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精霊の森  作者: 富幸
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別れ 3

 ある日、パパが会社から帰るそうそう

「ママ、今日仕事に行くと工場長に呼ばれ出向の打診が有った。それが新会社の副社長のポストだそうだ」

「エッ、パパが副社長どうして、貴方新しい工場長を知っているの」

「俺は今度の工場長は良く知らないけど」

「じゃー、何故、新会社の副社長のポストに推薦されるの」

「ママ、誤解しないで新会社の勤務先は、先輩の行く中東だよ」

「じゃー、先輩が引っ張ったの」

「ウーン、そこの所は、不明だが社長は平山さんらしい」

「でも平山さんは、工場長代理でしょ、工場長と技師長の三役が一度に居なくなって会社は、大丈夫なの」

「大丈夫だろ俺達の後釜は、本社の連中らしいから」

「でも平山さんも大変ね」

「でもあそこは、子供が居ないから」

「それでパパは、どうするの」

「それなんだ、仕事の終わりに平山さんと少し話をしてね、今度の俺のポストは平山さんが強く望んだらしい。俺も望まれた以上は、答えようと思っている」

「でもどうして平山さんは、パパを望んだの」

「今度の仕事は、前例の無い新しい技術、機器、設計思想どれを取っても困難な仕事になると予想される。其れだけにこのプロジェクトに成功すれば、中東の産油国から協力要請が殺到する。ただしリスクも大きい。まだ海の物とも山の物とも言えないプロジェクトだからね、だから政府も我社を指名した。本社は実績の有る工場の連中を引き抜いて新会社を設立しその連中に中東のプロジェクトを任せたのさ、だから平山さんと俺だって」

「パパも大変ね」

「でも技術部の連中も全員が出向できる者ばかりではない。なかには、家庭環境の厳しいやつもいるんだ」

「どうするの、その人達は」

「サーア、どうするのかね、出向に応じても地獄、拒否したら会社に残っても地獄だろうし、特に今度の出向する会社の職場が中東だし、難しい問題だね」

「悩む人が多いいでしょうね」

「そうだろうね俺は、その点では幸せ者だと思っている。しかし新会社に出向したら日本には帰れないかも知れないよ、まぁ俺は、帰る気もないがママは」

「私達は、どんな事があってもパパと一緒にいるわ、だって家族ですもの」

「有難うママ」

 僕は、パパとママの会話に入って行けなかった。

 子供の僕が入れない大人の世界だと思ったからだ。


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