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ライカは意外に初心(うぶ)だった

翌日。バチャタンへの旅には馬車を使うことになった。


俺には馬車を買うほど金に余裕がなかったのだが、歩いて行くと言ったらライカが文句を言うので結局、彼女に買ってもらったのだ。

300万キルトもする馬車をポンと買えるのだから、ライカはかなりの金持ちらしい。


バチャタンへの道のりは馬車で3日ほどだ。

宿泊は途中の村か、さもなくば馬車中泊となる。


平原を進む馬車の御者はミエルが務め、その助手席に俺が座った。

ミンミンとライカの女性二人は車中だが、お互い喋ることなく押し黙っている。


「なあマーカス、頼みがあるんだ」


「なんだ?ミエル」


「もうしばらく行くと小川のある森に出る。そこで僕が口実を付けるからライカと出かけてくれないか?2時間ほど」


「そういうことか。しかしあまり無理強いはするなよ。ミンミンはこのパーティー唯一の魔法使いなんだから、逃げられたら困る」


「僕はマーカスと違って紳士だよ。心配しないで頼むよ」


ミエルの言う通り、間もなく小さな森があった。

森の木陰に馬車を停車させる。


ミエルが大声で言った。


「ここで馬を休ませ水と草を与える。その間にマーカスとライカには斥候(せっこう)を頼みたい」


「斥候ですって?」

ライカが驚いたように言う。


「この先5kmほど先に小さな丘がある。その丘から見下ろせる場所にニットという村があるんだ。できれば今夜の宿をそこで取りたいんだけど、すでに敵に占拠されている可能性もある。だから2人で行って索敵してほしいんだ」


「どうして私とマーカスが斥候に出かけて、ミエルとミンミンがここに残るわけ?」


「モンスター探索機はライカしか使えない。馬の世話は僕しかできないだろ?必然的な割り振りさ」


ライカは不満げな表情である。


「まあ斥候といってもさほど危険はないだろう。その丘に待機して探索機でモンスターの有無を確認しつつ、2時間ほど村の様子を観察しよう」


俺がそう言うと、観念したようにライカはミンミンの方を向いた。


「あなたは何も役立つことはないけど、せめてミエルを手伝って馬の世話をしてね」


「わかりました。おふたりとも、お気をつけて」


どこか寂し気な表情のミンミンがそう言って俺たちを見送った。



━━…━━…━━…━━…━━…━━━━…━━…━━…━━…━━…━━



ニットの村が見下ろせる丘に、俺とライカはうつぶせになっていた。


丘にはふかふかとした草が生えていて、やたらと寝心地が良いのでうっかりすると居眠りしそうである。


ライカはうつぶせのままでモンスター探索機を操作している。


俺はぼんやりと村を見下ろしながら、ミンミンとミエルのことを考えていた。

ふたりを残してこの丘に来てから、そろそろ1時間ほどになる。


ミエルはミンミンを口説き落としたのだろうか?

あの馬車でミエルはミンミンを抱くのだろうか?

ミンミンはあの小さな身体でミエルを受け入れられるのだろうか?


そう考えるとなぜか少し胸が痛む思いがした。


「マーカス、モンスター探索が完了した。村にモンスターは居ないわ」


ライカがこちらを向いて言った。


「そうか。もうしばらく様子を見て、敵の有無を確認したら戻ろう」


「ええ。・・・マーカス、ちょっと話してもいい?」


「なんだ?」


ライカは少し思いつめたような表情だった。


「ミンミンはあなたの彼女だと思ってたんだけど違うの?」


「違うよ。ミンミンは単なる冒険仲間さ」


「そうか。それであなたはミエルに協力してるわけね・・」


「あ、バレてた?」


「見え見えよ。だいたいミエルは女の趣味が悪いわ。マーカスはそんなことないよね」


そう言うとライカは俺をじっと見つめた。

メガネの奥の瞳は黒くとても美しい。


「俺の趣味はメガネをかけた学者の女だよ」


「・・え。。」


ライカは少し顔を赤らめた。


ライカは高慢ではあるが、かわいい女でもある。

俺は索敵中であるにもかかわらず、不覚にも欲情してしまった。


たまらず肩に手を回すとライカは俺に身を寄せてきた。

そのまま抱きしめる。

華奢な体は強く抱くと折れそうなほどである。


唇を重ねるとライカは身を震わせた。


俺の男性の一部分はすでに、着衣の上からでもわかるほど凶悪な形状に変化している。

その固いものがライカの両脚の付け根の一部分に当たると、ライカは身を強張らせた。


高慢な態度をしているが、男性経験は少ないようである。


いやまさかライカもまた処女(ヴァージン)なのか?


本当にこの世界の野郎どもはいったい何をやっているんだろう。

そう思いながら、俺はそのままライカに覆いかぶさった。


・・・・・


こうして激しい時間が過ぎた後、俺たちは裸で抱き合ったまま余韻を味わっていた。

その時である。


ピーピーとけたたましい音がした。

モンスター探索機である。ライカはあわてて探索機を手に取る。


「たいへん!マーカス。モンスターよ。これはキメラだわ」


俺もあわてて飛び起きる。


「どこに居る?」


ライカは顔を引きつらせて言った。


「さっきの森のあたりよ・・・ミエルたちが大変!」

テンプレに忠実にストレスなく読める異世界転生ファンタジーを書く!という試みで書き始めたこの小説ですが、どんどんその趣旨から外れそうな予感です。ふざけたタイトル付けたのにまさかのシリアス展開!?大丈夫だろうか?せっかく増えてきた読者様が付いて来れるだろうか?不安でいっぱいの次回をお楽しみに!?

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