勇者になるなんてもうどうでもいい
ミンミンが死んでしまっただと・・・?
振り返りざまに俺はミエルを殴った。
「ミエル、お前なんでミンミンを守らなかった」
ミエルは無抵抗で俺の拳を食らう。
「僕のせいだ。僕に力が無かったばかりにミンミンさんを・・・」
俺はその場に膝を落とした。
・・いや、ミエルのせいではない。
「ミエル、すまん。お前のせいじゃない」
俺はミンミンに危険が迫っているときに、情欲に溺れていた大馬鹿野郎なのだ。
馬鹿な俺がミンミンを殺したんだ。。
俺は泣いた。
この世界に来て初めて涙を流した。
勇者になるなんてもうどうでもいい。
ミンミンの命と引き換えにする価値なんかなかったんだ。
なのに目の前に横たわっているミンミンは安らかな顔をしている。
とても満足気な笑みすらうかべているのだ。
「・・・なあミエル、お前はミンミンと結ばれたのか?」
「いや、きっぱり振られたよ。マーカス様のパーティーで不謹慎だって怒られた」
「そうか、ミンミンらしい。でも馬鹿な奴だなあ・・男を知らずに死んじゃったのか」
ライカも涙を流していた。
「私、ミンミンちゃんに悪いことばかり言っちゃった。ごめんね、仲良くできなくて」
それからどれほどの沈黙の時が流れただろう。
「ミンミンちゃんを埋葬しましょう」
ライカが沈黙を破った。
その声を聞いて、俺もミエルも力なく立ち上がった。
しかしここで俺はふと、あることを思い出した。
「待て、ミンミンを埋めるのは待ってくれ!」
ミエルとライカが驚いたように俺を見た。
「・・ミンミンが言っていた。大昔に死者を生き返らせる魔法があったという伝説があると。お前たちは何か知らないか?」
「マーカス・・気持ちはわかるがそれは単なるおとぎ話だ。そんな魔法は存在しない」
ミエルが悲し気な顔で応えた。
「いえ、もしかしたらあるかもしれないわ。望みは薄いけど」
そう言ったのはライカだった。
「東の地に住むメアリーという老婆が、死者を蘇らせる科学を研究しているらしいわ」
その言葉を聞いたミエルはライカに言った。
「メアリー・シェリーか。あれは妄想癖のある狂った老婆だよ。詐欺師という噂もある。ライカ、空虚な希望を持たせるのは残酷だ」
空虚な希望でも、俺は藁にもすがりたい気持ちだった。
「なんでもいい。そのメアリーがもしかしたらミンミンを生き返らせられるかもしれないんだな?」
「でもミエルの言う通り、単なる妄想である可能性のほうが高いわ。誰も彼女の研究の成果を見たものはいないもの」
可能性がたとえわずかでも、議論も考察も不要だ。俺はもう決めた。
「ミエル、ライカ。パーティーのリーダーとして旅の目的地を変更する。メアリー・シェリーの所にミンミンを連れて行くぞ」
ふざけたタイトルつけて始めたのに、どんどんシリアス展開になって作者も焦っております。
にもかかわらず、ブックマークいただきありがとうございます。PVもなんか増え続けてます。
しばらくシリアス止まらないかもですが、どうか見捨てないでください・・・




