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第115話 ……ん?今何でもするって

視点変更 レイ→レオーナ



 ヴェルズ帝国首都へ行く直前に【召喚】されたモンスターが手紙を持ってきた。 【召喚】が危険な事もあり、王の緊急の用事が無い限り滅多にそんな事はされない。

 そんな珍しい事が有ったのだ、私が手紙を開くとき騎士の面々達が緊張をしながら見ていた。 ……書いてあった内容は。


「……ハイナ教国の魔導隊がヴェルズ帝国に接近中。 ヴェルズ帝国との戦争に協力出来る可能性が有るならば共闘せよ」

「……それだけか?」


 秘書が手紙の内容を話した後、思わず聞き返した。 それに対して頷く秘書。

 魔導隊がヴェルズ帝国に向かっている……ハイナ教国は私達とヴェルズ帝国が戦争中だと知っている筈。 下手すれば利益を横取りしようとしていると思われかねない。


「は、ハイナ教国は確か戦争に参加しないと表明していた筈では……」

「ああ、それは間違い無い」


 そもそも手紙の内容からして魔導隊に戦争をする気は無いのだろう。 ……というか内容が少し回りくどい。


「恐らく王は魔導隊の目的を知っているな」

「ええ、恐らく」


 私が発した言葉に秘書が頷く。 「戦争に協力」なんて書いてある時点で魔導隊が敵な訳が無い。 おそらくハイナ教国の女王のハイナ2世が王に魔導隊がヴェルズ帝国へ向かう理由を通達位はしてあるのだろう。 王としてはその魔導隊を何とかヴェルズ帝国の戦争に利用したい……といった感じか。 とは言ってもヴェルズ帝国に居るのは滅んだはずの魔族と謎の青年ぐらいでヴェルズ帝国の兵士は実在するのか不明だが。


「で、どうしますか? 団長」

「魔族はともかく青年は首都へ入らなければ襲って来ないだろう。 首都へ進むならば戦力は有るに越したことはない。 見張りは魔導隊らしきものが来ないか見張れ。 もし来たら首都へ入るのを協力出来ないか交渉してみよう」

「は、ですがヴェルズ帝国に来るには時間が掛かります。 待つのに意味は……」

「鳥ではなくモンスターを使って急いで手紙を送って来たのだ。 直ぐに来るかもしれない。 ハイナ教国には優れた魔法技術が有るからな」


 ハイナ教国はオルアナ王国に技術を提供してくれているが私達が知られない技術が有ってもおかしくない。


「という訳で今日は待機だ。 それで魔導隊が来なければ首都へ仕掛けてみる」

「……は!」


 私の言葉に騎士達は敬礼で返し各々の配置で戻る。 その中バルテンだけは動かず私を見ていた。


「どうしたバルテン」

「団長、少し安堵していますね」

「……ああ」


 バルテンの言葉に私は素直に同意する。

 私は安堵していた。 首都に部隊を送らずに済んだことを。


「あそこには明らかに良くないものがある。 私はそう感じずにはいられない」

「だがそれは一時的なものです」

「……それも分かっているつもりだ」


 私の言葉を聞きバルテンの顔が険しくなる。

 王国の剣である私が戦いから逃げている。 彼からはそう見えたのだろう。 間違っていない。


「私は何百人もの命を背負って居る。進むのに少しためらってしまった……すまない」

「いや」


 バルテンは私の言葉を聞き苛立った感じと体を反転させ立ち去ろうとする。

 その途中バルテンは


「私は、早く兄さんを越えなければならないのに」


 と呟いたように聞こえた。










視点変更 レオーナ→アリア


「じゃーん! どうアリアちゃん!」

「似合ってますよ」


 私と黒猫さんの前でポーズを取りながら聞いてくるネイ。 その隣でレイさんが一仕事終えたような清々しい顔をしています。

 今ネイが着ているのは今まで着ていたギリギリファッションではなく、どちらかと言えば布で体を覆われている。 下は前が下着がギリギリ見えないくらいの短さで、後ろはくるぶしに届く位の長さの金の縁で覆われた薄い青のスカートであり太ももは堂々と露出をしている……これって防具に防御力があっても意味ない気がします。

 上はスカートと同じ色で首あたりからへそに少し届かない位の布が体にぴったりくっついている。

 そしてその上から金色の綺麗な刺繍のされた青いケープを羽織っていてネイの私が少し羨ましがっているプロポーションを隠しているのですが。


『結局へそが見えてる』

「……レイさん、真面目に選んだんですよね?」

「な、何アリア? さも私を変態みたいな目で見て」


 私がレイさんに不審の目を向けると少しあわて目をそらす……怪しい。


「こ、この服はSランク装備で「神風の服」って言うんだよ。 素早さを中心に能力値を上げる力が有る服でネイにはぴったりなんだよ」

「へえ……」

「へそが出てる方が落ち着くし私としてはこれで良いよ~」


言いたいことは有るが、ネイが納得してるなら良いのだろう。 Sランク装備なんて名前が仰々しいが変わった装備も多いみたいだ。


「じゃあ私は魔導隊の人達と交渉してくるね」


 ネイの反応に満足したのか、レイさんはアイテムボックスを消すと鎧から金属の音を鳴らしながら建物の外へ出て行く。


「……交渉?」

「魔導隊って騎士みたいなものだし、あの赤い制服を簡単には脱がないって考えてるんじゃないかな?」

『規則が大事って事?』

「そうそう」

「成る程……」


 ……そういう事に頭は働くのに何で何で自分の行動はあんな思いつきなのだろうか? 私はレイさんの行動力で助けられようなものだがそこら辺は今でも不思議である。

 でもレイさんは誰かに傷ついて欲しくないのは今までの冒険からよく分かった。


「あの、ネイ」

「ん?」


 私は体を捻ったり、伸ばしたりして動きやすさを確認しているネイに話しかけました。


「これから私に出来ることって何か有るのでしょうか?」

「うーん……応援?」


 それってやることが無いのと同義では?


「ううん、違うよ」


 私が黙っていると彼女は考えていることが筒抜けかのように言葉を続ける。


「レイちゃんがアリアちゃんをハイナ教国で故郷に返さなかったんだもん。 「自分のせいで友人が傷つくのは嫌」っていうレイちゃんがだよ? ならアリアちゃんを連れてきたのには意味が有る。 私はそう思ってるよ」


 「ま、レイちゃんも理由は分かって無いかもね~」とふざけた感じで言葉を閉めたネイ。

 けどその言葉で私はボイルの港町の事を思い出していた。

 力の無い私でも役に立てたあの日の事……私は


「レイさんの為なら何でもやりたいです。 応援でも……何でも」


 私が静かにそう決意し、私の前でネイが「そう、その意気だ」と言わんばかりの明るい笑顔を見せてくれた時、扉の方からガシャリと金属の音が鳴りました。

 扉の方を向くとそこには顔を真っ赤にしたレイさんが体をガタガタと震えさせて立っていました。


「あ、アリア……今何でもするって言ったよね?」

「……? はい、言いましたよ?」

「あ、アリアが破廉恥にぃいいい!」


 そう叫ぶと急に飛び出してしってしまうレイさん。 話しかける暇も有りませんでした。

 良く分からないのでネイの方を見ますが彼女は首を横に振ります。


「ごめん、私も良く分からない」

『私も分からん』


 んー、私が何かレイさんにとって悪いことでも言ったのでしょうか? レイさんの考え方は時々私と違う時が有るようですから。


「まあ、戻って来たら聞いてみたら? 今レイちゃんの後追っても多分冷静じゃないだろうし」

「……そうですね分かりました」


 まあ、あの感じからしてトラウマの様なものでは無さそうだし大丈夫だろうと勝手に納得し、のんびりと待つことにした。

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