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僕らの猫  作者: みー
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生活の始まり

翌朝、キッチンに立ち朝食を作る凛を、緑はカウンターで愛おしげにみつめていた。


ふわりと揺れる柔らかそうな髪を一つにまとめ、小さく華奢な身体で一生懸命朝食を作る姿は何とも可愛らしい。

鈍い本人は無自覚だが、凛はかなりの美少女である。子猫を思わせる大きな瞳や、お人好しで天真爛漫な性格は、見ている人を守りたいと思わせる。緑も思わずたまに頭を撫でたり、抱き締めたりしてしまう。


可愛いー……

自分の朝食を作ってくれていると思うと、健気すぎてうっとりしてしまう。

家で家事を手伝っていた凛は、料理が得意だ。大学へも何度か弁当を作ってきてくれたことがある。味もかなりおいしい。これから毎日食べられると思うと、幸せだ。


「できたよーっ」


色とりどりのサラダやいい匂いのする暖かいスープ、サンドイッチ、フルーツが並ぶ。


食べ始めると、凛は自分は食べずに緑をじっと見ている。

反応を気にして待っているようだ。おいしいよ、と微笑むと、ぱぁっと嬉しそうな顔が広がる。


透には悪いけど、凛を連れてきてよかったな。心の中で緑はそう呟やいた。


午後には透が越してきた。


引越し業者を使わなかったらしく、透が車で持ってきた荷物を三人で運び込む。


「荷物これだけなの!?あんたよくこんなんで生活できるねー」

「最低限のものしか持って来てないから」


緑と透がそんな会話をしながら部屋へ荷物を運ぶ。


従兄弟の緑が言うのも何だが、透は長身でスタイルが良い。切れ長の鋭い目で、上品で綺麗な顔をしている。グレーのシャツに身を包むその姿は、しばらく見ないうちに素敵な男性に成長していたようだ。

透は笑った顔が一番似合う。小さな頃から仲の良い従兄弟として育ってきて、昔はにこにこしていて可愛いかったのに、ある時期を境に滅多に笑わなくなってしまった。この部屋に来てからは一度も笑顔を見せていない。それが気がかりだった。


少し遅れて、凛が部屋に入ってくる。なぜかわざわざ大きなダンボールを、今にも落としそうによろよろと運んで来た。息切れしている。


「これどこに置けばいいっ?」

「貸して」


透は凛の手から軽々とダンボールを受け取った。

関わらないとか言って、なんだかんだ優しいじゃない。緑はくすっと笑った。

こうして二人を見ていると、美男美女でとても絵になる。


「あ、ありがと」


だが凛がお礼をいうと、透は凛の方を見もせずに言った。


「落とされたら困るから」


こら、そんな分かりやすく冷たくするな!……と思わず言いたくなるのを緑は踏みとどまった。

ちなみに身長は

凛→155

透→178

緑→164

です。参考に笑

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