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第8話〜イリアとフェリオの訓練〜

誤字がありました。


申し訳ありませんでした。


第八話をミスで消してしまって申し訳ありませんでした。


第八話のストーリーを一部変更または描写の変更をしました。


※ストーリーを加筆修正いたしました。



新騎士団執務室兼詰め所Side


イリア・キサラギSide


はぁ…… 初日は、いきなり、この第16騎士隊長に任命されたのを知らなくて、しかも、みっともない所を皆に見せてしまった、原因は局長の少し、お茶目なサプライズを狙っての事らしいが、まだ、アレならマシなドッキリイベントの方が私としても有り難かった、まあ、エレノアさんがあの後、局長に【厳重抗議】をしたそうで、後日、正式に、部隊隊長を拝命し正式に私は隊長に任命されたのだが、冷ややかな視線と私に対する期待の眼差しのプレッシャーが大きい式典だった。

取り分け、私の【力】に普段から快く思っていない、騎士や軍関係者の殺気にも似た視線もあったが、サラ将軍の彼等よりも恐ろしい視線を彼等に向けていたので

それ以降は特に何事もなく式典は無事終了した。

そして、新騎士団執務室兼詰め所は始め来た時よりも、荷物やら書類やらが溢れ始めた私の執務室は少し殺風景系だったので家から、花壇で育てていた花瓶を持って来た、また、町の市場で買ってきた花瓶には綺麗なカーネーションの花を挿してみた、そして、フェリオ君はと言うと……。

今私は、フェリオ君の勉強を仕事の合間に見ている、フェリオ君はこの前の試験で信じられない成績…… つまり赤点を出してしまったその為、今フェリオ君の理性は限界に近づいているそのうち本に噛み付きそうだ。


今彼は隊の非番の仲間と猛勉強中なのですが…… さっきからやたらと絶叫がこの執務室に鳴り響いていたりする、もう少ししたら、彼の手伝いに行く事にしよう。

(騎士団の皆さん本当に、何時も何時も、ご迷惑なさい、あとで、厳しく言い聞かせておきます)


「うぁぁぁっ! なんで、こんな難しい問題がっ」


此処のところ、ファリオ君の筆記の問題が彼には難題で、中々解けないようです、以前、フェリオ君の問題を手伝おうとしたら、エレノアさん、カレンさん、サラさんに「イリア隊長、君は、フェリオの年齢が我々で言うところの平均的な子供と変らない事は知っているな? なら、彼には、騎士団内で仕事をするので通常の勉強も必要になるので、まさか、君は彼を甘やかす気ではないだろうな?」と手厳しい質問があったので、可哀相ですが無視します、それがフェリオ君のためだから。


「だぁぁぁぁっ、なんで、こんな難しいのがーーーっっ」


頑張って、フェリオ君、そして我慢だ私、ここで、勤務中の私が休憩中のフェリオ君に勉強の答えを教えたら、エレノアさんの小言を延々1時間聞く事になる、隊長の自覚が足りない云々と彼を手伝うたびに言われてきたので、最近は自力で頑張ってもらっている、官舎で勉強をしてはいるがそれでも最近はそれすらも追いつかなくなってきている、と、言っても私でも時々頭痛がしてくるような問題が出ているのだから

魔術と最低限の数学の知識を覚えてきた彼には、最近の学園の問題は形容しがたい難敵に見えるかもしれない。


「ぐぉぉぉっ、なんなんですかぁぁぁぁ、古文書? 数学、いや、こんなのわかりませんよぉぉっ、大体、数字に三角形や記号とか必要なんですかぁぁぁっっ」


うん、かなり難しい問題では、頻繁に出ます、そろそろ私も我慢の限界です……私は消しゴムを取ると、フェリオ君の頭目掛け手加減をして投擲する

もちろん、それなりに手加減はしているけれど、相手が魔神レベルなので、それなりに当たると痛いです。


「痛っ、マスター? いきなり、なにを……」


頭を抑え涙目で私を睨むフェリオ君、しかし私は魔王化してにこやかに、彼の抗議を突っ撥ねる。


「ふ・ぇ・り・お君、お願いだから、此処では静かに勉強してね♪」


と、笑顔で彼に頼む、周囲の視線が「イリア隊長大人気ねぇ」「フェリオ君可愛そう」「ありゃぁ、俺達なら確実にオーバーキルだよな?」と冷たい視線が私に向けられていたりもする、そうだ、こんど、エレノアさん達に掛け合って、彼の勉強のレベルをやさしい数学とかのレベルに引き下げてもらおう。


「は、ハイ…… マスター」


しゅんとしながら、彼は黙々とカレンさんに手渡された、数学の勉強をしていく、後、もう少しすれば、私も休憩時間だ、そのときに一緒に勉強をしておこうそんな考えを纏めていた時だった、隊長席の通信用のディスプレイに呼び出し音がなり私は通信回線をオンにした、相手の顔が映るのを待つと、呼び出しの相手はカレンさんだった。


《イリア隊長、忙しい所を済まない、フェリオと君に頼みたいことがあるのだが、この後、時間は大丈夫か?》


「あ、はい、大丈夫です、それで、どうかしましたか、カレンさん?」


何か有ったのだろうか? 凄くカレンさんが嬉しそうな顔をしている、大抵、彼女がこんな笑顔を見せるときは、仕事が順調な時くらいのもので、普段は気難しい顔をしている事が多い、大抵の仕事が兵器開発では気難しくもなるだろうし。


《実は、フェリオのギガ・ガレットの改良型が完成したので、それを知らせるついでに、頼みたい事があるで、こちらから連絡をいれた》


「僕の武器が完成したんですか!?」


「あっ、こら、フェリオ君」


嬉しそうに、宿題を中断して飛跳ねながら言うフェリオ君、彼にしたら此処数ヶ月は勉強漬けだったので、丁度いい気分転換になるだろう。


《そこで、今からテスト兼ねて訓練を行うから取りに来て欲しい、詳しい事は訓練所に着てからのお楽しみだな?》


やけに、カレンさんが嬉しそうにじゃべっているので、私は、内心不安を覚えたりしている、こう言う時は、絶対ろくな事に為らない、しかし、訓練て、一体何をするんだろう?


《何なら、フェリオ一人でも良いぞ》


「それはダメですっ、分かりました、私とフェリオ君と後手の空いている隊員の方を連れて向かいます」


実はフェリオ君一人では、危険なのだ、以前騎士候補生として通路を歩いていたらいきなり女性騎士候補生達にフェリオ君が囲まれた、やはり、彼のが容姿が

可愛いのと歩く時に青い尻尾が左右に揺れる癖があって、持ち前の明るさとその癖が可愛いので、いつの間にかフェリオ君のファンが現れる様になった、そして、囲まれた相手が女の子達で、フェリオ君が本気で防衛に出たら怪我人が出ると彼も判っていたので、大勢の子達に、撫でられたりと散々な目にあったそうで、その時は、サラさんや彼女の副将のカオスさんに助けられた、フェリオ君一人では、カレンさんの所へは絶対に行かせる事は出来ない、ただでさえあの時はフェリオ君は泣き顔だったのに、何時の今にかファンクラブの子達と仲良くなって、たまに、お菓子とかもらって帰ってくるので、少々、彼の健康とかが心配かな? それ以外は特に、問題が起きてもいないので当面は放っておいても良いだろう。

実際、私も軍楽隊のバンドチームとかのライブとか聴きに行っているので、特に気にしていない、カレンさんに、待ち合わせ場所を聞いておかないと、カレンさんは時間には少し厳しい人なのだ。


「それで、私たちが向かう場所は何処でしょうか? あと、時間ですが……」


「ああ、伝えるのを忘れていたよ、場所は第2野外研究部だ、まあ、フェリオのファンクラブは私からも厳重に注意しておいたので、二度とあんな事はさせないよ、時間は、そうだな、今回は、こちらの準備が少し手間取りそうなので、2・3時間くらい余裕を見ていてほしい。

でないと、こちらが準備中に君等は、あまり面白みに掛ける実験施設で暇を持て余すだろうし」


第1研究部は施設内に有る第2研究部は屋外だ、此処からだと、2時間位に到着できる、たまに、フェリオ君が野外戦闘訓練で使わせてもらっているので、その場所は良く知っていた、しかし、今回はかなり大きなテストになりそうなので、私も準備を手伝う事にした。


「分かりました、第2研究部ですね? それでは直ぐに向かいます、色々忙しくなりそうなので、私とフェリオと楓ちゃんとエレノアさんを連れて、そちらに伺います」


「ああ、別に急がなくても構わない、何しろ、こちらも、フェリオや君との模擬戦闘の準備で忙しくなるし、局長の許可は取ってあるので

今日は、丸半日模擬戦に使っても良いそうだ、では万全の準備をして持っているよ、では、これで、失礼する」


そう言って、通信回線は切れた、さて、いきなり、決まった、模擬戦なので、とにかく、色々準備をしておかないと、まず、今日は何時ものパトロールは

レイラさん、ロバートさん、ジャックさんに任せていいだろう、三人とも、かなり実戦を括り抜けているので、怪物がうろついている危険地帯のパトロールは手馴れているし、旧式だが警備用の飛行艇があるので、特に問題は起きない、もし、不足の事態が起きたら、アルトさんを中心に増援を何時でも動かせる様にして、私達は、研究区画から出動すれば、大丈夫だ、それに、10人くらい歩兵隊を連れて行くから特に問題は起きない。

あと、私達の模擬戦を監督兼モニターをするのは、楓ちゃんとエレノアさんだ、騎士隊隊長室で常時勤務だから少し遅れて、こっちに来るそうで、パトロール隊のサポートはアルトさんに任せて第二研究部に向かう。

リフィアには、アルトさんたちと待機しておいてもらっている。

研究エリアに向かう途中でローザリア分隊長に会った、青いロングヘアーを束ねて、赤い瞳の美人だが冷たい印象を周囲に与えがちだが性格は普通だ。


「あら、イリア隊長お久しぶり、フェリオくんも元気そうね♪」


「お久しぶりです、ローザさん、この前は、ドーナツを頂いてありがとうございました」


「フェリオ、もぅ、ちゃんと、挨拶を、すみませんローザさん、今日はパトロールですか?」


彼女とは騎士候補生の時から、色々と教えてくれた私も始めはフルネームで呼ぼうとしたら怒られたので、今では彼女の名前でお互い呼び合っている。


「今日は、お二人でどちらへ?」


「カレンさ…… いえ博士にフェリオ伍長の武器の件で呼ばれて、第二研究部に向かう所です」


「そうですか、私は、これから書類の整理ですわ、では、武器テスト頑張って下さい、それでは、ごきげんよう」


そう言って、彼女は自ら指揮をする第4騎士隊執務室に向かう、こちらも早く第二研究部に行かないと、それにしても。


「あのぅ、ローザさんですが、少し冷たそうな人ですね〜?」


「こら、楓ちゃん、人の悪口は言わないの、彼女は、ああ見えて、結構、良い人なんだから」


「はい、姉さんにナイショで、こっそりクッキーをくれるんです」


クッキーの件は、おいおいフェリオから詳しく聞くとして、新人隊員の楓ちゃんは研究部で働く清音さんの妹で、二人は妖狐の姉妹だ、楓の方は人間の父親の血が強く出た為外見は短めの狐の尻尾がある位だが、姉妹とも銀髪で彼女は髪をショートボフにしている性格はおっとりしたのんびり屋だ。

でも、時々、さらりと、思っていることが口に出るため、よくエレノアさんと私に注意をうけていたりもする、さて、私達もカレンさんの待つ第二研究部に向かうしよう。

歩く事二時間、ようやく第二研究部が見えてきた、とにかく、大きい研究棟で、此処では、騎士団の兵器の開発や設計に生産工場も有って、大抵の武器や兵器が此処で作り出されていた、まあ、大抵はノア財団の兵器を元に改造や開発をしているのだけれど、カレンさんが大半の設計をしてしまうので、今では【カレン工廠】と呼ばれていたりする。

その研究棟入口に、カレンさんが腕組みをして私達を待っていた、そして。


「ああ、皆、来たな、こちらの準備は概ね出来たよ、ただ、今回の模擬戦闘に使いたかった、最新のガード・メカが不調で使い物にならないので今回は、君等が見慣れた訓練用の物で我慢してくれ」


「はい、判りました、では、早速、訓練を始めましょうか?」


「今回も訓練用のヤツですね? がんばってみます」


「では、私は、モニターの準備を…… あ、エレノア参謀こちらに来られたんですか? よかった、モニター手伝って下さい~」


楓ちゃんが、ちょうど、こちらに、合流をしてきたエレノアさんに声を掛ける、するとエレノアさんはさらりとスルーしてパトロールの報告を私にする。


「キサラギ隊長、パトロール隊も無事帰還し、今、他の部隊に警備を引継ぎました、また、事務はアルト任せてから、こちらに来ました、以上、報告終わりです」


と、これまでの報告を纏めてくれた、後は、こちらの仕事をゆっくりこなせば良い、そして、カレンさんが気を引き締めた表情でカレンさんは足元のトランクケースを開けながら、みんなに向かってフェリオ君の武器を取り出した。


「良し、では、これからガントレットの改良型のギガ・ガレットの性能テストを行う、かなり性能を向上させたので、取り扱いはピーキーになっているから気をつけて欲しい」


「なんか、前より腕がすっぽりとフィットしてるし…… しかもクローじゃあ無くてブレードに刃が変わっているっっ」


フェリオ君が目を大きく開けて驚いた、正直私を含む全員が同じ感想だろう、確かに腕が丸々元ガントレットタイプからキャノンタイプに改造されているし

何よりも。


「クローよりも見栄えの良いブレードにして、アサルト・マシンガンやバズーカ砲並の砲撃能力を追加したり、操作性も比較的向上させている」


説明を聞きながらも、フェリオ君が複雑な顔をしている、それはそうだろう、彼にしてみれば扱いやすさは向上したのは良いとしても

まさか、此処までの大改造とは聞いていなかったのだから、多分、カレンさんがこっそりとフェリオ君を驚かすつもりで、普通の改造ではつまらないから、大規模な

魔改造を実行しただろう…… でも、これは、少し…… やりすぎな感じもするが、そのあたりは、後でじっくりと彼に聞いてみよう。

フェリオ君の反応を確認しながら、カレンさんは魔改造したギガ・ガレットの説明をしていたとても嬉しそうに説明をしていく。


「ああ、後、注意事項を先に言っておくぞ、魔弾はフェリオの魔力を使っているから、ブーストチャージの際はオーバーロードに注意しろ、片腕が吹き飛んでも知らんぞ?」


何時の間にそんな物騒な改造したですか? フェリオ君は、少し複雑な(かお)をしていたけれど、カレンさんから手渡されたギガ・ガレットをまじまじと見ながら

各モードの調整をチェックしている。


「安心しろ、ただの冗談だ、さて、そちらの準備が十分なら、それのテストを行いたいのだが?」


この人の場合冗談に聞こえないわ、それじゃあ、頑張って今回のフェリ君の試作武器の試験をパスしないとね?

でも、これって、量産するのかしら?


「はい、わかりました、では、イリア・キサラギおよびフェリオキサラギは所定の位置につきます」


「了解です」


急に一瞬だけ背筋に寒気がした、どうも、嫌な予感がする、上手く説明が出来ないけれど、何かよくない事が起きそうな感じがした

でも、そんなあやふやな事でこのテストを中止にする訳にもいかない、ただでさえ忙しい時間を割いてくれている、カレンさん達に申し訳ないし。


「では、これより、ギガ・ガレットの性能テストを開始する、モニタリング開始っ」


「了解です、テスト開始、モニタリング開始します」


「仮想敵機動兵器機動開始、所定の位置に展開します、展開終了まで、5、4、3、2、1、展開完了!」


テキパキと楓ちゃんと研究所のスタッフは仕事をこなしていく中、エレノアさんはターゲットユニットのコントロールをしている

職員に、ユニットの配置の指示をしていきながら、モニターのチェックを片手で操作マニュアルを見ながら此方に通信をしてきた。


<あー、テステス、イリアさん聞こえてる、とりあえず、ターゲットの戦闘設定をマックスにして置いたで? もし、よかったら、難易度下げてみるけれど、どないする?>


「そうね、私に向かってくるのは難易度はそのままで、後はフェリオ君の戦技レベルにあわせてください、では、第16騎士隊隊長、イリア・キサラギ参ります」


私はそう言うと、すぐさま、地面を蹴って此方に照準を定めていた、対人歩行戦車<スパイダー>に狙いを定めて、サラさんやフェリオ君に教えてもらった

要領で、真っ二つに両断して、次の目標に逆に襲い掛かった。


(此処は、主に大砲や戦車の性能テストに使う所よね? その分広くて戦いやすいけれど……)


そして、テスト開始と同時に、カレンさんの通信が私とフェリオ君の通信機に伝わる、何時もより落ち着いた口調で、なお厳しいテスト内容を

教えてくれる。


《まず、テストのルールはいたってシンプルだ、イリア隊長とフェリオ伍長の連携で敵を倒す事だ、なお、どちらかのアラームが鳴った時点で

すなわち、死亡判定がどちらかでも、出た時点で二人の負けだ、これは、ヴァイン局長の指示でもあるから、実戦のつもりで挑んで欲しい

また、ターゲットのマシーンは廃棄予定だから、遠慮せずに破壊して構わない、二人の安全を考慮して、全機模擬弾を使用している》


かなり、今回は厳しい内容だ、何しろ今までなら、無人機が相手なら完全武装の機体が10機くらいの割合でのテストで、どちらかが負けた時点でも

戦闘は続行できたのだけれど、今回は……。


《また、仮想敵は新型スパイダー50機とリーダー機はケンタウルスそれに、トラップがそこ等辺に隠して有る、そうそう、言い忘れていたが対人機動兵器のベスパもいるからな、気を抜いていると、瞬殺もありえるから、十分注意しろ、では、訓練開始》


は、ハードだ、とにかく、負けない様にしないと、でも、フェリオ君との連携を重視した作戦なら上手くやれる。


《後敵の弾は全て試作品の模擬弾のペイント弾だ、安心して当たってくれ、あ、でも、粘着性が割かし強いから、不快感やベタ付きはかなりのものだがな》


(あ、当たりたくなーいっ、これは、カレンさんの思いつきで今度のテストに持ってきたんだ、絶対そうに決まっているっっ)


《では、此方から行く行くぞ、清音まずはスパイダーとベスパだ、ケンタウロスは今は待機させておけ、べスパとスパイダーで

二人のコンビネーションを様子見してみたい》


《了解、主任、でも、お二人とも手加減できませんから、パイダーとベスパを半数投入します》


ベスパは対人用の最新式の空中無人偵察機の事で各国で主に人が入れないような場所や対人兵器として使われてる。

形は◇型で中央にローターが有る言わば無人ヘリだ、極めて不規則な機動を取るので厄介な会ういてになる、また、ケンタウルス型は最新型の多脚戦車で六本脚の大型機だ武装は主砲一門にアームバルカンとグレーネドを装備していた筈、しかし飛び道具重視の機体だから接近すれば、さほど脅威にはならない。

清音さんがコンソールに触れると隠し扉が開き大量のスパイダーが外にあふれ出て来る…… はっきり言ってかなり気持が悪い光景だ、スパイダーの動きがまるっきし名前の通り蜘蛛だから、かなりきつい、現にフェリオ君も「うへ~」となっている。


(うぁーっ、悪魔に見そう…… この光景は……。)


こちらが、相手のフォーメーションを整うのを待っているうちにスパイダー全機がフォーメーションを整える、さて気分を切り替えてスパイダー退治に専念することにしますか。


《全機、攻撃位置に展開完了、攻撃開始》


「来るわよ、フェリオ君、私が囮を引き受けるから、すかさずスパイターの群れを蹴散らして」


「はい、マスター、全力で叩きに行きます」


私達は、スパイダー達の攻撃をかわして、二手に別れて行動する、フェリオ君が魔弾をギガ・ガレットのアサルトモードで放ち次々と片付ける

そして、私も彼に負けじと剣で次々にスパイダーを屠っていった。


《ほう、やるな? なら、これはどうだ? ベスパを後、三機出せ清音、ケンタウロスも砲撃を開始しろ》


《了解、ベスパ出ます、続けて、ケンタウロス隊はスパイダー隊の支援にまわります》


三機のベスパが互いに連携攻撃を開始する、私達は反射的に遮蔽物に隠れ攻撃をやり過ごした、私たちがさっきいた場所に、ペイント弾が遮蔽物を青や赤に染め上げる、さて、こう言う時は……。


「地上(下)は私に任せて、フェリオ君は空の敵をお願いっ」


「分かりました、マスター、たぁっ!」


フェリオ君が地面を蹴って、跳躍する、そして、彼の疑似空中戦が始まる、今度、時間が有る時に、フェリオ君に俊敏に動ける方法を聞いてみよう。


「はぁぁぁっ」


一機目をブレードで突き刺すと今度は近くにいた、別のベスパを踏み台にして、二機目をあろう事か蹴り飛ばすと、三機目は慎重に此方と距離とろうと離脱しようとした所を、彼に狙い撃たれる。


「バスター・シュート、はぁっ」


呆気なくレーザー状の魔弾によって墜落していく、そして地上では、イリアがバスターソードで数の多いスパイダー達を相手に戦っていた、そのスパイダー達が一斉に今までのパターンを変え激しい攻撃を開始する、二人はとっさに遮蔽物に身を隠し透かさず反撃を行う、接近戦はイリアが有利で射撃はフェリオが行った、また逆に彼女がフェリオの援護に回りながらの連携をして、次々に仮想敵を片付けていく。


テストはこのまま、誰もが順調に行くと思われた……。


***


模擬戦闘監視所Side


エレノア・アリアドネSide


「へぇ~ 中々、やるやん? うちの隊長は?」


「ああ、しかし、あの多脚戦車達は、一機つづ撃破されると攻撃パターンがそれを元に学習し変化するつまり、レベルアップしていく様にプログラムされてる」


成る程、学習型AIを搭載してんのかぁ、中々、面白いもん作るやん? カレンさん、その時、うちが見ていたモニターが一瞬だけ、チラついた

まるで、古いテレビの画像を見ているような、いや、なんか、無人機の様子がおかしい……。


「なあ、カレンさん? さっきから、無人機のコントロールがおかしくなったんやけれど…… これ、カレンさんの仕業なん?」


「いえ、違います、外部からアクセスされています、回線の遮断を…… ダメです、此方のアクセスが全てキャンセルされました」


「何!? ちっ、外部からの進入…… こちらのファイアーウオールを突破したのか? 解った、侵入者は私が相手をするから

清音と楓は、私が時間を稼ぐうちに、システムの回復を優先させろ、それが出来なければ、このモニタールームの全回線を全て遮断

また、イリアとフェリオに状況説明をして、無人機の殲滅を指示しろっ」


一体、どないなってるんや? 訓練にしては、かなり、やり方がエグイな? 第一、幾ら安全面では信頼出来るとしても

あらか様に、システムが暴走するなんて、カレンさんでも絶対させへんな……

とにかく、此処は万一に備えて、応援を呼んでおこう、うちは直ぐに私用の携帯端末をコートの内ポケットから取り出すと、零式戦車隊のルースを呼び出す。


「ルース、今、ヒマやろ? ちょっと、研究施設の野外模擬戦のところまで、市外戦闘装備で来て欲しいやけれど?」


通信が繋がるなり、ルースに機動戦車の出動を要請する、何故かと言うと無人機が実弾装備をした物まで、遂に外壁を破って進入してきたやから

幾ら、フェリオやイリア隊長でも、かなり荷が勝ちすぎる、それで、うちの判断で戦車部隊の出動を要請した。


「え? 無人戦闘機の暴走ですか、判りました、直ぐ、スクランブルします、俺たちの到着まで、何とか耐えてください」


「了解や、ただ、こいつら、なんかの戦闘用プログラムが走っていて、こっちの言う事を受け付けへん上、イリア隊長とフェリオの二人を

集中的に狙ってる、今、二人とも何とか戦ってるが、何時まで、こちらが優勢か正直わからん」


つい、口調がきつくなった、そんな事は今はどうでもいい事や、その時、ヴァイン副局長が訓練所に到着しこっちに駆け足で走ってきた。


「エレノアさん、イリア隊長いたちは大丈夫ですか? 非常警報が鳴ったので急いで駆けつけました」


「まあ、何とか二人は持ってるけれど、コレ、アンタが仕組んだ?」


半分、マイペースな、この上司に、うちは嫌味半分を混ぜながら、この事態について質問をする、まあ、この人なら、非常事態も訓練で

でっち上げをしかねないブラックユーモアも持っていそうな気もしたので、ついでに聞いただけやが

副局長は怒りもせずに、うちの質問に手短に答えてくれた。


「そうですね、模擬専用のプログラムはカレンさんに、思いっきり弄って良いですよと許可を出しましたが

コレは、明らかにやりすぎですね? うん、二人が敵に押されていますので、ちょっと援護に行ってきます

あ、後で、この騒動のレポートの提出をお願いしますよ? カレンさん」


「ええ、判りました、ん、なんだとっ、試作機動兵器の【サイクロプス】が勝手に起動しただと!

電源は、カットしたのかっ? 何、緊急停止コードをキャンセルされただと、ちっ、直ぐに全隔壁を閉鎖、所員の退避を勧告しろっ、急げっ」


試作機動兵器の…… サイ……クロ……プスが勝手に起動て、いや、あれは対拠点攻略用機動兵器で確か本格的な人型タイプの試作機やったな?

とにかく、厄介な事になりおった、最悪、カレンさんの首が飛ばなければ、いいんやけれど……。

なんせ、サイクロプスの開発責任者がカレンさんで資金援助の母体はノア財団が主導してるさかい、今回の一軒がただではすまない気がする。


「なあ、カレンさん、サイクロプスの起動コード、カレンさんの他に誰が知ってるん?」


「そうだな、先ずは、全ての責任者の私の他に、ごく少数の関係者だが、ま、後で割り出すさ、およその見当はついているんでな?

さて、奴が此処に来るまでに、まだ時間が有るから、サイクロプスの起動承認コードの割り出しをしてみるか。

さて、サイクロプスの不具合の調整を行っていて直にコードを入力できそうな奴は……」


どうやら、カレンさんには犯人の目星は付いていそうやな? それはそうと、副局長が勢い良くモニタールームを飛び出して行き

うちの隊長とフェリオの援護に入る、多分、訓練所の敵はあの2人に任せておけば、粗方片付くし、そろそろ問題の化け物が此方に向かってくる頃やろう。


「楓、清音、味方の戦車部隊、来てるやろな?」


「は、はい、既に、サイクロプスと交戦中との事です」


そっか、なら、フェリオに化けモンの相手を任せてみよか? うちは直ぐに、フェリオに最新機動兵器の破壊に向かうように提案し彼もうちの提案を快諾し、本来の姿に戻ると勢い良く戦車部隊の援護に回った。


****


模擬訓練所Side


フェリオSide


スパイダー達の激しい攻撃に、僕達は互いに援護をし合いながら、暴走する無人機を少しづつではあるが、確実に倒していった

そして、スパイダーに続いてケンタウロスも模擬弾を撃ってきた、しかも通常の模擬弾の遅い速度ではなく

まず、当たれば即死する速度の速さでペイント弾が発射される、それを僕は目線で飛んできた弾を上手く避けながらケンタウロスに接近すると

ギガ・ガレットの刃先を容赦なく動力部に突きたて、ケンタウロスの機能を停止させる、その時、姉さんの緊急通信が僕の耳に怒鳴りつけるように

聞こえてくる。


(ふう、いきなりの出来事なので、訓練の一貫かと思ったけれど…… 本当に暴走を起こしているんだな……)


《フェリオ君、次、13時の方向に、ベスパ……実弾装備使用が居るわよ? 気をつけて》


「はい、姉さんって……うわぁっ!」


三機のベスパが互いに円形状にフォーメーションを変えて、高速で僕に目掛けて突っ込んできた、とっさに攻撃を避けようとしたが

今度は、実弾装備のケンタウロスが両肩に装備している主砲を此方に向けると、まるで、雷のような爆音がして僕目掛けて砲弾が発射される、とても、防げる状況ではない……

その時、僕の前に、誰かが立ちふさがったかと思ったら、その人物が飛んできた砲弾を自信の獲物で真っ二つに斬り飛ばしていた。



「フェリオ君、立てますか? イリアさん、遅くなりました、此れより、あなた方を援護します」


僕を守るように、敵に立ちはだかったのは、ヴァイン副局長だった、彼は僕の目でも捉えられない動きで、せまり来る暴走無人機の群れを次々と屠っていく

僕はただ、その動きに見とれ掛けていた。


「あ、はい、僕は大丈夫です、ありがとうございました、副局長」


僕が、ヴァイン副局長に礼を述べて、体勢を整えた時、エレノアさんから緊急通信が入った。


《フェリオ、すまんけれど、今すぐに新型の機動兵器の押さえに向かってくれんか?

起動した新型はカレンさんの自信作の化け物やから、十分注意するんやで? 場所は第4通路や、丁度、今、零式戦車部隊が交戦中や

また、ここは副局長とイリア隊長に任せても大丈夫や、どちらかといえば、新型のほうが性質(タチ)が悪いからな、頼むでフェリオ》


「はぁっ、フェリオ、此処は、副局長と私に任せて行きなさい」


「了解です、直ぐに、第4通路に向かいます」


マスターが大剣を振り、副局長が無数の魔弾を掃射し他脚を次々と倒して行く、そして、敵陣に穴が開くと、僕は魔獣に変身をして、一気に駆け出していた。


場所第4通路Side


ルース零式戦車隊Side


《よし…… 全零式、一斉に、ありったけの武装を叩きこめっ、相手は一機だが絶対に油断するなよ》


《了解》


ルース達の零式戦車隊が、一斉に主砲を接近中のサイクロプスに放つ、サイクロプスはカレンが将来零式の様な半人型機動兵器の限界が来るのを

見越して、開発を進めていた人型の機動兵器で、その、プロトタイプは大きさは3・4メートルと現実味のあるサイズに収めていたが

かなりの重武装をしていた、これは無人機を前提に開発をし、将来は有人型を作る為の雛形であった。

しかも、今回は無人機なので対G限界無しの強襲戦を想定しての装備をして、起動テストを行う予定だったので、最低限の武装は許可されての機動試験中に

突然、コートーロールセンターからのアクセスをキャンセルし隔壁をヒートクローで切り裂くと、そのまま、イリア達のいる野外模擬訓練所に勝手に向かい始めた。


《ルース隊長、目標がスモークを撒布、熱探知に切り替えて攻撃します》


《よし、弾幕を張って、こっちに近づけるな、全車、発砲しつつ後退、最後の隔壁を降ろせ!》


四機の零式が煙幕弾を撃ち込こまれ、すぐさまに熱探知による索敵に切り替えながら、けん制射撃をしながら後方に下がる

しかし、サイクロプスはショルダーに搭載されていた、グレーネードを4発発射し、レイン機のピラタピラ目掛けて撃ち込んで来た。

彼女は直ぐさま回避に専念するが運悪く一発がキャタピラに命中し走行不能に陥った、すかさず、ルースがレインを援護するべく行動に出る。


《くっ、まだっ》


《レイン、援護する、うおらっ!》


敵に向かって一斉に、ありったけの武装を叩き込むが、此方の攻撃はことごとく弾き返されていった

そして、敵が二人に襲い掛かる、その時とき、一体の蒼い魔獣が、せまり来るサイクロプスの前に立ちはだかった。

そして、鋭い爪や渾身の蹴りでサイクロプスを蹴り飛ばすが胸部の装甲が一部ひしゃげただけで、あまり有効なダメージになっていなかった

彼にしてみれば、ここで倒すより、味方の安全な退路を確保する事を優先した。


《すみません、遅れました、お二人ともご無事ですか? 今のうちに、れいんさんをこうほうに下がっておきましょう》


《ええ、私の機体は、もう、走行不能だから、残念だけれど、機体から、脱出するね》


《よし、レインは後方に退避、問題はアイツを、どうやって、機能停止(黙らせる)かだな?》


フェリオが到着し、すかさず、サイクロプスに突進し、サイクロプスも瞬時に彼の攻撃をかわし、間合いを取り直すと同時に隔壁が降りて、奴を閉じ込める事に成功した。


(なんとか、閉じ込めたが…… これで、大人しくなる訳ないよな?)


そう皆が安心した、まさにその時、奴はヒートクローで隔壁を切り裂いて再び進入を開始した、しかし、研究棟の隔壁が恐ろしく頑丈に出来ていて、中々、突破できないようだ、もしかしたら……。

ぼくは、すぐさま、カレンさんに連絡を取りサイクロプスについて確認をすることにした。


《カレンさん、もしかして、コイツ、息切れ(エネルギー)ですか?》


《そうだな、起動試験を行う予定だったので、そいつの燃料は少なく見ても、後、数分いや、此処(試験場)は弾薬を扱うから隔壁はものすごく頑丈で

分厚い造りだから、もしかしたら、コイツのエネルギーが尽きてきているのかもしれないな?》


隔壁を切り裂いて、上半身を此方に乗り出すが動きが、何だかぎこちない、どうやら、あちらのエネルギーが切れかけているようだ

さて、此処で、止めを刺しておくとしよう。

僕は、ギガ・ガレットの照準をサイクロプスの頭部に狙いを定めて、引き金を引いた、そして、放たれた弾丸は見事に奴の頭部を破壊し自ら切り裂いた

隔壁に身を預けそのまま動かなくなった、そしてカレンさんから連絡が入った、どうやら向こうも暴走無人機の制圧が終わったようだ。


《ふう、何とかなりましたね?》


《ああ、何とかなったな?》


《フェリオ、ルース、無事か? 此方でも、サイクロプスの機能停止を確認した、一旦、此方に戻ってくれ、以上だ》


でも、一体、何故無人機の暴走が起きたのだろか? そして、僕達の兵器試験は急遽取りやめになり、そのまま官舎に帰宅した。

そして、事後処理は副局長自ら執り行い、表上は<試験機の暴走>として処理された。


****


第23研究棟Side



カレン・ノアSide


あの機動兵器暴走事件から数日が過ぎた、もちろん騒ぎの元凶は、あれから直ぐに私が調べ上げた

すると、一人のサイクロプスの調整に当たっていた一人の技術者に行き当たった

そして、私は、しばらくソイツをその事を泳がせて、何食わぬ顔で何時も通り仕事をこなしていたのだが

流石に、私が査問会に掛けられると聞いたのか、不振な動きを見せるようになり、ついに、うっかり、此方にボロを出した

つまり、私が更迭されると言う、実質上の真実味のある噂を流したら、案の定、この罠に引っかかり

今は、エレノアの取調べを受けている。


それらの出来事を思い起こしながら、私は第23研究棟にある自室で、一人考え事をしていた。


(ふぅ、金で我々を裏切っていた奴は何とか、抑えることが出来たが…… あちらとの関係は、ただ<雇われた>だけ

ま、そうそう、尻尾を掴ませてはくれないか?)


今回の騒ぎは表向きは<試験機の暴走>と一般には発表され、サイクロプスの後継機や発展型の開発は凍結され

私も、このプロジェクトから、しばらく外れる事になった、まあ、三ヶ月は謹慎と言う事になる

また、私の夫のエルウィン・ノアも今回の騒ぎで、騎士団に納品していた製品の発注が全て安全が確認されるまで注文が全て、キャンセルになり、その責任を取って3年分の給養の返上と人員の再チェックとかに追われていた。

そして、今は、二人でエルウィンの実家のある首都郊外の自宅に二人で謹慎していた。


「なあ、カレン、今回の件で、レイラは、どうしている?」


「ん、エリック、ああ、その事か、その件なら大丈夫だ、今は、エレノアの所で「お世話に」なっているそうだ

そうだな、今度、二人でレイラを預かってもらったことを御礼に行くぞ?」


そう、エレノアの母君がうちの状況を思って、レイラを預かってくれていた

レイラも休暇には帰ってくるのが普通だが、流石に謹慎処分で、しかもちょっとした一騒動の中で

最悪、ブンヤにアレコレ親の事を興味本位でインタビューされたら、その相手を投げ飛ばしかねない

それが起きてからでは遅いので、しばらくはエレノアの所で、やっかいに、なる事になったのだが……。


「そうか、ミラさんの所なら大丈夫だな、しかし、俺は最近、レイラに全く顔とか会わせる暇がなかったのが

いけなかったのか? エレノアの床に行く前に、一言大声で「馬鹿!」と言われたのだが……」


「ああ、その事か、なら、安心しろ、私はも同じことを言われたぞ?

まぁ、あれは、レイラの反抗期でもないし、まして、今回の茶番劇の謹慎の事でもない

つまり、自分だけ仲間外れにされた、彼女なりの私たちに対する八つ当たりだ

うーん、アイツも巻き込んで欲しかったのかもしれないが……流石に、な?」


そう、これは、悪巧みとかイロイロ黒い面を出せる者が愉しめる喜劇だからな? 実の娘まで、こんな茶番に付き合わせたら

当分はエレノアにはイロイロ小うるさく言われそうだし、何より、イリア隊長とかに結構嫌われそうだ。

それに、エリックに対しても当分はいい仕事が回ってこなくなるかもな?


「そうか、なら、今度はきちんとアイツに話した上で、騒ぎに巻き込んでやるとしよう、それなら

問題はないだろう?」


「まぁ、それも考え物だが、下手に騒がれるよりは、幾分かマシな方か?」


そう、今回はレイラの事を考えて、移動兵器の暴走騒ぎを起こした者を炙り出す為に、騒ぎを利用して

査問会でも、私は、もはや此れまでと半ば騎士団からの追放を覚悟を決めた業とらしい演技をして見せた

実際、今回の一軒には、証拠は無かったが、軍の連中も一枚噛んでいたらしいが……

真相は深い霧の中で此ればかりは、決定的な証拠が無ければどうすることも出来なかった。


****


研究室Side



イリア・キサラギSide


フェリオの試作試験から、すうかげつがたった、その間、無人機の暴走の責任を取ってカレンさんは謹慎処分、幸い死者が出なかったのと

被害が研究棟の一部が破損したレベルで済んだので、普段から、騎士団と対立している軍も今回はカレンさんの謹慎で大人しく引き下がった

よくよく考えたら、私は元軍に所属していたのだけれど、あれほど対抗意識をむき出しにしていた、軍の高官を見たのは今回が初めてだった

査問会では、流石にフェリオ君が今にも軍の偉い皆さんに文字通り噛み付こうとしていたので、とっさに彼の尻尾をつねって、押さえておいた。

その後、それがエレノアさんやレスター局長にバレて思いっきり叱られたが、あの時はそうするしかなかった。


そして、カレンさんの謹慎期間の三ヶ月が何事もなく過ぎて、カレンさんが職場復帰した時に事件が起こった

それは、隊長達の戦闘データがハッキングで盗まれた、と連絡があった、今、私とエレノアさんと二人でカレンさんの待つ第一研究部に向かっている

それにしても、今日に限って、カレンさんは心なしか、かなり怒っているようだった、そして、彼女の研究室の前に到着した。

カレンさんの研究室は機材は豊富にあるが、彼女のデスクには色々な資料が大量にあふれかえっていて、一見雑に物が散らかっているが

これはこれで彼女には直ぐに判る所に必要なものが<置いてある>そうだ。


「すみません、カレンさん遅くなりました」


「それはそうと、一体何があったや、カレン姉さん?」


実験室兼オフィスに入る、相変わらず、あちこち散らかってはいるが、これでも自室に比べれば、まだ綺麗な方らしい

そのうち、レイラが掃除を促すかも知れない、余談だがカレンさんとレイラの親子喧嘩は掃除をするしないで起きるそうな。

それはさておき、カレンさんが私たちの姿を見ると、この部屋の奥に私達したちを招きいれた。


「済まないな、忙しい時に、本来なら、茶の一杯でも出すのだが、今回は緊急のため次回に用意しておこう」


「別に気にさんといて、まあ、カレンさんのお茶も魅力やけれど、肝心の用件の方が一番気になるし」


「ええ、特に、状況が状況ですので詳しく教えてください」


エレノアさんが冗談交じりにカレンさんの挨拶をして、私は出来るだけ詳しい状況を知りたかったので

おもむろに本題を切り出した、カレンさんは少し険しい表情になりながら、事の説明を始めだした。


「では、単刀直入に話そう、盗まれたデータは、あの訓練中の戦闘データだった特に、キサラギ隊長とフェリオのデータが主だった」


「騎士団のセキュリティは要塞並やで、まず外部からは…… まず、ありえへんで?」


「そうですね、まずは外部からの進入は不可能ですね、研究部のセキルティは堅牢だと私も聞きました」


そう、研究部のセキュリティは、そう簡単には突破は出来ない、毎日何千兆と言う暗号が毎秒単位で入れ替わり

さらに、それらを突破できてもその瞬間に進入が此方に解り、追跡班が追跡に移る

そう、今まで、研究部のマザーフレームに進入は試みた相手はいたが大半は、そこで門前払いされて

その数日の内に捕まるか逆に此方にスカウトされているかのどちらかだ、でも、これが、ただの相手ではなかった場合は、ただでは済まなくなる

特に、軍内部の強行派の場合は……


「可能性はゼロではないが…… 恐らくは、内部からだろうな?」


でも、どうやって…… 進入出来たのだろう、騎士団内の(うち)セキュリティ半の監視は厳重なのに、カレンさんは、あまり面白くなさそうな表情かおをして

データーが漏れていた原因を教えてくれた。


「それが、この前の演習中のスパイダーの一機からだ、そいつから何処かに戦闘のデーターが漏れていた

調べてみたが、此方の追跡を見事に振り切ってしまった、相手は中々に骨がある奴だ」


「「!?」」


スパイダーに細工…… いつの間に? いや、短時間での無人機へのアクセスなら可能なのかもしれないが

少なくとも、素人には無理がある、こちらのセキュリティ面でのファイアウォールは少なくとも研究部のマザーフレームにアクセスしないと

いけないがその防壁を作り上げたのがカレンさんで、その本人でさえ突破に5分以上掛かったとの事だった。

それだけに今回の事はかなりの衝撃が大きかった。


「それで、調査して分かったのだが、何時の間のにか相手に乗っ取られたスパイダーのブラックボックスが抜き取られていた

中々用意周到じゃないか?」


「す…… いや、アクション映画じゃあるまいし、と言っても実際やれたのだから、笑えんしな」


エレノアさんが苦々しくつぶやく、とにかく今後はセキルティの強化が重要になってくる、しかしカレンさんは

更に不適な顔をして、更に怒気さえはらんで別件を持ち出してきた。


「それと、もう一つ小細工があった、それは……盗聴機が幾つかあった、まあ、それは、手当たりしだいに見つけて

直ぐに解析に回したがな? ふふふっ」


「「盗聴機!?」」


盗聴機だなんて、一体誰が? カレンさんが、一人ますます黒いオーラを放ちながら、一方的にまくし立てる。


「そんな事もよりも、まだ有るぞ? 今回の件で、一番私の腹の立つ事がな!」


そう言って、カレンさんがワナワナと肩を震わせる、私は今までカレンさんがこんなに本気で怒りに震えている

彼女を見たことがなかった、そう、その姿はまるで、ある種のラスボスのような雰囲気さえ纏っていた。


(何だろ? カレンさんが怒る事なんて…… 怖い、とてつもなく今はカレンさんが本気で怖い)


「それは…… これだーっ! こんな、ふざけまくった物が私の研究室に存在することが一番我慢ならんっっ」


と勢いよく、机に置かれたのは…… それはなんとも残念系の痛々しいぬいぐるみだった……

どことなく。


「フェリオ君? とは……違うわね、コレ?」


「近いけど…… ぜんぜん似てへんな、フェリオ本人には、とても見せられへんな?」


「こんな……こんな、物をーっっ フェリオと呼ぶなぁぁぁぁぁぁぁっ」


思いのほか、怒髪天に叫ぶカレンさんに、私達は思わず、ビックとなってしまった

確かに、フェリオ君とは違う、具体的にどこが違うかと言うと、頭は狐で胴体が狼で尻尾は狐……は合ってはいるのだけれど足は象……だった。

はっきり言って、フェリオ君とは頭と胴体と尻尾の色以外これっぽっちも似ていない、こんなのをフェリオ君が見たら

絶対、彼が泣き出しそうな残念なデザインだ、そんな事をふと考えていたら、彼の怒り狂う姿が頭に浮かんだ。


(こんな不細工なのは、僕じゃーっ無い! もっと、普段はカッコよくてモフモフしてるんだよっ)


とにかく、コレがカレンさんの逆鱗に触れたようだ、ますます、どす黒いオーラーを全身に纏いながら彼女の怒りは収まらない

まるで、火山でも噴火したみたいな怒りぷりだ、そして、更に怒りがヒートアップしていく。


「盗聴機がなんだ、ハッキング? ハッ、面白い私に対する宣戦布告だっそんな物はなぁっ、しかし私の愛しのフェリオ君人形は

こんな不細工な物ではない…… だいたい目が豆粒とは何だぁっ、私が作った愛しのフェリオ君人形の目はもっと、あにめちっくにしたぞっ!

しかもこんな紛い物に盗聴器を仕込むなぁぁぁぁぁっ」


と、延々と自らが製作したフェリオ君人形について、熱く語ると、ひとまず一呼吸してから落ち着く、そして、エレノアさんが彼女の落ち着くのを待ってから

さらりと騎士団内の愉快な話題を切り出して話題を変た。


「そう言えば、カレン姉さん、カレン姉さんが元締めの【とある団体】の件ついでに教えてくれへん?」


「何だ、いきなり、ああ、あのファンクラブの事か? まぁ、いいだろう、気分を変えるついでに教えてやる」


一通り怒りが収まったエレノアさんが、その愉快な団体の件について、情報を聞き出す、此方の件は、ただ単にフェリオ君が金銭がらみの

事に関わっていないかの確認で、とりあえず、息抜きレベルの、つまり正規レベルの活動なら私がアレコレ口出ししなくてもいいだろう

調べてみたら、きちんと上の許可をえて活動しているみたいだし。


「せやね、カレン姉さんが元…… コホン、代表のラブリーフェリオ君親衛隊てっ言うのが有るとか噂で聞いたんやけど

なんか知ってへん?」


「フッ…… 知っているも何も初代会長は私だ、それがどうした? エレノア」


「いや、別に、正規の団体みたいやけれど、カレン姉さん、アコギな事はしてへんよね?」


エレノアさんがカレンさんに詰め寄る、エレノアさんは元保安部出身だから、その辺りの不正とか無いかが気になっていたようね

でも、それは彼女の杞憂に終わりそうだった。


「いや、それは無いな、私が目の黒い内はそんな事は断じてさせないさ、それは、そうと入会費は10ゴールドからだ、その会員証を見せてやろう

ちなみに、私の会員ナンバーはもちろん01だ」


そう言って、カレンさんは自身の会員証を私たちに見せてくれた、それは、アニメの魔獣フェリオ君がSDキャラで表情されていた。

かわいいデザインだが、その事は今はじめて聞いたし、彼がその副業を私には一切していなかった。

うん、フェリオ君グッズやDVDいつの……間にそんなことしていたんだろう?



「この他にも副業で、フェリオ君グッズやDVD等を正規ルートで販売しているが、もちろんフェリオには了承済みだが、イリア隊長には……

その話をしていなかったみたいだな? ちなみにフェリオにお菓子をおごって、交換条件で協力してもらった」


「ソウナンデスカ、ふふふふっ、なるほど、そうだったんだ」


(あかん、イリア隊長の目がこれぽっちも笑ってへん)


じゃあ、フェリオ君後で歯医者さんに行こうね♪ だって、私にナイショで沢山のお菓子とかもらっていたのだからね?


「済みません、エレノアさん、カレンさん私、急用を思い出しましたので、これで失礼いたします

それと、この件は、この部屋のドアを出たら<忘れて>おきますので後はエレノアさんにお任せいたします」


と、二人にそう言ってから、静かに部屋を退出し、フェリオ君の所へ大急ぎで向かった。



***


研究室Side


エレノア・アリアドネSide


フェリオ……災難やな、まあ、ファンクラブ云々はイリアさんに任せて、当面は内通者を調べるのが最優先やな

イリアさんがフェリオの所に行ったんで、とりあえずは色々考えられる可能性を割り出す。


「カレン姉さん、もう、イリア隊長行ったで、後はうちらで何とかしよか? 此処に来る前に、イリア隊長から

【もし、私が何かの弾みで相手側に心を読まれたら問題なので核心に触れる情報は残念ですが知らないほうが言いと思います】と言われてるから

その手のアプローチは掛けてくる相手も居るやろし、相手がボロを出すまでうちらでなんとかしよか」


「そうだな、フェリオに後で私から謝っておこう、しかし、一体誰がこんなんしでかしたんだ?」


二人で少し溜め息を吐く。


「カレン姉さん、ハッキングの件やけど……目星は付いてんの?」


「ああ…… そうだな、まず、こんな事が出来そうなのは四人当てはまるな?」


四人つまり、カレン・リフィア・清音・後……は【性悪】やな?


「そうだな、この件で騒ぎで、こんな事をする必要性が無いメンバーは、私・リフィア・清音は、この件から、除外されるな」


「その根拠は? 幾らなんでもカレン姉さんも関係者や、事件とは無関係とはいい気れんで?」


取りあえず、事情調書みたいやなと思いながら、カレン姉さんの回答を待つ、するとカレン姉さんの口から事細かく説明がなされた。


「そうだな、スパイダーのデータ解析は私と清音が行って、わざわざ、データーを抜き取り去る必要がないしな、第一、清音や私にデーターを盗み出して

何の得がある? そんな事をわざわざしなくてもイリア隊長の線戦闘データーなら、好きなだけ手に入るし、清音も今の地位を捨てる必要も無いしな?

私は騎士団の最狂の科学者だぞ? 私の敵なった奴は後腐れなく潰してきたさ、それに、清音も私の有望な助手だ、そんなばかげた事は、わざわざしないだろ。

清音は眠れる虎の尾を踏む者ではない、それに、盗聴に気がついたのは私だ、此処に居た時に、ブラックボックスから情報を集める最中だ

もし、私なら、こんなセコイ手は使わずもっと派手にするがな? たとえば、データー引き出し後に騎士団内のマザーフレームを完全に破壊し他後に

そのダーターを世界の軍事企業に垂れ流すとかな、そのほうが派手な騒ぎになって、より面白いしな。

最後に、リフィアはキサラギ隊長の定期的なメディカルチェックの最中でハッキングなんてしている時間が無い

あの子は、こんな、事には無縁だ彼女は将来医者になるのを目指している、彼女には私のデーターは彼女の信念や在り方に合い入れぬもので必要の無いものだからさ」


そうなると…… 後一人は性悪やな……しかし、それもカレン姉さんがあっさりと自ら否定した。


「残念だが…… あの性悪にも、完全なアリバイが有るぞ」


「完全なアリバイ? どんな?」


「ああ、あの騒ぎの最中は性悪の指揮する空中戦艦ダーク・ウィチ号はその時哨戒任務中だ

しかも、ギザ砂漠方面にだ、余りにも、あんな辺境では、こんな事はおいそれと出来ないだろう?

まして、僚艦と常に情報のやり取りの最中に、騎士団のマザーフレーム経由でのアクセスには

自分の乗艦の全能力を注ぎ込む大掛かりな作業になる。

まして、隣国の紋章皇国の動きも気になる時に、そんな馬鹿な事は連中も控えるだろうさ」


そう言って、カレン姉さんは、インスタントのコーヒー愛用のマグカップに注ぎ口にした

確かに、あの性悪には可能やと思ったんやけれど、アリバイが成立してるんなら、うちらも手出しできんしな?

何や降り出しに戻ってしもうたな。


時計を見ると、こんな時間か……そろそろ、新任の副隊長が来る時間やな、うちは席を立って、新しい副隊長を迎える準備をするため

この部屋を出ることにした。


「カレン姉さん、悪いわそろそろ副隊長が来るんよ、うちは、これからその人を出迎えんとあかんから

これで、失礼するわ、あ、何か解ったら教えて、こっちも協力は惜しまんさかい」


「そうか、済まない、何かわかったら、そちらに連絡を入れる、今日は、忙しい所を済まなかった」


「かめへんよ、それじゃうち行くわ」


そう言って、部屋を出る、うちらは副隊長着任をもって第16騎士団【ミュラージュ・ウルフ】は正式に稼動する

しかし、コードネームが【幻影の狼】か……だけど幻で終わらせへん、絶対にや、そう決意を秘めてうちは隊長室に向かった。



****


???Side


???Side


暗明かりの部屋の中で、モニターの中の人物と会話をしている声からして、モニターを見ているのは女性と伺える

また、モニターの中の人物は男性だった、彼はタバコを加え一服吸ってから

今回の成果の感想をあまり興味も無く述べた。


「件の戦闘データだが、上が期待していたより、かなり良いものだった、まあ、俺には、あまり興味は無いものだが

それなりの妬くには立つだろうさ」


「そうで無ければ困ります、わたくしもバレない様に解析班に混じって小細工をしてきたのですから

それなりの成果がないと、今後のわたくしの評価に響きますわ?」


ブラックボックスの回収は内部に潜入した回収班が行い、無人機の暴走のハッキングは彼女が行った

彼女は内心、あのカレンが気がつかなかった事にある種の優越感を覚えていた。

常に、最新の注意を払うカレン・ノアが今回に限って自分の存在を見落としていたことが

たまらなく面白かった。


「流石だな…… 人形使い、まさか自分と寸分違わない完璧なモノを作り上げるとは、俺も流石に恐れ入ったよ」


「ええ、そうですわね、自分の人形等割と簡単に造れますわ、しかし操れる数が限られているのが

難点ですわ、もう2・3体位扱えないと不便ですわね?」


そう、彼女は戦艦に乗艦せず、変わりに自身にそっくりな人形を戦艦に乗艦させた、そして、騎士団内のマザーフレームに

シンパから手に入れた正規のアカウントでアクセスをして演習プログラムに小細工をおこなった。


「まさか連中も、船に乗り込んだのが君の自動人形だとは思うまい、逸れともワザとこちらを泳がせているのか?

とにかく、もう、この手は二度も使えんだろうさ、これからは精精注意しろよ?」


男は彼女に釘を刺す、彼女は能力はあるのだが貴族の育ち故のプライドの高さが時に出てしまい

表の任務中に度々失敗をしてしまう事が、彼にとっては唯一の不安剤だった。


「まあ、当面は、君が、らしからぬ、失敗をしでかさなければ、問題は無いだろう、そうそう、ラボはキサラギ隊長を無傷又は殺さずに回収して欲しいそうだ

と、言ってもこればかりは、私も君にも無理注文も良い所だが……」


「あの女を無傷で生け捕り等は無理ですわ! それなら、この前の演習に使ったスパイダーに細工をして事故を装った方が

まだ、安全に確保できる可能性があります、全く、現場を知らない上層部うえならではの呆れた発想です」


男からの上層部からの無理注文に、彼女は、モニター越しにかなり声を荒げて捲くし立てて来るのを呆れつつ

彼女をなだめる。


「君の気持ちは、解るが、それでは貴重なサンプルが台なしだ、まあ、上の無理な注文は

俺が別のプランで何とかしよう」


「そうですわね、ええ…… 軽い冗談ですわ、それ位解っていますわよ? 私も」


彼女が言うと冗談には聞こえない、それだけ、イリア達を敵視していると言う事だ

正直、彼にはどうでもいい話だが

万が一あらかさま失態を、この女がしでかした時は即座に切り捨てれば済む。


「ところで、紋章皇国から亡命してきたフィーナが副隊長に着任したそうだな?」


「ええ、小娘同士精々馴れ合って欲しい物ですわ、まぁ、私としては全く不愉快なお話です」


皮肉と敵意をもって、彼女が答える、男は正直、彼女の、その敵意とかを仕事の方に向けてくれたほうがありがたかった、何時も定時報告の時に毎回、耳にタコが出来るほど、イリア達の嫌味を聞かされて

正直うんざりしていたからだ。

そして、彼は今回一番の朗報と凶報を彼女に、そっけなく伝える。


「…・・・狂狼と化け猫を、そちらに送っておいた、5日後には合流できるだろう、精精仲良くやってくれ」


「……」


彼女は、その報告を聞くと絶句した、何故なら、この二人ほど厄介で扱いにくい傭兵と暗殺者はいないからだ。

狂狼と化け猫…… 正直余り係わり合いになりたくない、彼女はそう心の中で思った。


「そろそろ、時間だな? では、今後は計画通りに行動しろ」


「解りました、では、私は此れで失礼いたします、これ以上は連中に嗅ぎ付けられますから」


無断で施設の回線を使用しているのだ、そろそろタイムアップと考えるべきだろう

例え連中が嗅ぎ付けても、今は此方には手出しは出来ないが。


「それでは、我等が真の主の為に」


「ええ、世界を真に導く王の為に」


そして、回線は切れた。

描写を一部修正しました。

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