第五章 覚醒の魔女
エドに同化した旧支配者の力が目覚め、エミルの魔女の力が覚醒した
旧支配者は心優しった少年のエドが帝国に本気で挑むとは旧支配者ティンは複雑な心境だった
ティンは人の予知が出来る。
ティンの予知ではエドはエミルと共に帝国領土を脱出して帝国に支配されていない国に移住して幸せな未来が見えていたがエドの帝国に対する復讐心は支配者の力でも読めなかった
灰の空を切り裂く叫びと、剣の閃光。
戦場は瞬く間に地獄と化していた。
だがその中心に立つ二人――
エドとエミルは、まだ互いを確認し合う余裕すらあった。
「……エド!」
エミルの声が風に消えそうになる。
だがその叫びが、彼女自身の魔力を呼び覚ます引き金となった。
小さく震える手のひらに、
淡い光が生まれた。
それは雪のようで、灰のようで、
しかし確実に――生命の温度を帯びていた。
「……目覚めるのか?」
エドは短くつぶやき、刃を構え直す。
目の前の黒き巨影は、すでに数十体の魔獣を従えていた。
圧倒的な力の差。
それでも、恐怖はない。
「怖くない……わけない」
エミルは自分に言い聞かせるように呟いた。
だが体は震えているだけで、剣を握る力は失われていない。
潜在する魔女としての力が、
少しずつ彼女を押し上げているのを感じる。
黒き巨影が再び唸る。
その声は深く、響き渡る。
「封印側……
貴様らは、何者だ」
エドの瞳が光る。
刃に宿る光も、以前とは比べものにならない強さを帯びていた。
「母の血を受け継ぐ者だ」
低く、冷静に。
そして、刃を振るう。
振るった瞬間、
光が巨影に触れる。
その衝撃で、魔獣たちが一斉にひるむ。
だが、巨影は退かない。
逆に、地面を踏み鳴らし、
圧倒的な力で突進してくる。
「……やるのね、エド」
エミルは覚悟を決め、手を掲げた。
その瞬間、
彼女の体から光が迸る。
刹那、街の灰も巻き上がり、
光の竜巻のように戦場を包み込む。
「……これが……私の力……」
小さく震える声。
だがその声に力が宿る。
今まで抑えてきた全ての感情、恐怖、怒り――
それが形となり、魔力の奔流となった。
エドとエミルの間に、
微かに、しかし確実な共鳴が生まれる。
二人の力は、
互いを引き立て、補完し合い、
戦場に光と秩序をもたらす。
魔獣たちが再び襲いかかる。
だが今度は、倒れるのは奴らの方だった。
エドの剣が閃き、
エミルの魔力がその刃を追う。
巨大な黒き巨影は、
数度の斬撃と魔力の衝撃を受けて後退する。
エドは剣を落とし
両手でエミルを守る為に魔力で結界を張った
支配者はエドに問う
「この時を待っていた」
エドは支配者の声に驚きもせずに応じた
「あんたの事を知っているんだ 支配者さんよ」
結界はより強力なバリアとなりエミルの魔力をより高めた
「そうだな 私は不老不死だ それも新支配者に負けた哀れな支配者」
「一生を死なずにこの世に暮らすのなら心優しきお前に託したんだ」
その姿に、
戦場の兵たちは息を呑んだ。
「魔女になっただと?」
兵は魔女になった事に驚き
エドが更なる力がある事に戸惑いを隠せず逃げ出す兵士が続出したのだ
誰も知らなかった。
魔女の本当の力を。
そして、
この二人の力の組み合わせを。
城壁の上。
兵士たちの視線は、
二人から離れられなかった。
「……こんなことが……」
誰かが呟く。
だが言葉は途中で途切れ、
そのまま震えるだけだった。
エミルの心は、恐怖と高揚で揺れ動く。
だが、それ以上に――
心の奥底で、エドを守りたい気持ちが強くなる。
「次は私がエドを守る番なのよっ!」
決意の言葉と共に、
彼女の魔力はさらに強まった。
戦場を覆う光は、
黒き巨影の影すらも削り取る勢いを帯びていた。
エドは一瞬だけ彼女を見た。
その瞳に、僅かな笑みが宿る。
「ごめんな お前を巻き込んじまって」
声は低く、しかし確かに届いた。
二人は理解した。
共に戦うとき――
互いの力は無限に広がると。
戦場はまだ終わらない。
だが、黒き巨影に唯一の希望の光が生まれた。
そして――
二人の力はその場にいた兵士が次々とパタパタと命が絶える
エドの心に宿る支配者が囁いた
「優しかったお前は今はもういない ここは限界を超えて立ち向かえ」
エドは「死」を覚悟した
本当は平和で自然豊かな村でエミルと一緒に暮らしたかった
しかしっ・・・
帝国に対する復讐は心に刻まれた使命だという気持ちが勝った
「帝国を終わらせてやる!」
今までエドから守ってもらったエミルはエドを守りたいという気持ちで目覚めたらいけない魔女を目覚めさせた
エミルはエドと一緒に死を覚悟した上で帝国と戦う事を決めたのだ




