1話 誕生
たまに、帰ってきて!
きっと更新されてるから!
面白いからぁぁぁぁあ…
─ここは、マナが循環する世界。
大陸があり、海があり、生き物があり。文明が進み、活気溢れた領域。全ては、神の所業。全ては、愛された魔の行い。
今、新たな命が世界に落とされた。
真っ暗闇の中、水滴の音だけが響き渡る。水滴は頻繁に地へと落ちては、ピシャリと地面に溜まるばかりだ。生気のない空間であるが、そこには、卵の様な“何か”があった。その“何か”は、水滴で削れた地面の窪みにちょうどハマり、全く動ける状況下になかった。もっとも、“何か”は石であるかのようで、動ける程の力はないようであった。
「ペリっ」
突然、“何か”が、独りでに微震する。それと共に小さな音が反響する。それは、割れるでもなく破れるでもない、膜が脆く剥がれたような音だ。
「ペリペリっ」
“何か”の膜は、最初の微震を合図に、徐々に破れていく。小さな音を立てながら、少しずつ。けど、確実に新しい姿を露にしていく。
…真っ暗闇が、少し明るくなった頃、ついに、“何か”は新しい姿となった。
(ポヨン)
…そう、新しいフォルムにその身を移したのだ。まん丸い、それでいて少し透けていて、中心には薄い青色の核が見える。この、ゆで卵の様な体となったのだ。
6月11日(月)~16日(土)更新予定