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ライカは高慢なインテリ女だった

ミンミンのテレポの呪文で俺たちは無事にマリプの町に戻った。


さっそくミエルとライカは冒険者ギルドに併設されている病院に搬送された。


この世界の文明は一見すると転生前の世界よりかなり遅れているように見える。

交通機関は鉄道すらないし、もちろん自動車の類もない。

移動には主に馬車が用いられている。


通信手段も郵便や伝書鳩くらいしかない。


しかし、不思議なことに奇妙なテクノロジーは発達しているようで、ライカなどは熱線銃まで持っていたりする。

ギルドのIDカードのステータス情報システムも驚くほどのハイテクだ。

電話すら無いのにインターネットのように、王国中で情報が共有されているのも不思議だ。


医療技術に至っては、どんなに大怪我を負っていてもたちまち治すことができる。

HPという概念がすべての世界なので、それを回復させればすべて解決なのだ。

つまりここはまさにゲーム世界なのである。


「なあミンミン、死者を生き返らせる呪文とかそういうのはあるのか?」


「ありませんわ、マーカス様。大昔にそのような魔法があったという伝説はありますが、信憑性はありません。おそらく迷信の類でしょう」


ゲームと違うのは死者を生き返らせることだけは出来ないということらしい。

これからの冒険に際して、死なないようにだけは注意せねばならない。


俺とミンミンはとりあえず病院にミエルとライカを見舞いに行った。

ふたりとも一晩で全回復していて、退院の準備をしている最中だった。


「ミエル、ライカ、もういいのか?」


俺が声を掛けるとミエルが応えた。


「マーカス、世話になったな。おかげですっかり回復したよ」


ライカはこちらを向いて軽く会釈をした。

彼女は華奢な体つきで、科学者らしく知性的な小顔の美人である。

特筆すべきは、細くて黒い縁取りのメガネをかけていることだ。

この世界でメガネをかけた人物を見るのは初めてである。

そのライカが礼もそこそこにこう言った。


「私たちはもう大丈夫です。早く調査に戻りたいのでパーティー契約を解約してほしいのですが」


救助のための暫定パーティーを解約しろということか。

しかし、俺にはそのつもりはない。


「いや、パーティー契約は解約しない。俺たちはこのパーティーでこの事件の黒幕を暴きに行くんだ」


ライカはあからさまに不快な表情をした。


「上級冒険者サロンで戦士を募り調査団を組む予定ですが、あなたのような低レベル戦士では無理です。早く解約してください」


その言葉を聞いたミンミンが顔を真っ赤にして言った。


「マーカス様への無礼な言葉は聞き捨てなりませんわ。マーカス様は神に選ばれたHP、MP無限大の特別な戦士です。そこらの戦士とは比較にもなりません」


激高するミンミンをなだめながら俺も言った。


「このミンミンもお前と同じ王立ラミラス学卒のエリート魔法使いだ。悪くない戦力だと思うぞ」


俺の言葉を聞いたライカはミンミンを一瞥して言った。


「王立ラミラスといっても私は科学アカデミーの方です。魔法などという全時代の遺物と一緒にしないでほしいわ」


ミンミンは顔から炎が出そうなくらいに怒っている。



「ライカいい加減にしろ」これはミエルだ。


「ミエル?」


「僕たちはミンミンさんの魔法で命を救われたんだ。あのままあそこに居て、別の敵が現れたらもう戦えなかった。非礼を詫びろ」


「・・・そんな。。」


「ミンミンさん、マーカス。僕からも詫びる。許してくれ」


ミエルはなかなか気持ちのいい男のようだ。


「いいよ、気にするな」


「すまんなマーカス。ライカ、パーティーを解約する権利はリーダーだけにある。マーカスに解雇されないかぎり、君も僕もマーカスのパーティーの一員だ。覚えておきたまえ」


ライカはむすっとして黙り込んだ。

ミエルが話をつづける。


「ところでマーカス、君に話があるんだ。このあと上級冒険者サロンにつき合ってくれないか?」

ブックマークいただいた皆様、ご感想いただいた皆様、ありがとうございます。アクセスも安定して増えてきたので励みになります。これを原動力に書き進みたいと思います。

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