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亮祐は唖然とした。
『イケメン野球選手・木村亮祐&人気女優・谷垣舞子 熱愛』
いつ自分が舞子と恋愛関係になったと言うのか。
舞子には凄く申し訳ないことをしたと思う。
同時に腹も立ってきた。
何故茜は自分を信じず、報道に惑わされたのか。
悲しくもなってきた。
そしたら、茜は郁海と付き合うのだろうか。
そのままゴールインしたりするのだろうか。
亮祐は一生懸命頭を振って、自分の妄想を吹き飛ばした。
明日までフェニックス戦だから、なんとしてでも時間を作って茜と話そうと決めた。
誤解したまま離れていくのはどうしても納得がいかなかった。
翌日、震える手を我慢しながら茜にメールを送った。
返事はなかった。
仕方ないと思い、試合に出た。
結果は3三振だった。
亮祐は気持ちが出やすいタイプである。
亮祐は試合終了後も何となくベンチに座っていた。
敵地のヒーローインタビューが何となく気になった。
今日のヒーローは郁海だった。
その時、場内が騒然とした。
慌てて外野の方に目をやる。
茜がフェンスから落ちそうになっていた。
茜はめまいがした後、気付けばフェンスから落ちそうになっていた。
右手で何とか落下を阻止している。
だが右手をフェンスから離してしまえば、茜はグラウンドに落ちてしまう。
観客が手を差し延べたそのときだった。
茜の手から力が抜け、そのままグランドに落ちてしまった。
何が起きているかわからなかった。
でも、何故こうなったのかはわかった。
「茜!!」
気付いたら茜は病室にいた。