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PLATONIC LOVE  作者: たまご
13/17

-13-

心臓が出て来るとはまさに今にぴったりなフレーズである。






亮佑(りょうすけ)が今いるのは宮本家玄関。



待ち合わせの時間になっているものの、今一歩の勇気が出せず30分ほど扉と格闘した。



すると亮佑の携帯が鳴った。



「っ、はい!木村でございます!」


『…何、どうしたのよ…』



茜だった。受話器越しに茜の笑い声が聞こえる。

茜は咳ばらいをして笑いを止め、話を続けた。



『もう!30分過ぎてるのよ?

どうしたのよ。今どこ?』


「…家」


『誰の?』


「…茜の」



茜が再び笑い出した。



『わかった。

じゃあ迎えに行くから、玄関に。』



亮佑は何故か焦った。

まるで浮気現場に来られる気分だ…浮気未経験のため、その気分は確かではないが。



「いいいいいやぁ、いいっスよ!

ホラ、あれ、何だ。

男は黙って…」


先が続かない。


「えっと、」


「なーに一人でパニックになってるのよ。」




後ろを振り返ると茜が立っていた。


「そんな事だろうと思って、今日亮ちゃんが来るの言ってないのよ。」


「え?!言ってないの?!」



嫌な汗をかいて来た。


「もし言ってたら今頃あなた半殺しよ?

30分も過ぎてるんだから…。」





ごもっともである。



亮佑はこうして何とか宮本家の敷居は跨げたのである。





亮佑は和室で一人ぽつんとしていた。


茜が両親を呼びに行ったのである。




生きて帰れるだろうか。



茜が妊娠していたことは口が裂けても言えない。







何となく球場が恋しくなった。

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