1話
七月某日。青いキャンパスのような空に、入道雲が描き足されようとしている。
蝉は鳴いて一週間で亡くなるというのに、大合唱を響かせ何が望みなのだろうか。
うるさいのは蝉だけではない。俺の友人、小日向遥歩である。遥歩は、必死に俺に話を持ちかける。
「昂翔ぉー。聞いてんのかー」
「うっさい。聞いてるわけないだろお前が熱いんだから」
そう言いながらも聞いてくれる昂翔くんツンデレーと遥歩は黙らない。
はぁとため息をつくと、公園へ誘い、ベンチに2人で座った。
「で、要件はなんだ?」
「よっくぞ聞いてくれました!」
遥歩は、『オカルト研究部』と書かれたお手製のシャツを取り出す。
「なんとなんとなんと!友人から新たな場所を教えてもらいました!」
「……」
遥歩は友達が多い。本当は部活に入るべきなのだが、オカルト研究部、簡単に言えば同好会に入ったのだ。
同好会は、顧問もいなければ部費(会費といったほうが正しいのだろうか)も出ない。少人数の集まりというくらいで、コツコツと3年間過ごさねばならないのだ。
「なんと場所は『植城市立小学校』だ!」
「植城市立小学校?廃校にやってるじゃないか、あそこ」
「だからこそだよ昂翔くん!!」
遥歩はひたすら熱い。冬にいたら嬉しいのだが、夏真っ盛りに遥歩とはあまり関わりたくないのだ。
「ということで今日の2時に行くぞ!オーケー?」
『オカルト』。この言葉を聞くと、胸の奥がうずうずと熱くなる。実際にオカルトに遭遇した際は、テンションがMAX。興奮を抑えきれなかった。
___だから、遥歩とオカルト研究部を作成した。
「オーケー。俺が行かないと思うか?」
「うっひょ!!昂翔くんツンデレ!」
「あと次ツンデレって言ったら締める」
そのあとがっちりと握手を交わし、家に戻った。
「誰か……来そうな、予感」