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バカップル序章

読んでね(⌒∇⌒)

「うぅ、緊張するね。ルイ。」


「そうか?俺はそうでもないけど。マイはビビりだもんな。」


「なぁっ!この我をビビりだと!漆黒の炎で骨の髄まで焼き尽くしてやろうかぁー。うおぅ、おなか痛いぃ。」


 俺と彼女のマイは今日、『ラブラブバカップル選手権』とやらに出場することになっている。

 理由はこの、アホで間抜けですっとこどっこいの、いつまでも中二病を引きずっている高二の彼女に無理やり連れてこられたからだ。


 ていうか何なんだよ。『ラブラブバカップル選手権』って。なんてアホなイベント名だよ!それに参加したいって駄々こねたこいつはもっとアホ。

 考えてもみろよ。もしこれ優勝してみろ?俺たちはラブラブバカップルの称号を不名誉にも手に入れてしまうんだぞ。そんなの耐えられない。こいつマジでアホ。


「おいおい。人のことアホアホ言い過ぎだぞ。」


「つい本音が出ていたのか!?」


「わかりやすいほどに顔に出てたぞ。まったく。気合が足らんぞ!」


 なんでこいつそんなやる気なんだよ。やっぱアホだな。


「なっ、またアホと思ったな!優勝で豪華賞品が出るんだからもっと真面目にやってよ。」


「よし!ラブラブ王に俺はなる!」


 なんだよ。早く言えよな。




 さて、ラブラブバカップルな俺たちは会場に到着した。大型ショッピングモールの広場的なところでイベントが開催されるらしい。こんなアホな企画なのに意外と規模デカいな。やっぱ豪華賞品ってそんなすごいのかよ。


「えー、ら、ラブラブ、バカップル選手権に参加の方はこちらに集合してくださーい。」


 おそらくイベントの係だろう人が声を張る。

 わかるぞ、係りの人。そんな大声で言いたくないよな。でもな、今からそれに参加しなくてはならない俺のほうがもっと恥ずかしいんだぞ。


「ほらルイ、行こっ!」


 ああ、行きたくなくなってきた。おなか痛い。




 まあ、そんなこんなで馬鹿げたイベントに参加したわけだが、アピールタイムやらカップルでの水着審査やらをさせられ、挙句の果てにキスコールまでしてきやがって。中年上司のセクハラかよ!


 さらにそんなこんなで優勝しちゃいました。え?マジ?


「それでは、ベストラブラブカップルのお二人のお言葉をもらいましょう。優勝、どんなお気持ちでしょうか?」


 べ、ベストラブラブカップル。お気持ち?とても恥ずかしいです。帰らせてください。


「はい!私たちがベストラブラブカップルに選ばれて、とても光栄です。えと、これからも私とルイは一生ラブラブバカップルで~~すっ!!」


 うえーーーっい!!!ヒューヒュー!!!いいぞーー


 なに言ってんのこいつ?ラブラブはいいけどバカップルは余計だよ!


 キース!キース!キース!


 ここでキスコールが起こることは必然といえよう。野次馬ども後で覚悟しとけよ!


 これは俺の生涯で最も黒歴史になるだろう。いや、確定した。

 なぜならば、ここで俺、いや俺たちの()()()()()()生涯が終了したからだ。

 俺たちがキスコールに促されキスを交わした後、俺たちは真っ白い空間にいた。


「マイ、大丈夫か?怪我無いか?」


「う、うん。大丈夫どす。」


 キスしたばかりからか顔も赤いし、語尾が舞妓さんになってる。かわいいな。


「て、ていうかこれって異世界転生?トラックにひかれなくていいの?ラッキーじゃない?」


 ダメだ。恥ずかしさと困惑でアホがより出てきている。ラッキーってなんだよ。

 異世界系が好きな人なら、大体この後の展開が予想できるであろう。その空間には転生させる女神がいて、何かしらのチートと使命を持って、異世界転生するのだろう。俺もマイもそう思っていた。この時までは。


「やあやあ、ベストラブラブバカップルのお二人さん。ご想像通り異世界転生だよ!」


 俺らの背後にいきなり女が現れ、そう言った。うわ、すごい美人だな。


「やっぱり!?じゃあ、あなたが転生の女神?それから、スキルは?それと職業に神器。魔王いるの?あとねあとね、」


「あーあー!ちょっと待ってよ。私が一から説明するね?まず私は恋愛の女神ヘラ。転生させる神はほかにいるんだけどね。今はお休み中だから私が代わりに人を選んで、転生させてるの。最近の人間は物分かりがよくて助かってるよ。」


 異世界系ラノベ様様だな。ていうか、あのイベント考えたのこいつかよ!


「そうさ、私さ。文句あるの?いい名前じゃないのよ。」


 こいつもアホの類か。


「あー。アホって言ったな。人間のくせにー!」


「しまった声につい本音が出ていたか。」


「顔に出てたし、ていうか心読めるし!」


 あれ、なんかデジャブ?

 しょうもない会話をしすぎたか。中二心がうずうずしていたマイがしびれを切らした。


「もーー!早く話してよ!次は?スキル?魔法?漆黒の炎出せるの!?」


「あーごめんごめん。じゃあ本題。あなたたちは異世界に行ってもらうんだけど、特にやってほしいことはありません。すぐに死なれたら困るのでスキルはプレゼントしますが。」


「スキル!!やった!漆黒の炎よ!」


 漆黒の炎大好きだな。

 あまりの嬉しさからか、飛び跳ねて喜ぶマイ。漆黒の炎は絶対似合わなそう。むしろかわいい。


 しかしそうだよな。こんな浮かれた高校生二人が異世界で生活なんて流石に無理だよな。スキルは慎重に選ばないといけなさそうだ。

 マイは必ず守らなくちゃいけない。彼氏として、このアホ丸出しの中二彼女を守りたい。万が一危害を加える奴が来たら、守り切る。いや叩きのめせるようにしないとな。


 自分は十分にラブラブバカップルに値すると自覚するのは、まだ先だ。


「なんとなんとスキル獲得に必要なポイントは、カップルのラブラブ度に応じて決まります!!つまり、お互いがラブラブであればあるほどいっぱいスキルがゲットできちゃう。そういうことです!」


 なんだよそれ!?


「ならいっぱいスキルゲットできちゃうね!」


「ああ、まあそれは間違いないな。」


 そうかそうだよな。一安心だ。


「それで私とルイのラブラブ度はどのくらいなの?あと平均はどのくらいなのかも気になるな。」


「そうだね。平均は二人で100くらいかな。」


「俺たちは?」


「ふふ、なんと1000だよ!!1000!!すごーいラブラブだね~お二人さん。」


「へぇっ!?」


 俺は驚きのあまり変な声が出てしまった。1000!?平均の10倍!?多すぎないか!?


「まあ、そのくらいは妥当よね....ほんとはもっといてほしかったけど。」


 後半は聞き取れなかったけど、妥当なのか?

 いや、よく考えろ。俺のマイへの愛はだれにも負けない自信がある。なら妥当なのでは?そうだ。そうだろう。

 あれ?俺もバカップルなのか?いやそれはないか。バカは余計だ。


「じゃあこれ、スキルのカタログね。ここには時間の概念がないから、じっくり考えこむといいよ。」


 女神が渡してきたカタログを受けとり、マイとのぞき込む。


 目次

 1.消費ラブラブ度 5~10P

 2.消費ラブラブ度 10~20P

 3.消費ラブラブ度 20~30P

 4.消費ラブラブ度 30~40P

 5.消費ラブラブ度 40P~50P


 6.チート級スキル 100P~


「マジかよ。チートやん。」


 思わず口に出てしまった。


 そうか。俺たちの愛は異世界でチート級のようだ。


 ここから俺たちのバカップル異世界転生が始まる。






ありがとう(⌒∇⌒)

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