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精霊の森  作者: 富幸
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別れ 1

 二月の金曜日の夕方、会社から帰って来たパパが

「ママ、今度の日曜日は、工場長の送別会と決まったからお昼はいらないから」

「とうとう退職が決まったの、でもえらく急なのね」

「先輩は、三月末まで行くつもりだったらしいが本社が急いだ、と言うよりもっと上らしい」

「もっと上って」

「政府さ」

「どうして政府が一会社の人事に口を出すの」

「政府は、アラブに要請されたのさ、政府もアラブの石油が欲しくて受け入れた訳だ」

「どうしてアラブが出て来るの、それが貴方の先輩と、どうつながるの」

「ウーン、説明すると長くなるけど」

 とパパは、説明しだした。

 それによると、

 アラブの国王は、石油に依存する国の体質体制を憂い、石油に代わる産業を模索していた。

 それが次世代は、石油にとって変わって水素社会になる、という内容のレポートが提出されたのを見た国王は、国の現状を、わが国には、先進国に在るような産業基盤が無い。

 あるのは大半が人の住めない砂漠だけ、今は石油に依って潤っているし、企業や技術も石油に関連した物ばかりであるが何時石炭の様に成るかも知れない。

 その時の国の現状を想像するだけで恐ろしい。

 と説明して意見を求めた。

 この問いに出されたレポートが

 我が国には、人の住んで居ない砂漠が有る。

 此処に太陽光発電所を設置しその電力で水素を製造し石油に換える。

 またその電力で海水を淡水化しこの水を使い発電所の用地で農業を起こし自国の食糧自給率を上げる。

 なにより我が国にはオイルマーネがあり施策を急ぐべきだ。

 このレポートを見た国王は、各国の政府に技術協力を要請し技術移転を強く望んだ゜

 要請を受けた政府は、初めは、開発援助で対応しょうとしたが、アラブ側から資金面で無く技術移転を強く望まれた。

 困った政府は、それを我社に丸投げした。

 要請を受けた我社は、そのリスクの大きさに経営会議で、もめたそうだ。

 その時先輩が、我社へのリスクを避ける為に、新規の会社を設立し我社の協力会社としてプロジェクトに対応する。

 万が一プロジェクトが失敗しても、その時は新規会社を清算すれば我社の経営に致命的な打撃を与えない。

 もう一つ我社の子会社を設立し、そこにこのプロジェクトに必要な技術者を集め新規会社の技術部門として協力すれば、政府にもアラブにも納得してもらえる。と提案した。

 すると経営陣は、言いだしっぺ、と言う事で先輩にその役を押し付けた。

 つまり捨て石にしたのさ



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