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僕らの猫  作者: みー
11/28

演劇と彼2

彼はカフェテリアを半ば強引に連れ出し、大学内の中庭のベンチに凛を連れて行った。

そして「すぐ戻ってくるから」とだけ言って、展開について行けず戸惑う凛を残しどこかへ行ってしまった。


やたらと綺麗だが、なんて強引な人なんだろう。

凛はあきらめて彼を待つことにした。中庭の穏やかな風景に目を向ける。


芝生が敷き詰められた中庭は、木に囲まれ微かに草の匂いがする。陽が心地よく、乾いた風が通り過ぎる。凛は目を瞑り、髪を揺らす風や暖かい光を感じた。


目を開けると、もの凄く至近距離に男の子の顔があり、凛は飛び退いた。


「冗談だよ。はは、無防備だな」


けらけらと笑う彼に凛は警戒を解けずに距離をとった。


「俺、高橋律。舞台芸術学科の二年生だよ」

「英文科の仙田凛です」


凛はぺこ、と頭を下げた。満足げな律は自分のトートバッグから台本を出す。


「じゃあ早速、さっきの所から」


台本を見やすく広げ、カフェテリアで読んでいた箇所をさした。


「いいんですか?演劇の経験ないですよっ」

「あ、平気平気。なんとなく相手役のセリフ聞いた方が、練習しやすいからね」


律はにこっと笑ってそう言った。


それから小一時間ほど練習に付き合った後、緑が来るので、と断ってカフェテリアに戻った。


去り際にちょっと携帯出して、と言われたのでその通りにすると、携帯を奪われ、あっという間にアドレス帳に高橋律の名が登録されていた。


不思議な人。

しかし演劇の話は面白く、律の話してくれたストーリーの流れはとても興味深いものだった。機会があればもっと演劇の話が聞きたい、と凛は感じていた。

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