなり高い。 この職業は一撃が強いが隙も多いかなり扱いづらい職業で、剣士の上位職で別の魔法剣士と双剣士に転職する人が多かった覚えがある。


「まあ、相手が何であれ闘うんだろ?」

「はい!もちろんです!」

「アリアの為なんだろ? がんばりなよ!」

「あれ?アリアを連れて行くな~とかじゃないんですか?」

「まあ、旅に出たら心配だけど。 アリアは生まれてからずっとこの村に暮してんだ。 父親や母親が首都に行くときもな。 少し外を見させた方がいいのさアリアには。」

『アリアと知り合いなの?』

「まあ、村の人は皆家族みたいな者さ。」

「いい村ですね。」

「まあね。 さあ決闘のために朝食を食べな! 何か食べなくちゃ力は出ないよ!」

「はぁ~い。」

『キャットフードは?』

「ないからご主人様から分けてもらいな。」

『……はい。』


 ちなみに料理は卵焼きとパンらしき物とキャベツのサラダという普通の朝食でした。


「そういえば狼の集いの人達は?」

「朝、外に出たのが何人かいたな。 それ以外は皆寝てるんじゃ無いかな。」

「ふぅ~ん。」

「あんたはこれからどうするんだい?」

「とりあえず部屋で武器を準備しておきます。」

「へぇ~。 なかなか面白そうじゃないか。」

「瞬殺するからみててくださいよ!」

「そ、そうかい。」


 あ、苦笑いしてる。 その後黒猫さんと一緒に部屋に戻った。


「黒猫さんは闘うの?」

『あなたはどう思う?』

「私としては一人で徹底的にフルボッコがいいんだけど……。」

『じゃあ、それでいいじゃない。』

「それもそうだね! 後衛職でボッコボコにされるギルドマスターとか見物だよね!」

『意外と恐ろしい事考えているね。』


 昨日罵倒してきた狼の集いの奴らの驚く顔が目に浮かぶぜ!





 まあ、武器とかを黒猫さんと決めていたらいつのまにか昼になっていたので手に黒いケースを持って女将付き添われ、広場に向かう。 ケースの中には自分の武器を入れてある。 流石に大勢の前でアイテムボックスを出すわけにはいかないしね。 広場には大量の人で溢れていた。 こんなに人がいたのかこの村には。


「うわぁ、ギャラリーがいっぱいだね。」

「まあ、何にもない村だからね。 こんなイベントがあれば皆見に来るさ。」

『暇なんだね。』

「まあ、そうだね。」


 何人かの人が気づいてこっちに声を掛けてくる。


「がんばりなお嬢ちゃん!」

「あの頑固親父の頭を柔らかくしてくれよ!」

「ギルドマスターにやられちまえ!」

「つーかあんな小娘の為にギルドマスターが出るのかよ。」


……なんか色々と言われているが全てスルーを決め込むことにして広場の中央に進む。 広場の中央には身長180を軽く越えてそうな大男が立っていた。 髪は黒く肌は茶色気味見た目30歳くらい……かな? そして手に持っているのはその身長よりも大きい大剣……見た目からして鉄製だと思う。  広場の中央には流石に人は大男しかいないがギャラリーの中にはアリアとアリアの母親、そして神父のような格好をした男が居た。 多分アリアの父親だろう。 ギャラリーを見回していると大男が話しかけてきた。


「お主がレイか?」

「ええ、そうよ。」

「このような小娘相手に私が雇われるとは……なめているのか?アイウス。」

「なめてなどいません。 その少女はこう見えても盗賊を一人で倒すくらいの実力はあります。」

「ほう。」


 アリアの父親のアイウスと会話をしているギルドマスターらしき人に話しかける。


「あなた、名前くらい名乗ったら?」

「ルルダンだ狼の集いのギルドマスターをしている。」

「ルルダン……愉快そうな名前ね。」

「なめているのか?」

「いいえ。」


 ルルダンが睨み付けてくる。 おお怖い怖い。


「武器は構えないのかな?」

「大丈夫ですよ。 ここに用意してあるから。」


 黒いケースを地面に置き中から武器を取り出す。 それを見て村人の一人が呟く。


「……ヴァイオリン?」

「ええ、そうですよ。 ヴァイオリンです。」

「そんな武器で大丈夫なのか? 手加減はせぬぞ。」

「大丈夫です。 あなたも死なないように踊りなさい。」


 風がやむ。 俺はヴァイオリンをあごに挟み構える。 ルルダンもゆっくり大剣を持ち上げる。 何も知らない人が見たら何が起こるのかサッパリ分からないだろう。

 俺は素早く弓を使い音を出す。 その瞬間ルルダンがこちらに走り出す。


「今だ!」


 ルルダンが剣を振るうがその攻撃は見えない壁によって阻まれる。


「あの小娘!一体何を!」

「小娘の周りの白い球体は何だ!?」

「……まさかもう魔法を発動したのか!」

「早すぎる! 一人で出来る魔法じゃねえ!」


 ギルドの人達が戸惑う中アリアは「流石ですね……。」と感嘆しているのが聞こえるが今は闘いに集中する。

 ヴァイオリンなどの楽器を使う職業がある。 精霊術士といいエルフ専用の職業なのだが不人気な職業ナンバー1といっても過言ではない。 この職業はMPを使わないでも【魔法】を使え一人で攻撃、回復、ステータスUP等の様々な【魔法】が使える反面周りに武器を使って精霊を集めなければならないという弱点がある。 しかも精霊を集めるのが恐ろしく大変なのだ。 森の中なら精霊は結構早く集まるが、草原では森よりも遅くなり、砂漠や火山に行けばかなり精霊が集めにくくなる。 つまり場所によっては全然役に立たない職業である。 ちなみに精霊が集まると周りに白い球体が現れる。 そして、ルルダンからの攻撃を守ったのは【魔法 精霊術の盾】である。 上位職には火山などで精霊の代わりに悪霊を集める悪霊術士と光魔法が中心の聖霊術士がある。


「さあ、攻めますよ。 【魔法 精霊の砲撃】」

「クソッ!」


 【魔法 精霊の砲撃】は白い球体がビームを勝手に撃ってくるという支援魔法だ。 精霊術士でソロで戦うには必要不可欠の魔法だ。 ルルダンは白い球体からのビームに気を回さなければいけなくなっている。


「こっちからも攻撃はしますよ。 【魔法 精霊撃】」

「なっ!?ぐふっ!」


 ヴァイオリンから放たれた光の熱線によってルルダンが吹っ飛ぶ……やり過ぎたかな? とは思ったが気絶しているだけだから大丈夫だろう。

 ギャラリーが呆然としている。 そしてアリアがポツリと言葉をこぼした。


「これって、勝ちって事ですか?」

「う~ん、そうじゃないかな? 多分。」


 意外にも呆気なく決闘は終わってしまったのであった。



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