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十一話

評価ありがとうございます。お陰様でやる気が出ます。



 「どうして、こうなった0)"'!0=$0#)。」

 泣いている。


 母が泣いている。


 「お前が▼やかすか■△!お前が甘やかすからコイツは✕とは違って0$#"!$作に#り下がったんだ!」

 父は怒っている。


 母を慰めようと思ったが辞める。打たれるから。


 ただ、失敗作と言う言葉が一瞬耳に響き、胸が一層寒くなる。そして、すぐに通り過ぎる。


 周りすべてが白黒だ。

 もう疲れた。

 眠りたい。


 ああ、段々と眠たくなってきた。やったと思う。寝れば、この胸の空っぽの感じが埋まるのを感じる事ができる。思考を捨ててあの暗闇に落ちれる。この詰らない世界から意識を避けられる。




 『じ△あ■異%界はどうだった。』












 「うわ!!」

 

 「うわっつ!!びっくりさせんなヴォルク」


 「嗚呼、悪い」


 「たく、どんな夢見てたんだよ。」


 「ん、あれ何だっけ?」


 「まあいいや、おい、皆んなヴォルクが起きたぞ!」


 ダンテが大声で隊を呼び皆集まる。

 「起きたかヴォルク!!」


 「大丈夫でしたか先輩」


 「どうだ、ヴォルク足は大丈夫か」

 アウスールが聞く。アウスールは分隊長が魔法隊から無理やり引っ張ってきた優秀な魔道士だ。隊の治療もこいつ一人でやってる。


 「ああ、大丈夫だ。そうだ、ダンテ、お前の足は」


 「足、もう何もなかったように治ってるよ。」

 ダンテがヴォルクの顔面で足を寸止する。


 「やっぱ、回復魔法様々だな!」

 


 さっきまで死にそうだったのに気楽なもんだ。ダンテが女だと知った時、どう関わるか迷うと思ったがあまり変わらんな。まあ、実感わかないから、かもしれない。まあ、相棒は相棒だからな。俺が考えすぎてただけか。

 ダンテは笑って眼を俺と合わせる。


 「聞こえてるか。」

 目を離さない。


 「ああ、聞いてる。」

 ヴォルクは、無意識に目を避けてしまう。

 女性とわかってると妙にダンテの動きが靭やかに見える。そういえば、ダンテの戦い方はどちらかと言うと力を受け流す感じの戦い方だったな。

 まさか、俺はコイツを意識してるのか、いやそんなことはない。


 もし、そうだとしても一方通行だ。



                 “■△▼は!0(されない”



 「どうした。ヴォルク、苦しそうな」

 

 「ん?、ああ、なんでもない」


 「そう。」

 ダンテに話しかけられ意識が戻る。ダンテは、すぐに興味を失ったようで遠くに歩いていった。

 無駄な事を思い出して頭が冷えた。俺は空を見る。


 「今日は良い天気だな〜」


 「ヴォルク、そういえば伝えないといけないことがある。」

 

 分隊長が思い出すように言う。

 「何?」


 「今回は、敵の指揮官を殺せたことで俺等の指揮官が昇進した。斥候によるとここら一帯には軍らしき姿はない。だから俺らは明日から攻城戦だ。それと、お前の報酬はコレだ。残りは、お前の村に送られるってよ。ほんとにいいのか。」


 「ああ、別に、此処まで育ててくれた村と親への感謝の気持だ。」


 「あっそ」

 ヴォルクは分隊長から手渡された金袋を強く握る。










===================================

 

 息が蒸せながらある男は走る。身体に身につける装備の充実具合が彼の育ちの良さを表す。しかし、そんな彼を表すための装備の装飾すら戦闘により剥がれていた。


 男は本来、真っ二つになるはずだった。


 しかし、彼は生き残った。その理由は彼の一族の特徴。命を人生で一回までストックできる特性上生き残れた。分隊は壊滅してしまった。一族の象徴であるフェニックスの如き猛々しい朱の髪は、能力を失い灰色一色に脱色される。


 彼の肌の殆どは高温の蒸気により爛れていた。とても、全力で走れる身体ではない。だとしても、男は走る。その理由は単純明快


 怖い、怖い、怖い


 単純な恐怖により男は死戦からの脱出を可能にした。ただ闇雲に走るアホではない。彼の走る方向に明確な理由がある。


 本隊に合流する。

 人生での分岐点を踏み外し、敵前逃亡を行った俺は例え貴族でも処刑は免れない。だが、俺には手札がある。勇者だ!!


 男はヴォルクと戦闘して重体となった勇者一行を洞窟に身を隠させた。そして、彼は助けを呼んでくると伝えて出てきた。勇者の場所を知っている限り、俺は殺されないだろう。勇者を回収した後は、勇者に庇ってもらえばいい。一人で努力してきた自分が最後に頼るのが他人というのは皮肉だが、背に腹は変えられん。


 草木を走り通る。鍛えた時間の積み重ねが彼を味方にし、痛みにより気絶はしなかった。


 「たしか此処だったは…!」


 男は目的に到着するが、民兵に囲まれた。男は、一瞬肝を冷やしたがすぐに安心する。


 「どういうつもりだ。俺は友軍だ。」


 男は貴族の紋章を翳すと、民兵の槍を持つ手が緩み、隊長らしき男が近づいた。


 「大変失礼しました。医務室はこちらです。お運びしましょうか?」


 「それは、後だ。本部の天幕に連れて行け。」

 男は怒鳴る。

 隊長は、一言「ですが」と口先まで出かかったが、男の目を見て口を締める。


 「わかりました。」


 男は隊長に続いた。

 復讐してやる。命からがら生き残った男はニヤける。


 「復讐してやる。」

 復讐はできる。負けるはずがない。なんせ、相手は城を攻めている者共を合わせるとたった一万程度、


 「三万には勝てんだろ」

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