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灰の隔離地に咲く魔女  作者: 榛原
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第七章 戦場の閃光

レゼットは実の息子である魔女と間で生まれたエドを気にかけていた

エドは自分が父親だということを知っているのか不明だが、隠し通さなければ帝国に追われる側になる


ハミンドという最強格の騎士はエドを隔離地域に住まわせて身を隠すように勧めた


時は流れて強くなった我が息子を見てレゼットは嬉しかった


レゼットが愛した魔女は皇帝の命で処刑された時にレゼットの中で何かが壊れた

自分の息子の命は助かったといえどレゼットは皇帝に仕え、帝国軍の騎士として武功を立ててきたのに皇帝は血も涙もない事をレゼットは改めて知った


自分の妻が処刑前に息子を助けてくれるのなら私はこの世界にいたらいけない存在だと死を受け入れた妻に対してレゼットの中には反乱の意思が固まっていたが、ハミンドはレゼットが反乱をしたら帝国内部で内戦になるのを恐れて引き止めた


「やるなら徹底的にこの国を潰さなきゃならねえだろ」


戦場は、もう灰色ではなかった。

空に黒煙、地には血と土、そして光。

光――それは、エドとエミルの存在そのものだった。


巨影の魔獣たちは、城壁を越え、

街へと押し寄せてくる。

その足音は大地を震わせ、

人々の心を粉々に打ち砕いた。


だが、最前線に立つエドは、

恐怖に揺れる兵士たちの間に立ち、

静かに、刃を構える。


「前に出ろ!」

その声に、震える兵士たちは僅かに動きを取り戻す。

しかし、全員が同時に前に出られるわけではない。

戦場は、彼一人の力を試すかのようだった。


エミルも、背後で立ち上がった。

光の奔流が彼女の体を包み込み、

灰色の空間に白い閃光を投げ入れる。


「……私も、戦う」

小さく呟く声に、強さと覚悟が混じる。

母から受け継いだ魔力が、

今ようやく自らの意思で動き始めた。


旧支配者ティンは緊張しているエドを小ばかにした


「なんで体が固まっているんだ こんなバカデカイ魔物なぞ倒せば大人しいもんよ」


二人の力が共鳴すると、

戦場に初めて秩序が生まれる。

黒き巨影も、魔獣たちも、一瞬立ち止まった。


その隙を逃さず、エドは前に飛び出す。

刃が光を帯び、魔獣たちに斬撃を叩き込む。

一撃ごとに黒煙が吹き飛び、

魔獣たちは次々と崩れ落ちる


「来る……!」

魔獣の王である黒き巨影が、

ついに自ら動いた。


その足取りは重く、

大地が裂けるほどの衝撃を与える。

しかし、エドは躊躇しない。

一歩、また一歩と、前へ。


一方、城壁の上から見下ろすエミル。

光の奔流を操り、

魔獣たちの動きを封じる。

彼女の魔力は、まだ制御が完全ではない。

それでも、戦況を変えるだけの威力を持っていた。


「エド……無理しないで」

心配そうに声をかける。

だが、戦場での彼の表情は、冷静そのもの。


「……俺がやらなきゃ、誰が守る」


旧支配者ティンはエドにしか見えないのか人の姿で現れた

「お前は若いなぁ どうしてそんなにこわばってしまうのだ」

「さぁ俺の力を存分に魔獣にぶつけろ」

低く答える声には、揺るぎない決意があった。



黒き巨影が、ついに巨大な爪を振り下ろす。

城壁の一部が崩れ、兵士たちは吹き飛ばされる。

だが、エドは避けない。

光に包まれた刃を、その一撃に重ねた。


閃光と轟音が交錯し、戦場の空気が裂ける。

魔獣たちが一斉に後退する。

それは、城壁の上の兵士たちが初めて見た、奇跡の光景だった。


戦場に、静寂が訪れる。

灰色の空。

散乱する瓦礫。

だが、二人の光だけは消えない。


エミルの心に、

初めて「戦う意味」がはっきりと芽生えた瞬間だった。


「……私、戦える」

小さな声。

だがその中に、母譲りの強さが宿る。


エドは一瞬だけ彼女を見た。

その瞳に、わずかな笑みが宿る。

光と刃が、戦場に新たな道を作った瞬間。


旧支配者のティンはエドの体に宿っているのにわからない事がある


エドは自分の父親の正体を知っているのか、それとも知らないのか

エドという少年は同化しても支配者でも理解出来ない領域に達していた



戦場の空は、灰色と血の赤に染まっていた。

巨影を従えた帝国軍と、覚醒した二人――エドとエミル。

その対峙は、まるで世界そのものを震わせる力比べのようだった。


「……ここまで来るとは」


低く響く声。

それは、帝国の精鋭、選ばれし騎士の一人の声だった。

鎧に包まれた姿は、

魔獣と同じくらい異様で、威圧的だった。


「……貴様が、エドか」


短く言い放つその言葉に、

戦場の空気が一瞬凍る。


「……そしてお前が、魔女の少女か」


目の前に立つのは、

長い戦歴を誇るエドの父親レゼット――

選ばれし騎士たちの最年長にして、最強の一角。

その瞳は冷徹で、

光と影の両方を理解した者だけが宿すものだった。

自分の息子がここまで強くなって帝国に立ち向かうなど思いもしなかった


エドは静かに剣を構えた。

剣は旧支配者ティンの力で中距離範囲からの攻撃も可能になっている

だが視線はエミルへ。

彼女の目に宿る覚醒の光を確認する。


「……まだ、本気じゃないだろう」


レゼットは微かに笑った。

だがその笑みは、敵意を隠したものではない。

ただの自分の息子の成長の微笑み

親子の対峙の始まりを楽しむ笑みだった。


戦場に静寂が訪れる。

巨影の魔獣の死骸を見て、凍りついたかのように動きを止める。


「動くなら、どちらか一方――

 いや、全員、死ぬことになる」


レゼットの声は低く響き、

兵士たちは全身を硬直させた。

戦争の決定権を持つ者の前では、

たとえ帝国の兵でも、動くことはできない。


エドは一瞬だけ目を細めた。

旧支配者ティンがエドの体に憑依した

相手の力を測る

全力を出せば両者のうち一名死ぬ事になる

ティンは眠らせたエドに問いかけた

「お前はなぜ知ろうとしないのだ。現実逃避している場合じゃないだろう

だが、エドは何も言わない


エミルはエドの父親が今目の前にいる事を知っているからこそ

エドの代わりに戦う決意がついている

「お前は少し落ち着け お嬢さん」

小さく、確かな声で落ち着かせた。

エミルの背にエドは寄りかかった

このままじゃエドの命が失われる


心優しき少年がこのままでは救いようがないバカになる事を旧支配者ティンは余裕を見せている。


その瞬間、別の影が戦場に現れる。


「遅くなったな、エド」


鎧の音を立てて現れたのは、

もう一人の選ばれし騎士、ハミンド。

皇帝の命にも屈しない信念の持ち主で、

魔女を逃がしたことで反乱の中心となった男。


エドは驚かない。

だが目の奥で、

意識の中で旧支配者に眠らされたのに目が覚めた


「父上はなんで母を見殺しにしたんだ」


エドの体を操るティンはエドの過去を力で回想を見た


数年前の記憶だ


「散々世話になった魔女を粛清するって へっ 俺はやらねえぜ」


ハミンドがレゼットに話している


レゼットは頭を抱えていた


「お前の息子も当然粛清対象だろうな」


レゼットの目は魂が抜けているかのように返事がない


ハミンドは頭を抱えて座り込んでいるレゼットを背中を蹴りだした


「俺は皇帝の魔女狩りなどせず魔女を助けることをする」


レゼットは強烈な蹴りを食らっても息子のエドの事を気にかけて黙っている


「お前の母親は俺でも助けられん 帝国の魔女部隊の主軸だったからそこは処刑されてしまうだろう。


だが・・・

「息子に関しては命を助けなければならない そうだろう?」


レゼットはハミンドに目を見た


「隔離地域に逃げさせるんだ」


レゼットは口を開いた

「我が息子を助けてくれるのか」


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