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マナの世界の闇淵子  作者: フィルルリ
プロローグ
2/8

2話 移動手段

まだまだ続くよ!!

“何か”は、動かない。いや、正確には微震を続けている。“何か”は、飽きることなくずっと微震し、その柔らかそうな体を、ぷにぷにと、地面に擦っている。そうして、あっという間に時間は過ぎ…


“何か”が殻をやぶってから、一晩が過ぎた。

休むことなく微震を続けた“何か”。その成果か、地面の窪みが僅かであるものの広がっている。きっと、その場を脱するためには、途方もない時間がかかるだろう。それでも“何か”は微震する。ずりずりと、地面に体を擦り続けて。


擦り続け、数時間がたっただろうか。大分スムーズに掘り進むことが出来るようになっている。ゴールが見えないかと思われたこの行動は、不思議なことにあっという間に終わりそうに見える。“何か”の変化は一定ではないようだ。みるみるうちに、地面が削れるのである。


だが、楽に削れるようになったのも僅かな間。地面から、赤色の石が顔を出した。赤色と言っても、土やらで、色は滲み、薄汚れている。“何か”は、新発見なぞ目もくれず微震したままだ。だが、石の登場で“何か”が、そのまま変化がないのとは裏腹に、掘削速度は大幅に低下していた。土が、ゆっくり溶けていくのに対し、石は不動。不肖赤石である。まるで歯が立たない“何か”である。それでも、微震は止まらない。


3回の夜を過ごしただろうか。相変わらず“何か”は、微震していた。赤色の石以来、特に目立った障害もなく、スムーズに掘り進んでいる。表皮の硬化、微震の速度の上昇によるものもあるだろう。今では、石を軽々と破壊し地面を溶かすように地面を掘り下げている。また、“何か”には、鋭く尖った槍のような尾(?)が生えており、少し生き物らしさが感じられるようになっている。


微震し始めた時から長い時間が過ぎたというのに、“何か”は疲れを知らない。地面も、確実に強固なものになっているのにだ。それなのに、勢いは増すばかりだ。ガガガガと、強い音を立てるその体は、ぷにぷにだったとは思えない。それに、驚くべき変化は“何か”に留まることはなく、その外にも影響を与えていた。“何か”は、より速く地を掘るのだ。初めの頃とは段違いの速さで掘るのだ。

そう、地面も光が届かないほどまで深く掘り下げられたのだ。


ここ数日、途切れることなく地を削り、その効率を上げ続けた。あたりまえのことである。地上は愚か、もといた地点に戻ることも、易々とはできないだろう。


もっとも、“何か”は、止まらないが。

“何か”が、そのことを知ってるのか、知らないのか、定かではない。それでも、“何か”は今も尚振動する。きっと、誰かが止めない限り“何か”は地下深くへと進む。その身を本能に委ねる。







まだまだ続かせるよ!!

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