森の精霊 1
小学六年生とはいえ今まで生きるとか死ぬるとかなんて考えた事も無かったからだ。
まして地球の事なんて思いもしなかった。
その時である下の方から
「クスクス」
と笑い声がして来たのだ.
僕が下の方を振り向くとそこに先程の少女がこちらを見て微笑んでいる。
僕は思わず
「ヤア―」
と声掛けた゜
全然知らない子に声を掛けるなんて僕自身が吃驚している。
しかし此の状況下で女の子を見た時に正直ホッとすると同時に親しみを覚えた事も事実である。
余りに信じがたい事が起きた事による反動だろうか僕がじっと少女を見つめていると少女は僕の視線を反らしながら
「お声を聞いていたの」
と少しはにかんで話しかけてきた。
僕はまたまた吃驚すると
「どうして知っているの」
と少女を見つめると少女は僕の視線をさけながら少し頬を染め
「だってそこに上がれば聞こえるんだもの」
「君も聞いた事があるの?」
と僕が尋ねると少女はコクと首を傾け
「でも何時もって訳じゃないけど」
と言い訳のように話した。
僕は
「ねえ君も此処に上がっておいでょ」
と誘うと少女はコックと頷き大岩の前の方に回り上がると僕の隣に座った。