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久遠の不和  作者: 鬼野宮マルキ


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1888年・カレー港

1888年・フランス・パ=ド=カレー県・カレー市

カレー港


蒸気船オクタヴィウス号がカレー港に入港した。

ヴァン・ヘルシングともう一人は素早く船を降りて、待機していた馬車に乗った。


「君はどこまで付いてくるのか?」


「わが君主の命はあなたを護衛することです・・・フランスにいる間、ずっとです」


「君のマスターは少々心配性な感じもするのですが・・・」


「慎重と言っていただきたい、ヴァン・ヘルシング教授」


「それは確かに」


始皇帝はドーバー海峡を渡っている真っ最中に船からいなくなり、部下で眷属のジャン・パスパルトゥーだけを残した。


「パリでマスターの系統の連絡員と合流し、ドラキュラを探す」


「予定がもう決まっているのか?」


「はい、時間がないのですよ」


「銀貨集めか・・・」


ヴァン・ヘルシングは始皇帝から聞いた話がまだ半分も信じていなかった。


イスカリオテのユダが救世主を裏切り、その代価として30銀貨をもらった。


彼はその行いを悔い、反省し、自殺したと世間で信じられていたが、実際は彼が【転生】し、不死者を含むすべての存在と命を無差別に捕食を繰り返す恐ろしい【何か】となった。

その際に30銀貨に特別な力が宿るようになったことで、多く集めれば、集めるほど影響力、権力など増し、神に等しい存在となり、この世界をも手に入れることが可能な代物。


今世紀にはナポレオン1世は銀貨2つを所有したことで欧州を自分の手中に治めようとした。最終的、評議会の加入により、その2つの銀貨を盗まれ、彼の野望を打ち砕いた。


元凶であるイスカリオテについて、16世紀頃に突如、表舞台から消えた。

封印された噂が流れたものの、その行方は明確に知る者がいなかったと思われていたが、表的に。


実際は評議会の凄腕工作員で天才発明家・芸術家のレオナルド・ダ・ヴィンチがその天才的頭脳をフル回転させ、イスカリオテとその同等尚且つ対照的な存在である救世主が残したもう一人の厄介者のラザロを封印した。凄まじい戦いの末、代償はダ・ヴィンチの命だった。


「急ぎましょう、教諭、追手が間違いなく来ている」


「確かに・・・ずっと気配が感じるものの、正確な位置とその姿がまったく見えない・・・ってことは革命派への寝返りがばれているのか」


「ああ、その通りです・・・そしてこの国にも評議会の猟犬どもがいるはず」


「議長補佐のジル・ド・レ卿か・・・」


「革命派もいる・・・連絡員をかくまっている緋色の枢機卿のところへ急ぎましょう」


「評議会の内部分裂が激しいな・・・」


「|始まりの4人《 クァットゥオル・プリモルディアーレース》を含む保守派議員とわが君主を含む革命派議員・・・だが、革命派側は著しく劣勢の状態」


「だからイスカリオテの銀貨が必要なのか・・・」


「そうです・・・そのためにドラキュラを探し、革命派の仲間にしないと・・・あの男は自力で短期間、3つの銀貨を手に入れた」


「評議会よりドラキュラを滅ぼす命を受けた私が今度は彼を仲間にするのか・・・皮肉な話だな」


「教諭、あなたは系統の真祖です・・・闇の子である私とは違うのです・・・そんな誇り高き存在は老害の使いぱっしりになっていいのですか?・・・革命派はそんな理不尽な封建制度を終わらせるのです・・・」


「私の系統・・・私の闇の子らを滅ぼされて、ここ2世紀の間、ずっと評議会の汚れ仕事をしてきた・・・系統の復活を願って・・・そして何も手に入れてないな」


「革命派には正義がある、教諭・・・あなたはそれがわかるはずです」


「ああ・・・そして保守派の正義もね・・・だが、私の系統の復活を優先する・・パスパルトゥー君、案内頼むよ」


ジャン・パスパルトゥーは軽く頷いた。



同時期


パリに向かう馬車を宿屋の2階の窓から見ていたグリフィンはゆっくりと隠し場所から服と包帯を取り出して、着替え始めた。


彼の姿が透明で不死者の目でも見つけることがほぼ不可能だった。肌が透明になっていたため、包帯を自分で巻いていた。


「誰だ?!ッ」


後ろへふりけらず、グリフィンは怒鳴った。


「気配を消したつもりだったが、流石、グリフィン君・・・素晴らしい反応です」


「貴様、今すぐ名乗れッ・・でないと滅ぼすぞ」


「安心したまえ、私はジル・ド・レ卿が眷属のショーヴランだ」


「なんだ・・・大嫌いな貴族の犬になったフランス元革命家じゃないかな・・・元市民ショーヴランよ」


グリフィンは皮肉たっぷりに言い放った。


「なんとでもいいたまえ・・・でも忘れれるな・・・私には君がハッキリと見えているよ・・・わがマスターの命令とあらば、新人者(ニューボーン)の君をすぐに灰にできるよ」


ショーヴランは目の笑ってない笑顔でグリフィンをけん制した。


「悪かった・・・気が立っていただけだ」


「いいえ、私も大人気もなかった・・・我々もパリへ行かないと」


「ああ・・・ヴァン・ヘルシングの奴はきっともう一人のこの国の真祖のところへいくはず」


「革命派になったリシュリュー枢機卿が手強いですよ」


「わがマスター、ルスヴン卿より革命派の首謀者どもを滅ぼす命令を受けている・・・大英諜報機関ディオゲネス・クラブの00(ダブル・オ)の新たな二けたナンバーズになった・・・0025番のグリフィン」


「わがマスター、ジル・ド・レ卿と永遠の忠誠を誓った評議会の命により、私は君を全面的に援護するよ」







続く・・・


次回の更新予定12月24日(水曜日)

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