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メアリー・シェリーの悪夢

俺たちはミンミンの身体を馬車に乗せ、東の地を目指した。


ライカの言うところでは、メアリーは東の地、メーレン湖のほとりにある邸宅に住んでいるらしい。


「馬車を飛ばせばメーレン湖までおよそ半日ほどだ。早朝には到着するだろう」

ミエルが馬に鞭を飛ばした。


「ライカ、メアリー・シェリーについて知っていることを教えてくれないか?」

俺はマイラに尋ねた。


「メアリーは、自称なんだけどすでに200歳を越えているそうよ。生命の秘密を解き明かし不死の科学を見出したとか」


マイラの語るメアリーのプロフィールは以下のとおりだ。


これも自称なのだが、メアリーは王族に連なる貴族の出身らしい。


無神論者の父と、フェミニストの母の元に生まれたが、母親はメアリーを産み落としてすぐに産褥死した。


科学万能主義者でもある父の影響で、幼いころから勉学に没頭したメアリーは、わずか14歳で王立科学アカデミーの学位を取得するほどの天才だった。


16歳のとき、メアリーの父の思想に共鳴し、家に出入りしていたたロマン派詩人、パーシー・シェリーと恋に落ちる。

当時パーシーは妻子ある身であったため当然、父は激怒した。


パーシーとメアリーは駆け落ちした。

間もなくメアリーはパーシーの子を身ごもる。


やがて生まれた男の子にビクターという名前を付けるが、生後わずか10日で亡くなってしまった。


このころからメアリーは精神を病み始めたと噂されている。


メアリーは毎晩、同じ夢を見続けていた。


それは冷たくなった赤ん坊を暖炉で温めると生き返る・・という夢だ。


メアリーは目が覚めるたびに息子ビクターが居ない現実を突きつけられ、悲嘆にくれる日を送るのだ。

まさに悪夢である。


その後パーシーの妻が自殺したため、メアリーはパーシーの正妻となった。


しかし、メアリーの悲劇はまだつづく。

夫のパーシーがボート事故で溺死するのである。


・・・人はなぜ死ぬのか?


・・・お父様は科学ですべてが説明できると言っていた。不死の科学はかならず見つかるはずだ。


こうしてメアリーは不死の科学に取りつかれた。


ある日メアリーは、ある科学者の実験を目撃した。

それは、電気の実験である。


その科学者は電気をパスタに流し、それを動かして見せたのだ。


・・・もしかしたら、死体に電気を流すことによって生き返らせることができるのでは?


そのときメアリーは、そう考えた。


それ以降のメアリーの人生は、死人を蘇らせる実験に費やされた。


新鮮な死体を求め、その優れた部分を繋ぎ合わせては電気を流し、生き返らせようと試みたのだ。


「こうして、メアリーは死者を生き返らせる実験に成功したと言ってるのよ」


「やはり成功したのか?」


「誰も見たものはいないのだけどね。でも正直、科学者の目から見ると眉唾なのよ。死体に電気を流して生き返らせるなんて科学的にあり得ない。もしできるならそれは科学ではなく魔法よ」


魔法か・・しかし、ここは魔法の存在する世界だ。望みはあるはずだ!

俺はメアリーに一縷の望みを託すことにした。


「メアリーに蘇生の依頼をするものは居るのだけど、施術には法外な報酬を要求するそうよ。それも蘇生の成否にかかわらず」


報酬ならいくらでも惜しまない。しかし・・


「すまんライカ、俺は今あまり金が無いんだ。貸してくれないか?」


ライカは頷いた。


「お金の事なら心配しないで。でもお金で済めばいいんだけど・・」

シリアス展開にしてからも日間アクセス記録更新しています。ありがとうございます!

当初はもっと軽いおふざけノリな話にするつもりだったのですが、意外にシリアスいけるかもと最近思い始めてきました。記録更新といってもランキング作品群には遠く及びませんが、しばらくはこの調子で続けたいと思いますので、これからもご愛読よろしくお願いいたします。


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