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PLATONIC LOVE  作者: たまご
17/17

-17-

『今日のヒーローは四打数二安打一ホームラン、木村選手です!』






場内がワーッと湧く。



「ほら、パパが出てるよー」


幼い男の子を抱えて茜が言う。



昨年生まれた待望の息子、健人だ。


健人はよくわかっておらず、テレビの画面を見てきゃあきゃあとはしゃいでいる。





『今日は打ててホントに良かったです!

次にお立ち台に上がるときは息子と一緒に来ようと思います』



茜から満面の笑みがこぼれた。








「ただーいま」


「あら、お帰り。ドーム凄く盛り上がってたね」


「ん。

あれ、健は?」


「もう寝ちゃった。でもパパのホームラン見てはしゃいでたわよー」




パパ歴間もなく一年の亮佑(りょうすけ)

野球に少しずつ興味を示している(?)息子が可愛くて可愛くて仕方がないのだ。


茜のこの一言は疲れを一気に吹き飛ばしてくれる。





だが、何より一番嬉しいのは…



「おー、今日も豪華だなぁ」


「今日はさっぱり系にしてみたの。

お口に合うかな?」




栄養バランスをしっかり考えた茜の手料理。


料亭を営むお義父さんに負けてはいない。





亮佑はもぐもぐと口を動かしていたが、ふと箸を止めた。



「そういやお前…ちゃんと食べた?」


「え?もちろんよ。健と一緒に食べたわよ。」




亮佑は立ち上がって茜のそばに行き、後ろからそっと抱きしめ、茜の腹部に手をあてた。






「もう少ししたらコイツが産まれるんだから、無理だけはしないでくれよ…」










そう。

近く家族が増えるのだ。

一姫二太郎計画を念頭に置いていた亮佑だったが、そんなこと関係ない。息子が生れてこの上ない喜びを感じた。




「女の子だと良いわね」


「男でも問題ないけどな」









この他愛ない会話が、時間が、空間が、すべてが幸福感を満たしていく。




これからも、ずっと一緒に…。









彼らの生活はまだ始まったばかり。


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