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ぼくは。素の嘘つきが嫌い  作者: 浅白深也
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第6話 お誘い

 次の日の金曜日。


 朝のホームルームまでの間、話し相手の晴希がまだ登校していなくて暇を持て余していたところ。


 ふと廊下に視線をやると、C組の教室を覗きながらうろちょろしている空井野を発見した。


 彼女は俺の姿を捉えると『こっちにこいこい』と手招きしてくる。


 ──朝から一体なんの用なのか。


 訝しく思いながら廊下へ向かうと、彼女は「おはようございます安城さん」と礼儀正しく朝の挨拶をしてきた。


「おはよう。なにか用か?」

「はい。明日、私の家で一緒にお勉強しませんか?」


 唐突な誘いに、思わず眉根を寄せてしまう。


「もうすぐ期末テストがあるじゃないですか。それに向けての勉強です」

「いやそれはなんとなく分かるけど、なんで俺なんだ? アカリは?」


 誘う相手を間違えている気がする。


「せっかく休日に集まるんですから人数は多いほうがいいと思いまして。まだ日野さんは来ていないので先に安城さんに聞きました。どうですか?」

「俺はいいけど……空井野はいいのか?」


 女子からすれば彼氏でもない男が家に踏み込むのは嫌なものだろう。


 意味を察した空井野は、滅相もないというように首をふった。


「全然かまいませんよ。安城さんには委員会活動でお世話になったので。お礼といってはなんですが、私の家でよければどうぞ」


 そう言われては断るのも失礼な気がしたので了承することにした。


「分かった。じゃあお邪魔させてもらうよ。時間が決まったらまた教えてくれ」

「はい、ぜひぜひ。みんなでテスト勉強がんばりましょう!」


 誰かさんのように元気よくそう言い、空井野は自身の教室のほうに戻っていった。


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