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精霊の森  作者: 富幸
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再生 3

「確かに、俺の提案だけど本来、東日本の港を想定したものなのに、西日本に拠点工場を作る、という本社の経営判断に乗った先輩が嫌がる俺やメンバーを一年辛抱しろ、一年たったら返してやるという口約束で引っ張ったのさ」

「そこに私が居たの」

「そうだけど先輩は、初めから俺達を本社なんかに返す気は無かったのさ、だから君だけでなくあの事務所に居た女子社員を俺達の花嫁候補として集めたんだ」

「確かに私達の中には、新工場設立に伴い採用された子も居るけど、大半は愛知工場の従業員よ、貴方の考えすぎじゃない」

「じゃ君と一緒に転勤した社員で出身地が中国地方以外の子が居たかい」

「ウーン、居ないかも知れない」

「そうだろう、そこが先輩のズルイというか、策士というか人使いの上手いとこさ、誰でも転勤となると考えるものだが自分の生まれ故郷に近い所に帰れるとなると転勤が苦痛にならない。さすがは元人事課長さ、一石二丁さ」

「なにが一石二丁なの」

「自分が新工場を設立するのに自分の手足となる人材を集めるものさ、だけど俺達は、特に俺は、扱いにくい人材だ。その人材を引き留めるには、なにが良いと思う」

「わからないわ」

「昔から象を繋ぎ留めるには、女性の髪でのうた縄が一番て言うじゃないか。だから先輩は、俺だけでなく独身男性を引き留める為に、似会いの男女を集めたのさ、その中でカップルが生まれ結婚し妻の実家と会社が近かったら男はその地に根付く事になる。先輩は、そこを狙ったのさ」

「じゃ私達は、独身男性の為に転勤したの」

「そこが先輩のズルイとこさ、君も転勤の際に人事課の人にどの様に言われた。多分新工場の新設に伴う有能な人材の募集と私的な事だけど君は一人娘だね、近くに帰って親御さんを安心させたら。ぐらいな事言われなかった」

「ウーン、見て来た様な事を言うわね」

「でもね俺は、今は先輩に感謝しているよ、だって君と結婚できてね可愛い、いっちゃんを授かったんだもの、だから先輩には頭が上がらないのさ。よーし今日も頑張るぞ、でもね、いっちゃんパパが仕事を頑張るのは、何も家族だけの為に働くんじゃない。パパは今の仕事が大好きだから、いっちゃんの仕事は勉強だから目標を持って、一生懸命頑張る事、間違っても爺さんみたいに精霊様か馬の骨様か知らないけど、そんなもの追い求めるなよ」


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