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今、王国にただならぬ事件が起こっているようだ

「しかし、この奇妙な変異種のスライムって買い取ってもらえるのかね?」


依頼はラピススライムだから、これはクエスト達成にはならないのは明らかだ。


「どうなんでしょうか?今日はまだ時間が十分ありますから、ラピススライムを探してみましょうか?」

ミンミンがそう提案した。

俺も賛成だ。帰る道すがら適当な狩り場を探すことにしよう。


ラミラス地方は気候が温暖で、緑の平原には小さな花がたくさん咲いていてとても美しい。

俺はそれを結構楽しんでいたので歩き回ることは苦にはならない。


「マーカス様、あれはなんでしょうか?」


ミンミンが指さす方向にある丘から、なにか黒い煙がくすぶっていた。


「わからない。行ってみるか」


俺たちは丘まで歩いて行った。

そこには無残に破壊された馬車があった。

2頭の馬は死んでいて、壊れた馬車から煙がくすぶっていたのだ。


「マーカス様、人が倒れています」


馬車から数メートル離れた地点に、長身の男がひとり倒れている。


「ん?あれはミエルじゃないか。上級冒険者サロンで知り合った戦士だ」


駆け寄って確かめてみる。

確かにミエルだった。ひどい怪我を負っているが息はあるようだ。


「ミエル、意識はあるか?マーカスだ」


声をかけるとミエルは小さな声で応えた。


「マーカス・・・馬車の中にもう一人いる。助けてくれ」


「わかった。ミンミン、ミエルを回復させてやってくれ。俺は馬車を見てくる」


壊れた馬車の木の破材を押しのけると、学生風のローブを着た若い娘が倒れていた。

俺は彼女の息を確かめる。呼吸はしているようだ。


彼女の身体を馬車の残骸から引きずり出し、抱きかかえてミエルの隣に運び寝かせた。


「ミンミン、この子も回復させてくれ」


ミンミンはナオルンの呪文を唱えた。

ミンミンの魔法でふたりとも、身を起こせる程度には回復したが、まだダメージは残っているようだ。


「マーカス様。この人たちは高レベルの冒険者なのでナオルンでは全回復しませんわ。町に連れて帰って医者に診せないと」


「そうだなミンミン、町に連れて帰ろう。・・おいミエル、いったい何があったんだ?」


ミエルはまだ多少苦しそうだが、話はできそうだ。


「キメラの集団に襲われたんだ。なんとか追い払ったが、馬車が破壊されてこのザマさ。回復薬も尽きてしまったんだ」


ググったところによると、キメラはライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つモンスターだ。

翼があって空を飛ぶし、火炎攻撃を仕掛けてくるしでやっかいな怪物だ。しかし・・・


「キメラはたしかにやっかいな相手だろうが、高レベル戦士のお前にとってはさほど恐るべき敵ではないだろう?どうしてこれほどやられたんだ?」


ミエルは苦々しそうに応えた。


「変異種だ。魔法を使うキメラだ。いくらダメージを与えても呪文で回復しやがる。あんなバケモノ初めてだ」


・・・魔法を使うキメラ・・・DQでいうところのメイジキメラか。


「俺たちもさっき、変異種の毒性のスライムと戦ったところだ。どうして変異種がこのあたりに蔓延(はびこ)っている?いったい何が起こっているんだ?」


「この地域だけじゃないんだ。王国全土に変異種が増えている。彼女・・ライカはこの異変の調査をしている王立ラミラス科学アカデミーの学者だ」


ミエルの隣に座っている娘、ライカが頷いた。

彼女は学生ではなく、王立科学アカデミーの研究者らしい。


「私は異変の調査のため、護衛を戦士ミエルに依頼したのです。あきらかにこの異変は何者かが意図して起こしているものです。その黒幕の正体を掴まなければいけません」


「王都のあるノスケス地方の北の山脈に行った調査部隊はダークドラゴンを見たって言うんだ。あの勇者チョーキが倒したはずのダークドラゴンだぜ、信じられん」


ライカにつづいてミエルがそう言った。

どうやらこれはただならぬ事件が起こっているらしい。

もしそれが本当にダークドラゴンだとすると、勇者チョーキの血を引く俺にも無関係ではない。


「ミンミン、ノスケスといえばお前の故郷の村があるっていってたな。なんという村だ?」


「マーカス様、ミンミンの村は田舎なので恥ずかしくて言えませんわ。それよりこの方たちを早く町に連れて行かなければ」


「それもそうだな。ミンミン、テレポで町まで移動できるか?」


「無理です。テレポはパーティーのメンバーしか移動できませんわ」


そうだったな・・それならばやることはひとつだ。


「ミエル、ライカ。お前たちは俺のパーティーに加われ」


ミエルは驚いた顔をした。


「ちょっと待ってくれ。俺たちは高レベル冒険者だぞ。なのに君のような低レベル冒険者のパーティーの一員になれって?」


「ボロボロの癖に何が高レベル冒険者だ。贅沢言ってる場合じゃないぞ。助けてほしくないのか?」


ミエルも背に腹は代えられないことを悟ったようだった。


「わかったよ。俺とライカは君のパーティーに加わる。これでいいか?」


「よしライカもいいな?これで契約成立だ」


俺は鞄のステータス表示を確認した。

ミエルとライカがパーティーに加わった。


ミエルはレベル23。

DQ1ならひとりでラスボスを倒せるレベルだ。

しかし、MPが無い。戦士は魔法が使えない奴が多いのだ。

俺のように魔法が使える戦士だけが、勇者になる資格を持っている。

◆ミエル

レベル:23

HP:30/230

MP:0

職業:戦士

スキル:マイオスター剣術

魔法:

武器:(いかずち)(つるぎ) ドラゴンカッター

防具:ミエルアーマー ドラゴンシールド

アイテム:


◆ライカ

レベル:20

HP:30/200

MP:0

職業:博士

スキル:王立ラミラス科学アカデミー研究員

魔法:

武器:熱線銃(ヒートブラスター)

防具:耐刃・耐火ローブ

アイテム:モンスター探索機 多目的分析キット

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