警察がトラックに乗って逃げている逃亡犯を追いかけてカーチェイスをしていたところに偶然現場を通りがかった俺は巻き込まれてトラックに轢かれてしまった。そして気付くと辺りは見知らぬ場所になっていたのだった。
食料を買って帰る道の途中だった。
横断歩道を渡っているときに、ふと横を見るとトラックが目の前に在った。
ゆっくりと近づいて来ているなと思ったが、周りの人や車を見るにどうやら結構なスピードを出しているらしい。
俺はぼんやりとトラックを眺めて「ムリンのトラックだ」などと思った。
……………あれ? これってもしかしなくても俺死ぬんじゃね?
普通こう言うのって走馬灯見るもんだと思うけど人生の思い出とか全然ないな。別に良いけど。
◇◇◇◇◇
「で、俺は死んだのか」
「いや、生きておる。寸での所で此処に連れてきたのじゃ」
俺はまだ生きてるらしい。
「それで此処はどこなんだ?」
「世界を繋ぐ道の間にあるサービスエリアみたいなもんじゃ」
「へぇー」
「それでなんじゃが、異世界に転移してもらいたい」
「なんで?」
「理由は言えん」
何かあるのだろうか。
「まぁ、別にいいよ」
「それじゃ早速いくぞ」
◇◇◇◇◇
ドサッ
異世界に着いたらしい。
(さて、早速……)
俺は意識を失った。
◇◇◇◇◇
「そう言えば回復してやるのを忘れてたな。どれどれ……あっ」
さっきの青年が死んでいる。
「ついうっかりしておった。歳は取りたくないの」