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女子高生を助けてみると

初投稿です。

どんな感想でもお待ちしてます。


「まただめだろうなぁ」



夏の暑さが忘れられ少し肌寒く感じられる時期に一人の青年が声を漏らす



「はぁ」



この青年の名は水瀬紘(みなせひろ)。今年で大学3年生になり単位を取り終わった就活生である。

そしていつも通りに面接が手ごたえ無く終わりため息をつきつつ帰宅していた。



のだが、今日はいつも通りとはいかなかった。



曲がり角の先でフードを被った男が居たのだ。

ここまでならただの不審者で済んだのだが、その男の右手には夕陽を反射し光る鋭利な刃物が握られていた。



紘はその事を認識すると曲がり角を戻ろうとしたのだが、男の顔の方向を見ればその考えは一瞬のうちに吹き飛んだ。

女子高生が居たのだ。



なにも紘は女子高生だから助けようとしたのでも英雄願望があったのでもない。いや一般の青年並みにそんな考えが無いわけではないのだが。



紘はなんでも並みには出来る。掃除、洗濯などの家事からスポーツや勉強もだ。

だがそれが故に何にも熱中した事が無かった。

そしてそのため将来の夢など持った事もなく就活にも集中できないのだ。



とまあ就活が上手くいかない言い訳はここまでにして、ニートになり社会のゴミとなる目前の自分なんかより目の前の美少女が残った方が社会の為になるという何とも馬鹿馬鹿しい理由で助ける事にしたのだ。



フードの男が女子高生に向かう。

紘は男の手の位置を気にしつつ女子高生との間に走る。だが最近運動などしていなかった為か体が思ったより動かない。



結局間に入れたのはギリギリだった。

男の右腕を掴み捻る。



男は驚いた顔をして、女子高生は腰を抜かして悲鳴を上げる。

しかし男はすぐに立ち直り、左手にナイフを持ち替えこちらに向かって突き出した。

紘は素早く反応するも体の動きは鈍いまま。



ナイフは遂に紘の体に到達する。

ここに来てやっと体が動き出した。

だがもうナイフを止めることなどできやしない。

ならばと思って紘は…



殴る事にした。



紘の拳は正確に男のアゴを打ち抜き、打ち砕いた。



それと同時にナイフは紘の心臓を突き破った。



女子高生はそれを見て更に悲鳴を上げる。

もう周りに人集りもできている。



救急車のサイレンが聞こえる。

だが紘はもう自分は助からないと確信していた。



そして紘は最期に



「あっ、あのラノベの続き読みたかったな。」



と思い目を閉じた。





目が覚めるとそこはおそらく病院だった。

紘は体に違和感を覚えつつも「あれから助かったのか」とおどろいていた。



しかしそのすぐ後に、急激な浮遊感が紘を襲った。



驚いているうちに上から声をかけられた。



「君の名前は士郎、宮前士郎(みやまえしろう)だ。」



紘は酷く混乱した。

ただ目の前で紘に話しかける男性に見覚えがあった。

その男性の名は宮前直登(みやまえなおと)

元日本代表の10番を背負っていたサッカー選手だ。

そして紘は今聞いた言葉を思い出す。



宮前士郎



それが本当に自分の名前ならもしやこれはアレじゃないか?

ほら最近小説を書こうで流行ってる。



そう、この時水瀬紘は宮前直登の息子 宮前士郎として転生したのだった。






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