第6話〜フェリオ誘拐事件〜
描写およびストーリーを加筆修正いたしました。
大聖堂騎士団騎士団員官舎side
フェリオside
僕たちは、今は、おじさんの家をら出てから、マスターと割り当てられた官舎に一緒に住んでいる、家の大きさは、二階建ての家だが広さはそこそこで、僕は、一階の空き部屋を自室にして
マスターは、二階の部屋を自室に使っている。
そして、定期的にカレンさんがマスターの体調とか見に来てくれるので、お茶を運ぶのが僕の日課になりつつあるけれど、騎士団施設に入って、早々、僕は、マスターと喧嘩をした、原因は僕が勝手に、騎士団の【異能者保護申請書】のサインしょうとした事だ、書類は何とか僕が一人で入手できたのだけれど、手続き担当の職員が丁寧に、僕達の官舎に連絡してきて、マスターに書類が見つかって、口論になった。
とくに、書類を見たマスターが、その書類を僕の目の前で破り捨ててしまったので、僕も、マスターも完全に頭に来て、とにかく、それは凄い口論になった。
ただ、怒るとマスターは声を静かにして、とにかく、初めて怖いと僕はこの時、僕は思った。
『フェリオ君! 何故どうして【異能者保護申請書】を、私に黙ってもらって来たの? ……答えなさい』
『……マスター貴女は、戦ってはいけ無いんです! それは、マスターの戦闘に不向きとか、そんなんじゃない、とにかく、危険な任務からは、できるだけ離れてください、もし、何かマスターの身に起きてしまったら、もしもの時、貴女を僕は助ける事ができない』
『じゃあ、自分はどうなの? 私が生まれる前から、独りで…… あんなに戦って…… あんなに沢山傷付いて! そんなに私は、頼りにならないの?』
『!!…… マスター、まさか僕の記憶を勝手覗いて…… いや、今は、そんな事は、どうでもいいんです、僕の力をまだ十分にコントロールを出来無にのに…… いや、たとえコントロールが出来ても、今の貴女では、いいや、自分の実力の事は上げですか? もし、そうなら思い上がないで下さい』
『わ、私が、何時? 思い上がったて言うの? フェリオ、答えなさい、私が貴方の一体何を間違えているのかを!』
『それです…… マスター貴女は、僕のお姉さんを気取るつもり何ですか? 確かに、僕は、まだ幼体ですが、貴方の何倍も年上なんです、そんな事も解らない内はあなたの方が、まだまだ、子供だ』
『……っ 私が、フェ……リオ……君の…… 姉を気取っていたなんて、そんなの、待ったくの侵害だわ!』
今、冷静に考えたら、僕もマスターもお互いに血が上っていたらしい、遂に、僕は、マスターに言うべきではない言葉を言ってしまった。
うん、今、振り返ればもう少し冷静なって、マスターと僕の間に誰かに入って、貰ってから、きちんと話合えばよかった。
『こんな…… こんな分からず屋だと、解ってたら…… 僕は貴女と契約なんてしなければ……良かった』
ちくりと胸が痛む…… でも、言った言葉は、もう取り消せない、マスター見ると、前髪で表情が隠れていて、どんな、表情をしているのか?
解らなかった、とにかく、あの時は感情が高ぶっていて、お互いに歯止めが、効かなくなっていた。
『もう、一度言いなさい…… フェリオ』
『ええ、何度でも言います! 貴女は、僕のお姉さんじゃあ無い! だから――――』
『そうね? 私は、貴方のお姉さんじゃあ無いわ そして…… フェリオ君は私の弟でも無いわ
でも、私は貴方の力に成りたい……だって…… 今の、フェリオ君、ずっと泣いてるもの』
そう言って、僕をマスターが抱きしめる、少しくすぐったかったが、懐かしいくもあった、そういえば、母さんに、こうして貰ったのは何百年前のことだろう?
今わかった、僕は未熟で、そして何時か来る別れが、物凄く怖かったんんだ。
それに、僕は、一人で戦ってきた、そして、これからも独りだと勝手に思い込んでいた、僕は、アイリスの事があったら、誰かを巻き込みたくは無かったけれど、マスターと契約した以上は彼女を支え、お互いに戦わないといけない。
(暖かい両手に包まれるマスターの暖かさが伝わって来る…… これが……マスター貴女の優しさなのですね)
『ごめん…… なさい…… マス……ター』
涙声で声にならいが、僕は謝るマスターも泣きながら、僕に謝った。
『フェリオ君、私の方こそ、ゴメンね、私……フェリオ君の事を、私もちゃんと考えてなかった』
ごめんなさい…… 僕も、マスターの気持ちを考えていませんでした、だから。
『だから…… 二人で乗り越えて行こうよ? フェリオ君』
『はい、マスター、僕も貴女と共に戦えるようにがんばります』
それが、昨日の事だ、久しぶりに、官舎に僕達に会いに来た、カールおじさんに話したら、喧嘩をするほど仲が良いと言われた
確かに、僕達は他人から、見れば、どこからどう見ても、姉弟の様に見えるだろ。
***
イリア・キサラギSide
(ふぅ…… 昨日はフェリオ君と喧嘩をした、そして、フェリオ君の一言に、思わずカッとなって
フェリオ君をぶってしまった……まったく、子供に手を上げるなんて、最低だわ……)
少し落ち込んでいる、まあ、私も彼を子ども扱いしていたのが、原因なのだけれど、これからは、彼の意思と私の意志を尊重しあいながら
パートナーとして、時には色々衝突もあるけれど、上手く、やって行かないといけない。
(あーっ、考えても仕方が無い、第一私は、ジメジメしたのが嫌いなのだ!)
良し、今日はフェリオ君にお詫びを兼ねて買い物に行こう、うん♪ うん♪ そうしよう
草々に私服に着替えて、朝ごはんを外で済ませるのも悪くは無い、幸い、外出の許可は申請すれば降りる、騎士団内は訓練時と実戦時以外の外への出入りは申告すれば、特に問題は無いが、結構、細かい申告をしなければならない、特に、朝8時から午後16時までの間なら、町に出られるが、門限破りとトラブルは厳禁とされている。
さて、そうと決めたら、早速、フェリオ君と出かけることにしよう。
「なるほど、それで、買い物ですか?」
「そうよ♪ 買い物、とにかく外出の申告はこれから、なのだけれど、フェリオ君もこれからは
見習い騎士扱いなのだから、人間の街に慣れておいた方がいいと思ってね」
私は、フェリオ君の居る部屋を訪ねて、今日の行動を彼に伝えると、彼は戸惑いながら、一つの疑問を口にした、彼からすれば、都会なんて滅多に来ないのだから
なにかと勉強になるだろうし、今後の行動の役に立つはず、それで、外出を提案してみたら、彼が一番気にしている事を私に質問してきた。
「解りました、マスター それは良いのですが、その、お金は? 僕の知っている【都会】といえば、大抵、王侯貴族とか位の高い人の集まる、もしくは、暮らす場所と言う、イメージしかないので……」
「そうね、今は、それ程、身分に関係なく、誰でも、都会で暮らすことが出来るわよ、それに、お金なら、私が出すわよ♪」
「マスターが、でも、新しい魔導師の服とかは、けっこう高いですよ? それくらいは、自分で出します
もしもの時の場合も考えて、こう見えても、人間の貨幣を幾つか持ち歩いていますので……」
そう言って、彼は金袋からお金を出す、フェリオ君の、持っているお金はかなり古く質屋か古美術店で換金はしてくれそうだけれど、中には、私でも解るくらい価値が下がっている
銅貨とか金貨や銀貨が少しあった、つまり、流通しすぎて、あまり人気の無いお金を彼は幾らか持っていたのだ。
「フェリオ君ごめん」
「マスター、何でそこで謝るんですか? 僕また、何かしました?」
「違うのよ、フェリオ君、その金額じゃあ、今は、安いホテル代にもならないから……」
そう、彼のお金の残金出は、服どころか宿代さえ危うい、額は、今の金額にして、少し値段の張る食事の金額くらいしか無かった。
「あれ? この前確認した時は…… えーと、宿代位、やど……あぁぁぁっ」
「きゃぁ、び、びっくりした、いきなり何よ、大声を出して?」
「僕の金袋に穴が…… 多分、あのマスターと出あった時のモンスター達と戦ってる最中に落としたんだ……」
「じゃあ私が、フェリオ君のお金を出すから…… それでいい?」
「そうは、いきません!! 僕のものは出来れば、自分で手にしたいんです」
フェリオ君は、いきなり大声を出したので、また、私は彼を怒らせてしまったのかと
気になり、彼に尋ねてみる。
「フェリオ君、まだ、昨日の事怒ってるの?」
「違います…… マスターに……その、女の人に、お金を出して貰うなんて、僕のプライドが許さなだけです」
「そう、わかったわ、じゃ、一体、どうするの?」
はっきり言って、昨日の今日だ、ここは私が折れよう、とりあえず、相談担当の方に、フェリオ君でも出来そうな
仕事を提案してもらって、そこから、彼と金銭の事を決めないといけないわね。
「そうですね、では、こうします……良いですか、よく見てて下さいね?」
彼は、両手に意識を集中させて、魔力を集める以前の私なら、絶対に解らなかっただろう、今になって、彼の凄さに正直驚く
とにかく、魔力の流れが穏やかに自分に集められる光景は始めて見たんだから。
やがて、魔力が収束して深い蒼色の宝玉が現れる、まさか……。
「これなら、かなりの高額に成りますから……って、マスター? 何故? 片手で額押さえてるですか?」
「あのね、フェリオ君……成功して、いきなりで申し訳ないのだけれど、ゴメン、君の創った宝玉絶対に、売ちゃダメ!」
「ど、どうして何です、マスター?」
「それは、つまり、その、宝玉を売ると私たち警察に捕まるから、もちろん、事前に作成許可と販売許可を取れば問題は無いのだけれど、今回は無許可だから、絶対に売ってはダメよ」
「はい? どうしてですか? マスター、僕がお金に困っている時は、何時も、こうしてましたけれど……」
「そうね、魔法アイテムの売買は、私が14才の時、つまり、6年前ね、当時、宝玉を悪用しょうとした人達が居て
それ以来、この国じゃあ、宝玉やその他の魔法道具全て…… じゃあ無いけど、魔力の有るアイテムは拳銃や刃物以上に管理が義務化されてるから
勝手な売り買いは禁止なって、私も欲しかった魔法の玩具とかが手に入らなくなって、そして、魔術師教会と政府の間で国家資格をもってる
魔導師しか、魔道の道具類は扱えないから……」
「じゃあ…… あまり、使いたくは無いのですが…… この国に、闇の魔法屋は? コレだけ大規模な都市なら、闇市くらいは?」
う、非合法の組織を知っているとは…… うん、生き抜くために、色々してきたのね
でも、それは絶対に、やっちゃだめだと後で、きつく言っておかないと彼は、すがるように私に尋ねて来る私は、ある意味彼に死刑宣告を告げる。
「そうね、彼等は真っ先に騎士団に徹底的に潰されたから、今は、フェリオ君の努力と気持ちだけ受け取っとくね♪ そうそう、後で、フェリオ君自身が魔術師としての資格申請も考えておいてね? とにかく、この時代は資格がないと魔術師は、やっていけないからね?」
「そ、そんな、うーん、この数十年、人間の街にあまり近寄らなかったのが裏目に出ました、では、今回はマスターのお世話になりますね、あ、勿論、今回だけですよ?」
「はい、これで、フェリオ君のお金の件は私持ちね♪」
「何だか…… 嬉しそうですね、マスター」
フェリオ君が、恨めしそうに私を見る、ちょっと半分怖い…… 仕方がない此処は、フェリオ君の好きなお菓子で、彼の機嫌を直して貰おう。
「じゃあ、色々買い物とかする途中で、お菓子おごってあげるから」
「お菓子わかりました、ハイ、直ぐに行きましょう、マスター♪」
(ふふふっ…… 僕の食欲は旺盛ですよ♪)
(あ…… フ、フェリオ君の目が既に捕食者モードだ、これは、失敗したかな?)
「あ、あのフェリオ君?」
「何ですか? マスター、ささ、早く行きましょう、僕も色々見たいですし
でも、その前にお腹がペコペコなんです」
(行きますよ、マスターご飯代の財源は、十分ですか?)
私は、この時フェリオ君……の得に、甘いお菓子に対する、彼の恐ろしまでの食欲をまだこの時私は、知らなかったのだ。
そして、私は彼を連れて、なじみのお菓子屋に行くことにした。
フェリオ君の服装は、この前、私達が借りている感謝にリフィアが来てくれて彼女にに貰った、犬のアニメキャラのイラストが入った子供服姿をしている
これは、そとに出入りする時、彼の外見を考慮して、できるだけ、外見年齢の相応の背格好にする必要があったので結果的にこの服に落ち着いた
もちろん、フェリオ君もこの服は納得済みで、気に入っている私服の一着だったりする。
そして、私は動きやすい、Tシャツとジーパン姿だこの方が私にはしっくり来る、それに、スカートとかは、あんまり動きにくいので、あんまりスカートは私の好みではない、うーん、でも、非番のときはワンピースくらい着てもいいかな? オシャレとか、慣れて置いたほうが良いかもしてないわね? まずは、先に学生時代からの行きつけの老舗のお菓子屋{シャングリ・ラ}を目指す、昼時ともなると、かなりの人で賑わう、待つ事、約2時間位して、ようやく、フェリオ君が人の数に圧倒される、しばらく来ない内に、けっこう握わってる。
「えーと、それじゃあ、フェリオ君どれでも好きな物頼んで良いよ、とりあえず、私は朝ご飯を、どれにしようかな?」
「それじゃ…… あの大きなのが良いいです、マスター♪」
(てっ、あれは挑戦メニューのジャンボ・パフェ? たしか。この店で完食者は2・3人しかいないよ!?)
とか、言ってる内に、フェリオ君が事もあろうに注文してしまいました、しかも、丁寧にウェイトレスさんの挑戦メニューの説明をきちんと聞いている。
(何か、しばらく来ないうちに、サイズが前より大きく成ってる!? しかも制限時間は4時間以内て、フェリオ君何か…… 挑戦メニューをかってに追加注文してるんですけど)
そして、彼は挑戦メニューを軽々と平らげていく、とにかく、食べるペースが速い、見掛けは普通に食べてるんだけど…… 勢いも普通に見えるんだけど、とにかく早いの一言しか無い結局店員さんと私が泣いて止めるまで彼のジャンボ・パフェ無双は30個を超えた。
あうーっ、シャングリ・ラが今日から、全て遠き理想郷アヴァロンにクラスチェンジしました。
まあ、結局全て完食したけど私達確実にブラックリストに載った、フェリオ君…… 君は正真正銘…… 食欲の魔王です。
確かフェリオ君のが出てる童話に{お菓子好きの狼}と言うタイトルの本が有った、確か一国のお菓子屋を根こそぎ食べ尽くした……
あの、お話しはオフィシャルだったんだ……。
「ご馳走様でした、マスター♪」
フェリオ君その笑顔は、可愛いけど君は…… 正真正銘お菓子の魔王です、さて、気分を取り直して、魔術師商店にいくとしますか?
「さてと、次は、正規の魔術屋ね? たしか、カレンさんに教えてもらったお店はこの表通りの真っ直ぐ歩いて行ったところにあるよのね?」
「はい、マスター、大きな魔方陣の看板が有るそうなので誰でも直ぐに解るそうです」
でも本格的な魔術屋なんて、ほとんど、利用した事が無い、一体どんなアイテムとかあるのだろう? 私も気になってきた、私に扱える武器とかが有れば良いね? 色々探してみよう。
そして、店が見えてきた、一見お洒落な、インテリアショップにも見えなくは無い。
「マスター此処ですよ、後、お店は魔力の無い人でも問題なく利用できて、色々使える物が沢山ありますよ? ですから、マスターも色々考えるより、まずは実物を見たほうが手っ取り早いですね」
「て…… フェリオ君、今、私の心読んでいたの?」
「そうですね…… 正確には、僕が食欲の魔王あたりからです♪ もちろん、全部本当の事なので、反論はしません」
「うぅ、次は、念話だけにしなさい、とにかく、今後は必要でもない事は、お互いに心を視ないように、しましょうか?」
「はい、マスター」
お店の玄関を開けると、そこには、赤毛のお下げの私と同い年の女の子の店員さんが居て、私達を見ると営業スマイルで出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ~」
「えーと、フェ…… いえ、義弟(弟)に似合う魔道士の服とかを武器を探しに来たのですが、私は最近魔術を習い始めたので、勝手が解らなくて」
「ま…こほん! こほん! いえ、姉さん、ここは僕が居ますので、姉さんは色々お店の物を見ていてください、すみません、僕に合いそうな魔道士の服と護身用の武器とかを探しています、できれば、長持ちしそうな物がいいのですが、あまり金銭的に余裕が無くて、当分のしのぎになりそうなものでも、いいので品物を幾つか見せてください」
「解りました、では、魔道士の服から見ていきましょうか? 当店では、良い材質の魔道士の服が、そろって居ますので、ゆっくり選んでください」
お店の中は一種のアンティークのお店みたいに、年代物の宝石とか、たぶん、アミュレットかな? それに、ルーン文字の入った剣とか色々あった。
魔術の本とかでも、かなり豊富で、日常で使えそうなものから戦闘の物まで沢山有った、その品物の中をフェリオ君が行ったり来たりして自分に必要なものを探していた。
「うーん、この呪符は、イマイチだし…… この魔法の短剣は僕向きじゃあ無いし…… こっちの本は魔術の入門書かな?」
「ねぇ、フェリオ君何か、良いのあった? あ、この魔術の入門書キープするわね?」
とにかく、私も魔術とか使えないと、彼の足を引っ張る事になる、しかし、私もあまり持ち合わせが無いので、今日は、お店を見つけただけでも
収穫はあったしね。
「えーと、フェリオ、今日は目当ての物で手に入りそうなものだけで買い物を済ませましょうか?」
「大丈夫です、姉さん、おじさんから、おこずかい貰いましたので、幾つかは買えそうですよ?」
(……って、叔父さんいつの間に?)
フェリオ君がお店のカウンターに品物を置いて、会計をしようとした時に、その金額の高さに私はすこし驚いた。
「そうですね、マスターの仕度を待って居る間に、こっそり僕にくれました、ん?
このブレスレット…… かなりの物だ、すみません、店員のお姉さん、この魔道士服とブレスレットですが……」
「はい、かしこまりました、少々お待ちください、はい、これですね? これは、打撃力と防御力を増幅させる補助武装のブレスレットです、では、この武装式魔道アイテムの携帯許可書にサインをお願いいたします。 商品の本体の価格と許可書発行の手続き書発行の手数料込みで、合計10000万ゴールドになります」
(うわっ…… たっかー でも、おじさんからもらったお小遣いは全額で、6万も有るわね? もしかしたら、こうなる事も考えていたのかも知れないわね?)
フェリオ君は値段を聞いてから、ブレスレッドを見ると、少し考え込んでいる、どうやら、彼は、ブレスレットを諦めるかどうか?
思案しているようなので、私はとりあえず、自分の手持ちの金額で足りるか店員さんに聞いてみることにした。
「すみません、この魔術の入門書と、この宝石の指輪……マジックリングですが、この魔術の入門書はなんとなくわかるのですが、この指輪についての効果と教えてください」
「はい、そちらの指輪は……」
「ほう、お客人、中々よい買い物をしたのぅ?」
店の奥から、カーテンを開けて、一人の青白い色の肌の女の子が私達の集まっているカウンターに近づいてくる、背丈は丁度フェリオ君くらいの小柄な子で、少し耳がとがっていて
瞳は深い紫の瞳に金髪のショートカットのかわいい子だ、そして唇から一本の牙のような葉が見えていたので、直ぐに魔人族の子だと解った。
「のう、ミリエル、せっかくのお客なのだから、もう少し勉強しても良かろうに? まあ、此処にあるものは全て、わらわの御手製じゃから物の性能は保証できるぞ?
でなければ、商品の錬列棚には置いておかんのでな?」
「コホン、師匠、もう少しお客様には丁重に挨拶をしてくださいと、あれほど、言っているではないですか!師匠が、そんな、ぞんざいな態度なんですから、お客さんが減って来て、此処最近赤字が出でいるんですよ?」
赤毛のお下げの店員さんが師匠と呼んだ人物に話しかけてきた、しかし、師匠と呼ばれた彼女は異に返さず彼女に、構わず反論する。
「まったく、ミリエル、一体いつになったら、わらわの事を、カミラと呼んでくれるのかの? それに、その値札間違っておるよ? そいつの値段は、主らはこの店は初めてじゃからな、そうじゃな、初回サービスで、5千ゴールドじゃな?」
「はい、師匠、解りました、では、合計は手数料込みで、5千になります」
(まったく、何時も、一目で気に入ったお客様には、甘いんだから、ま、そのお陰で、うちも儲かっても居るんだけれど…… もう少し儲けも考えても良いんじゃあないかな?)
「ちょと待って下さい、僕達は、きちんと御代は払います、それに、それだけ差額を引いたら儲けは出ませんよ?」
フェリオ君が二人のやり取りに見るに見かねて、口を挟む、彼は根は真面目なのだけれど、したたかな黒い所を見せるのは、よほど仲の知れた相手か
もしくは、私くらいだろか? しばらくこの場の様子を見てみることにした。
もし、交渉が上手くいかなければ、次の機会に此処に来れば良い、向こうも、初対面の相手に印象を悪くする様なことは望まないだろうし、そう考えていたら、店の主の子が思い切った提案を私達に切り出してきた。
「ふむ、主の言にも一理有る、しかし、わらわは主らが気に入ったのでな? うーん、では、こうしよとするかのう? 主らが、もし、遺跡とか何処かで手に入れた魔道関係の品物を手に入れたら、わらわに見せてはくれぬか? もちろん、正規品で扱えそうな品物での話じゃ、いわく付の品とか厄介な品物…… つまり、おかしな呪いとかが掛かっているものは全て騎士団に届けなければならん規則なのでな、もちろん、騎士団のほうも得意先なので、まあ、主らが仮に騎士団関係者だったとしても、こちらは問題なく商いができるし、まあ、あちらとは長い付き合いなので、こちらの品も幾つか納品しておるしな? こういっては失礼だが、主らは普通の職を持つ身分ではないな? それでじゃ、こちらとしては、主らのような冒険者もしくは騎士関係者の者と正規の取引をしておる。それで、何かと、必要になりそうなものを安く提供し、そちらからは、必要になりそうなアイテムとか作れそうな材料をそろえてもらう、まぁ、ギブアンドテイクじゃな、どうじゃ、やってみるか?」
「そうですね、僕は異論はありませんが、義姉さんはどうします? ここのお店は初めてですが、これから、色々と物入りになってくるはずだし、お互いに悪い条件でもないです」
「そうね、では、お言葉に甘えて、そちらと契約をしておきます、私は、イリア・キサラギです、そして、こちらが義理の弟のフェリオです」
とりあえず、彼のことは弟として紹介しておく、そして、店主さんと店員さんも自己紹介をしてくてた。
「わらわは、カミラ・ディ・ルベートまあ、この店<黒猫亭>の主兼マジックアイテムを製作している、魔術師兼錬金術師じゃ、そして、こっちが」
「はい、弟子兼店員のミリエル・ガーベラです、よろしくお願いします、フェリオ様、イリア様、これからも当黒猫亭を御ひいきにお願いいたします」
と、お互いに丁重に挨拶をしてくれたあと、会計を済ませる、私達は目当ての魔道書やアイテムを購入した、とくに、フェリオ君の魔導師の服とかは魔道士服は全て、オーダーメイドに、なるそうで仕立てに時間が掛かるらしい
数日経ったら、お店から連絡がくるので、待って欲しいとのことだった、ちなみに、フェリオ君の服のサイズは、ミリエルさんが測ってくれた。
「では、またのご来店をお待ちしております、当店のご利用をしていただきまして、誠にありがとうございました」
「うむ、何かあったら何時でも、わらわを頼るがよい」
「はい、必ず、行こうか? フェリオ」
「ありがとうございましたでは、僕らは、これで失礼致します」
カミラさんの店を出て、しばらく表通りを歩いていると、なにか違和感を感じたので、さりげなく後ろを振り返らずに見ると
いかにも怪しい男たちが複数いた、どうやら、私達をつけているらしい、とりあえず、念話でフェリオ君と会話をする。
(マスター、僕達、後をつけられてますね? ここは、人通りが多いので、とりあえず、何処かに誘い込みましょうか?)
(それは、同感ね、でも、どうするの? 私達は今、武器なんて持って無いよ? フェリオ君はともかく、私は今は戦力としては君の足を引っ張るわよ?)
(大丈夫です、僕がサポートします、ただ、手加減を相手にしながらの戦闘になりますので、彼らを殺さないと言う絶対の枷が有る以上、こちらがかなり不利になります、正直、手加減が僕は苦手なので)
(解ったわ、じゃあ、このま逃げましょう、そうすれば、他の人に迷惑が掛からないし、上手くいけば、二人で何とかなるかもしれないわね?)
とにかく、人が多い此処を離れ無いと…… 後を着いて来るのは10人位らいだ、それくらいなら、フェリオ君と私で何とかなる。
***
ヴァルゼラート市内side
アルト・ファルディスside
僕達は、何時も通りのヴァルゼラート市内の大通りをパトロールしていた、この時間は買い物や昼食を摂る人達で、ごった返しているから、色々とトラブルも多く、その中には、自身の能力を悪用する方々も居て、通常の警察では対処が、しにくい事もあった、たとえば、この前は、こそ泥が、文字通り壁を【走って】逃げるという事もあったので、最近は、騎士団の保安隊の出動が増えてきている。
でも、大半は能力者の喧嘩の仲裁や市内の見回りが、ほとんどで、最近は僕たちが抑止力になりつつある効果を実感していた。
さて、僕達もそろそろ昼休憩の時間だ、久しぶりにファーストフードか何処かの食堂で休憩も悪くないかな?
そう、考えていたら、仲間の一人の銀色の毛にショートカットの水色の瞳の青年が他の騎士達と何処に行くか相談してるし、うーん、彼らの場合は大半が、飲食店のかわいい女性店員が目的なので、料理の質は二の次になってしまう。
もちろん、保安部には【鬼隊長】が居るので皆その事をわきまえていた。
「おーい、アルト何処に、いこうか? この前、お前の女の子の好みを聞きそびれたので今度こそ、教えろよ?」
はぁ、そんな目的で食事に行くのなら特に行きたい場所なんて、ほとんど有りませんよ、いや、彼らを、からかう目的でなら
この前立ち寄った【おばあさんのお茶屋さん】に、案内をして、一つ、笑いの種にしてみましょうか? いえ、ダメですね、それだと、あのおばあさんに、ご迷惑が及びますので、ここは丁重にお断りをいたしましょうか。
「そうですね……」
と、言いかけたその時、彼の目に、姉弟らしき、若い二人の人物の後をつける不審者が複数映る、追われている相手は、一人は半獣人の少年と人間の成人女性だ。
そして、その後を中途半端に殺気を出しているの男たちが、複数、どうやら【獣人狩り】と言われる獣人族をさらうのを目的とした連中で、治安維持を専門とする保安部の警戒対象組織の一つでもある。
「みなさん済みませんが、お仕事ですよ? 【獣人狩り】の方々のお出ましです、とりあえず、相手に気付かれないように、こちらも何人かに分かれて行動しましょうか?」
「そっかぁ、じょあ、あの店のランチはお預けだな? よし、俺たちは、別の方面の警戒に行く、あいつら最近、派手な動きを見せてきてるからな?
俺らは、あと、二ブロック見回ってみる、アルトはレイラとあいつらを捕まえてくれ」
「そうだな、アルトとレイラの二人なら、対処が出来るしな? 今度の昼飯は必ず俺たちに付き合えよ?」
「じゃあな、アルト本部に連絡してくれ、こっちも、警察に連絡をしておく」
「わかりました、では、皆さんもお気をつけてください」
僕とレイラさんを残して、みんなはそれぞれの担当区域の警戒に向かった。
***
レイラside
「アルト…… 連中が路地に入っていった、私達も、後を追わないと……」
「解りました、レイラさん、くれぐれも無茶な行動は慎んで下さいいね?」
レイラさんは、オレンジ色の丁寧に切り揃えた髪と紅い瞳の少女で普段から何を考えているのかは全く解らなかったが
彼女とアルトは、以外にも気が合う同僚して、保安部で仕事をしている、周りから見れば、アルトが彼女の保護者にも見えなくは無いと言う雰囲気らしい。
ただ、口数が少ないので、不本意ながら彼女の方がアルトより年上に見られてしまうのが、一番の不満でもある。
「……アルト、早く、あいつ等の後を追わないと手遅れになる……」
「そうですね、では、手短に本部に連絡をしておきます、場合によっては、こちらにも応援も必要になる筈ですしね」
そう言って、彼は、男達の後をつけながら通信機の回線を入れる、しばらくして、オペレーターのナミが通信にでた。
《はい、こちら、大聖堂騎士団治安担当部……》
「こちら、アルトです、ナミさん、聞こえますか?」
《あ、アルトさん勤務中の私語は……》
普段なら、それぞれ、決まったコールサインを使用するが今日に限って、彼は、コールサインを使わずに、オペレーターを呼び出した
いきなり、名前で呼ばれた、オペレーターの注意も規則違反を彼に伝えようと、したが、そんな事は意に返さず彼は要点を言う。
「直ぐに、保安課と市警察に連絡をお願いします、状況が状況なので、まず、人攫いですね? 最近やたら多い獣人狩りでしょう、なお、相手の人数は10~15と推定、そして
保護対象は、赤い髪の女性と青い髪の…… 恐らく半獣人の少年と人間族の女性の年齢は20才位です少年は10才位です、なお、後ろを付けてる方々は獣人狩りですね?
今、大通りの裏道を追跡中、万が一に備えていて下さい、こちらからは以上です」
《り、了解しました、直ぐに、本部に伝えます!》
「あと、通常の見回りの割り当てであったので、こちらは、レイラさんと僕達だけですね、人手があれば、出来るだけお願いします」
《了解、直ぐにサポート班を手配します、アルトさん、レイラさんくれぐれも無茶は……》
「では、頼みます、一旦、連絡終わり」
《ちょ……》
「さて、レイラさん、行きますよ?」
「……解った、でも、アルト、もう少し規則は守ったほうがいい」
彼は、私に「それもそうですね、隊長が合流したら、気をつけていきますよ」と答えた、私は特にそれ以上は気にもせず
彼と共に、獣人狩りの後をつけていった。
****
路地裏Side
イリア・キサラギSide
追ってを誘導と言うより、誘い込まれて、薄暗い路地裏に向かい、突然周囲を取り囲まれた、彼らは、私たちが思っていたより、場慣れをしていて、かなり、てこずらされてしまった、フェリオ君も獣化するか、一瞬、戸惑いながらたたかっていたけれど、じりじりとこちらが押されてきて、ついに、フェリオ君が捕まってしまった、捕まった彼に気を取られた所を後ろから撲れて…… その後の事は…… 覚えて無い…… どの位時間が、たったのだろう? ん、人の気配がする…… 一体誰だろう……? うっすらと目を明けると、そこには騎士団の赤毛の青年騎士とオレンジ色の髪の女騎士がいて、私を介抱していてくれた。
あと、周りには、複数の男たちがこの二人に倒されたのか? 倒れていた。
「大丈夫ですか? しっかりして下さい、いま、回復魔法を施します」
「うっ……」
「今は、まだ、動いては……ダメ」
ぼんやりとする意識の中、私は目で辺りを確認する、確かここは、路地裏で、複数の武装した男達に囲まれて、そして、背後からだれかに……そうだ、フェリオ…… 君は……? 辺りを見回して彼の名を呼ぼうとしたら、ズキッと頭の後ろが傷んだ。
「ふぇ…… フェリオ……痛っ!」
「じっとして、もう直ぐ、良くなるわ」
フェリオ君の事を思い出して、慌てて起きようとしたら、頭の後ろがズキズキと痛む。
「貴方達は?」
「われわれは大聖堂騎士団保安部の者です、私は、アルトと言います、そして、貴方を介抱している彼女が……」
「……レイラ、よろしく」
「あ、ありがとうございます、私はイリア・キサラギです、そうだ…… フェリオ君は!? 私と一緒にいた、半獣人の少年です」
意識がはっきりと、戻ってきたので辺りを見渡すと、あたりには見知らぬ男達と私達を襲って来た男達が倒れていた。
「申し訳有りません、後を追ったのですが、彼等の仲間にに邪魔をされて……
彼等は、いわゆる獣人狩りです」
獣人狩り…… 半獣人を何の躊躇いもなく、さらい時として、殺す事も厭わない犯罪組織だ、噂には聞いていたけれど実際に彼らに、出くわしたのは初めてだった。
「現在、我々のサポート班と警察が連中のアジトを探してるのですが、まだ、見付かっては居ないようです」
「つ、では、フェリオ君は?」
「恐らく、アジトでしょうね? とにかく、今、仲間が非常線を張っています」
私は、目の前の現実に目のが真っ暗に成りそうだ、いや、こんなことで倒れていては、アイリスに笑われてしまう。
「さて、あなた方と戦っていた彼等に、少々、手こずりましたが、彼らののアジトは、手っ取り早く、そこに寝ている彼等に聞きましょう」
え……? 一体どうやって? すると、レイラさんが倒れている一人の男に近づいて、男の上半身を起こすと男に克つを入れて、意識を取り戻させると男の目をにらみ付けて。
「おい、起きろ、お前に聞きたいことがある」
「う、う〜ん」
意識が、まだ、ぼんやりとしてる男をレイラさんが起こす、そして、彼女の目が怪しく光ったと思ったら。
「おい、お前、私の…… 眼を……見ろ」
「う…… あ……っ」
男が反応する…… 目が虚ろだ、そして意識が無いようにも見える、その男に対して、彼女は冷淡に。
「お前達の、アジトの場所と仲間の人数を…… 教えろ?」
「そこの…… 角を右に…… 2ブロック…… 先……の廃ビルだ、仲間は全部で500人だが、それぞれのアジトには分散して……いる、此処のアジトには200がいる……」
「わかった、それで、外の見張りの……数は?」
「表と、3人裏に3人ずつ、外でで何か騒ぎがあれば、2人がとび出してくる…… 後……多脚が1台、それだけだ」
そう、男が言うと倒れてしまった、どうやら気絶したらしい、その様子を、不思議そうに、私が眺めていたらアルトさんが説明をしてくれた。
「先ほどのは、彼女の魅了魔眼で、彼女は魔眼使い使い何です、でも、魔眼は乱用は出来ないんです
レイラさんの体力の消耗が激しくなるので」
「そうなんですか? それで、これから、どうするんですか?」
私は、アルトさん達に尋ねた、私自身は幾ら軍人といっても、元オペレーターなので分析は兎も角、現場の戦闘は今回が2度目
1回目はフェリオ君と出会ったあの時だった。
「そうですね、ここは、一気に、僕とレイラさんとで敵の本拠地に乗り込みましょうか? 敵に能力者がいても、僕達だけなら十分対処は出来ますしね」
「……賛成、少数のほうが、相手を混乱させられそうね、それに旨く行けば、本隊突入迄に敵の混乱を起こせそうだし…… イリアさんには此処で待機してもらうのは?」
「いや、危険です、地の利は向こうにありますから、時間がこれ以上、かかれば、彼らの場待ち伏せにあいます、ここは、時間が掛かりますが、味方の増援を待った方が安全だと思います」
私は彼等の案に反対を意見する、反対する理由は相手は、人攫いの犯罪集団なら、それなりの、武器を装備した人数が、いるはずだから、もしかしたら、襲撃の実行犯に何処からか情報を送っている見張り役が居たかも知れない、万が一に備えて、私は安全策をさらに提案する事を決めた。
「私は、此方の応援を、待った方がいいです、勿論、私は、部外者だと言うのを重々承知しています、でも、相手が、人質を盾にしたら……」
「そうですね、それが普通の常識でしょう、それなら、相手に人質を盾にする時間を与えない方が、より安全ですね?」
「ですが、その逆も有るんですよ、つまり、こちらは大勢で来ると思わせての奇襲です」
なるほど、逸れなららいけるかもしれない、アルトさん達の制服を改めて良く見ると、高位ランクの能力者を表す、ユニコーンの紋章があった、つまり、この二人は一人で武装した能力者の特殊部隊を20人を一人で相手にする事が出来る、でも、アジトの中の相手の数が解らないと、かなり辛い物がある、さて、どうすべきか考えて、再度作戦を考えてみる。
「敵の数は見張りだけ、中の数が解らないとかなり厳しいわ、それに、陽動は、アルトさんとレイラさんのお二人だけでは、もし、何かお二人のどちらかに問題があれば、かえって危険です。ここは、応援が来るまで待ったほうが、無難だと思います」
「なるほど、イリアさんの言う事も、もっともですね、少し……」
アルトさんが、そう、言いかけた時、突然、彼の通信機が鳴りアルトさんが通信機の通話をオンにしたら、いきなり女の人の怒鳴り声が響く。
《アルトーっ、また、勝手な行動する気やな? サポートする、こっちの身にもなってみい!》
「あちゃーっ、隊長、もう、来ちゃたんですか? 思っていたより早く到着しましたね?」
《それはやな、ミナちゃんから、連絡有ったわっ! アルトさんが暴走しそうなので急いで、現場に向かってくださ~いてっな? そうそう、これから、こっちの場所教えるから早う来や、ええな、くれぐれも、単独行動は厳禁やで、解ったら返事は一回》
「了解です」
声の主は【うん、よろしい】とだけ言って、彼は通信は切た、アルトさんって、よく単独行動をするのだろうか?
「あ、あのー、今の通信の人(女性)は?」
「ええ、僕たちの上司のエレノアさんと言います、さ、早く、エレノアさんと合流しましょう、彼女は、怒ると恐いですからね♪」
アルトさん達と急いで、指定されたポイントへ向かう、そこには、複数の装甲車と警察車両に指揮車と大勢の警官と騎士団員が
完全装備で待機していた。
その中で、多くの人に指示を出している女性がいた、白いベレー帽に白いロングコートを羽織って、緑の騎士団の制服を纏っている栗色の髪のおかっぱ頭の緑の瞳の少女が無線機片手に指示を出していた。
「そやから、A・B・Cの三班は各自所定の位置に待機しておいて、それと、今回はヘリは要らんで五月蝿いだけで、突入の際の邪魔やから
別のエリアの警戒に回して、ターゲットの屋上もヘリからの隊員の降下はむりやしね? ん、先に、警察の機動部隊突入させろ? アホっ、先走って、大惨事にしたいんかっ?
さっき話たやろ…… 今回は隠密作戦による奇襲や覚えとけ! こちらは、各自、突入の準備がまだ出来とらんやろ?」
(何か、外見とのギャップが有りすぎる、それに、何で、関西弁と言うか…… これが、彼女の地なんだろうか?)
「どうやら、ご機嫌ななめですね〜 エレノアさん、こちらも、先ほど通信で受け取った所定の配置に付きますね」
と、アルトさんが彼女に敬礼をして話かける、すると、彼女も、砕けた感じの敬礼をして、彼に返答した。
「あっ、もう、アルち来たん? ま、レイラとアルちの二人なら通常なら問題無いんやけどね? ただ、今回の相手がね……噂じゃ、腕の立つ用心棒をかなり雇ってるみたいやしね?」
苦々しくそう言って、彼女は頭を一指し指で描く、どうやら、彼らにとって、今回は、厄介な事になりそうな状況らしい。
「アルち、ところでそちらの人は?」
と、言って私を見る…… 表現が険しい、明らかに、私は部外者なので、彼女にしてみれば最悪、足手まといなのかもしれない、私達の置かれている状況をアルトさんが詳しく報告する。
「はい、彼女は被害者のイリアさんです、たまたま、弟さんと今回の件に巻き込まれたようです、また、今回、義理の弟さんが獣人狩に攫われたようです」
「そうなん、今回は災難やったね? ん、イリアさんやったな? 奴等は、よほどの事がない限り、攫った、獣人をどうこうはせんはずや、それに、アジトは直ぐそこやしな?」
アルトさんが彼女に、私を紹介する、彼女は最近頻発する、半獣人の誘拐事件について詳しく教えてくれた、確かに情報どおり、その場を定期的にうろついている男たちがちらほらと見えた。
「じゃあ、フェリオ君達は? あのビルの中に?」
「せやね、あのビルの中や、ただし、獣人のことを知り尽くしている、連中やさかい、もし捕らわれている獣人が抵抗したら、たぶん、ひどい目に合わされるんや」
そう聞いて、不安になった、いくらフリオ君でも、他に捕まっている、人達がいれば、なるべく大人しくしている筈だが
もし、彼の事を始から狙っていたのなら…… そう考えた瞬間、立ちくらみがして、またも、私は卒倒しかけた、不意に誰かに支えられる、支えてくれたのは、レイラさんだった。
「イリアさん、大丈夫です、僕達に任せて下さい、では、イリアさんは此処で、フェリオ君の無事を祈っていてください」
アルトさんが、そう言って、私を安心させてくれた、でも、私も既に覚悟を決めていた。
「イリア……後は、任せて」
「それに、あんたは、民間人や、此処で、待っとき、直ぐに犯人いわして来る、それじゃあ、全員配置に付いたな?」
エレノアさんが、そう、 叫んで、いつの間にか鉄扇を有名な天才軍師の様に振りかざし、一斉に号令を出す。
「よしっしゃ! これから悪党退治や、もちろん遠慮要らんへんで、捕らわれている獣人の身柄の安全を優先しつつ、全員まとめて、フルボッコしいや」
「「おーーーっ!!」」
(どちらが悪人だろう? しかも、フルボッコ!?)
でも、フェリオ君達は大丈夫だろうか?
(私も武器が有れば、戦えるのに、そう例えば剣とかが有れば……)
その時だった、 右腕がまるで感電したかの様に痛みだす、私は痛みのあまりに、その場にうずくまった。
「!? ぐうぅぅぃぅ、がぁっ!」
たまらず地面に、倒れ込み、皆が私に駆け寄る、しかし、その痛みも直ぐに治まっていく。
「だ、誰か、衛生班急ぎや!」
「イリアさん大丈夫ですか!?」
「……!!」
私の右手に何か解らない力がら集まる、そして、一握りのロッドが現れた長さは丁度、ショートソード位の振り回しやすい代物だった。
「はぁ、はぁ、こ、これは?」
「イリアさん魔術師だったんですか?」
「……凄い、魔力を凝縮して武器を作り出すなんて」
アルトさんとレイラさんが、駆け寄って来る、私は片手で彼らを制止してゆっくりと立ち上がった。
(何や、この子? 魔術師とかで、今のは証明でけへんな、魔力を凝縮とか言うレベルやない、こんな純度の高い魔力の結晶なんて工房でしか造られへんはずや)
しばらくして、エレノアさんの無線機の呼び出しが鳴る、彼女は落ち着いて呼び出しに応じて素早く指示を出した。
「はい、こちらエレノア何や……?」
《隊長……全班配置完了です、何時でも行動可能です》
「了解や、こっちも二手に別れて行動する…… アルト・レイラをアジトの正面に向かい、うちらは裏に回るさかい、アンタ等も注意しいや!」
《了解です》
そう言って、エレノアさんが通信を切る、それと同時に私の利き腕の右腕の痺れは無くなっていた
私は、ゆっくり立ち上がって、アジトに向かおうとする。
その時、エレノアさんが私の手を掴む。
「ちょい待ち! 何処にいくねん?」
「どこって、フェリオ君を……助けに」
「そんな、フラフラな状態でか?」
かなり厳しい目付きで私を睨む、私も睨み返す、一瞬で、この場の空気が凍りつく
そして、長いようで短いにらみ合いの後、私は彼女に、静かに言った。
「手を放して下さい、エレノアさん」
「アカンな、いまのアンタ一人で、一体、何が出来るんな、言うてみい……?」
心配してくれるのは、嬉しい、でも、余り時間が無い、もし、仮に、彼等の目的がフェリオ君なら
彼の身が一番危ない気がした、それに、私ばかり彼に助けてもらっているのも少し尺だったと言うのも理由だったりする
そんな時、アルトさんが助け舟を出してくれた、そして、エレノアさんが、やや開き直ったように、大げさに。
「では、僕達と行きましょうか、イリアさん?」
「あーあーっ、うちだけがワルモンかぁ、しゃあない、ただしっ、イリアさん、アンタは無茶すんな、アンタに死なれてみい? 始末書だけやのうて、うち等、全員の首が飛ぶからな? アルト……減法は、うちも被ったるさかい思う存分、陽動頼むわ」
「はい、わかりました、では、エレノア隊長、僕達は正面からから突入します、レイラさんも、よろしいですか?」
「……異存は、ないわ」
エレノアさんが、さっきとは打って変って真剣な表情になると、全員に手早く指示を出した、それぞれが配置に付き時間を確認して、私は、大きく頷いてエレノアさん達と裏口に回る。
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獣人狩アジト正面付近Side
アルト・ファルディスSide
僕達は裏口に回り、待機していた仲間と無事、裏口は思ったより、見通しがよく、さらに一つ問題が在るとすれば、正面のシャッターが丁度、情報どおりの、他脚戦車とかが隠れたいそうな感じだった。
それに、獣人狩アジトの辺りは廃ビルが多いこれなら、一般人の被害は少ない、さて、陽動開始ですね?
エレノアさんに裏口は任せて表を攻めますか、ちょうど、相手は3人なので一瞬で片付けましょう、勢いよく私は駆け出すと、素早く剣の柄に手をやる、そして、それと、同時に見張りが私に気付く。
「何だ? てめぇは?」
「や、やっちまえ!」
「何モンだ、かまわねぇ、撃っちまえ」
「別に、悪党相手に名乗る程では有りませんよ、では、お休みください」
一瞬で、彼らと交差する、そして瞬く間に彼等を切り伏せる、彼等は、うめき声を上げる暇もなく僕の太刀の前に成すすべもなく倒れてしまう。
「こう見えても、僕は居合は得意何ですよ? ああ、安心下さい、だたの峰打ちですから」
既に気絶している、彼等につぶやくと、レイラさんに、目で合図を送った、彼女は一度、頷き自分の相手に備える。
すると目の前のシャッターが吹き飛び、四足歩行の多脚戦車<キャンサー>が現れた、名前のとおり四足歩行の旧式の対人他用多脚戦車で既に旧式化しつつある兵器でもある。
「なるほど、闇ルートの中古品ですね? でも、所詮は…… 彼女の前では役に立たない代物ですよ?」
キャンサーは、僕のめがけてガトリング砲を無差別に撃って来る、流石に旧式と言えど、流石の僕も、こいつの相手は難しいので彼女に任せるとしましょう。
嵐の用な弾丸を避けながら、僕はレイラさんに合図する彼女には、玩具同然の相手だ。
「レイラさん、お願いします」
「……分かった、数秒で片付けるわ」
彼女は、そう言うと、相手に捕捉されないように、ジクザクに素早く動く、キャンサーは彼女に応戦するが彼女の動きに、ついて行けないパイロットの焦りが聞こえる。
「なんだーっ、このアマはっ!? 動きが、デタラメ過ぎるぞ! こっちに、くるなぁぁぁぁぁっ」
そして、彼女は素早くキャンサーの腹の下に潜り込むと、脚を手刀や回し蹴りをまるで、ブレイクダンスを踊るかのような動きで、三本破壊し素早く腹の下から脱出する。
キャンサーは脚一本だけを残して、斜めに地面めがけ崩れおちた、そして、彼女は止めとばかりに砲頭に上りハッチをこじ開けると中のパイロットむかって一言。
「お前……外に出ろ」
と、ドスの聞いた声で話すと相手は素直に応じた、前に、カレンさんに、にこやかに【説得】をしては、どうかと、提案したのですが威圧をしながらのほうが良いと提案をしましたが、あっさりと却下されました、しかし、いつ見ても迫力がある睨みです、たぶん、サラさんかエレノアさんの日ごろの教え方が良いせいでしょうね?
「は、はい、今すぐ投降しますから、ど、どうか、命ばかりは……」
と、脅えながら、多脚の搭乗員は呆気なく投降し、こちらの戦闘は片付いた。
どう見ても10代後半の少女に戦車を破壊された挙句、陰陽な声で、ドスを聞かせての表に出ろの一言には、逆らう事さえできない怖さがある。
「レイラさん、お見事です、ところで、腕や脚にルーンとかをを仕込んでいたんですよね?」
彼女の怪力は両手足に、仕込んだルーン魔法と格闘術(我流)で他を圧倒する戦法を好むよいうですが、僕が知る限り魔術の類では無いと思う、理由は魔術が発動した時の魔力の流れを感じ取ることが出来ないから。
まあ、騎士団には僕を始め訳ありの人とかも沢山いるので、本人が教えてくれるまでは、たいして気にはしない。
「こんなの、ただの子供のケンカよ? 別に、たいしたことない」
「そうですね、さて、レイラさん中で、もう、一仕事しましょうか?」
「うん…… 早く片付ける」
****
獣人狩アジト裏口付近Side
エレノア・アリアドネSide
うちらは今、殺風景な廃ビルの裏口に向かって進んでる、しかし、イリアさん…… よう解らん女性や、何で自分から危険な場所に飛び込むやろ?
それに…… あの、いきなりイリアさんの手のひらから出現したロッドの仕組みが全然解れへんね? 普通なら、あんな桁違いの魔力の集まりやったら、もう少し、何かしらの媒体か工房が必要な魔力量やったな? まあ、今回は獣人狩り組織の壊滅が目的やし、騎士団のスカウトは、レスター局長の仕事やさかい、うちには関係ないことやね。
そして、裏口に回ると、情報屋の情報通りやな、正面に比べて見張りの数が少ないわ、もう少しようさん居ると踏んだのに、4・5人しか居らん。
そして、うちが突入用意の合図を皆に伝える、その場の全員に緊張が走る…… そん時や、不意に嫌な予感がした、ビルの壁に何か居る何処に…… 居るんやろう?
その時、壁の一部が陽炎のように揺らいで視えた、まさか……。
(光学迷彩!?)
「あかん、皆っ、早よう隠れるや!」
大きさが軽自動車一台分の対人他脚戦車<スパイダー>がバルカン砲をうちに向ける、この攻撃で地面が激しく吹きとばされる。
(アホっ、 そんな物ん要らんわ!)
各自、素早く、それぞれ遮蔽物に身を隠かくす、そんな中、イリアさんがスパイダーを見据えていた。
「やっばっ、皆早う隠れるや…… てっ、イリアさん何しとんねんっ、早う逃げるや!」
しかし、いきなり、彼女はジャンプをいや跳んだ、しかも助走なんか無しで宙に高く舞い、ビルの壁にへばりついていたスパイダーに接近する、そして、手にしていたロッドで壁に張り付いていた、一匹をあっさり倒す。
(なっ……)
それだけやない壁を、踏み台にして、反対側のスパイダーの胴体に、ロッドを突き刺し見事に着地すると、そうこうしている内に見張り達が、うちの部下達とそれぞれ
交戦を始めるが、やはり正規の訓練を受けていない連中なので、次々と取り押さええられていった。
騒ぎを聞きつけて、やって来る建物の中から、いわゆる、雑魚が沢山でてくる、次は、うちの番やな? 纏めて相手したる。
「邪魔や、覚悟せい!」
「な、何ィ!?」
「うおっ」
うちは、ジャンプをして鉄扇で、見張りを倒し着地する、そこに、たまたま、うちに狙いを定めて来た奴が鉈を振り上げるが、すかさず、うちは、サマーソルトキックを放つ、そいつは、派手に仰向けにひっくり返り気絶する。
「ぐえっ」
「ふぅ、余り手間掛けさせんな?」
額の汗を拭ってった所へ、イリアさんが駆け寄って来る、よく見たら、彼女もスパイダーを二機仕留めた後、さらに何人か倒していた。
「エレノアさん、大丈夫ですか?」
「うちは大丈夫や、逸れよりイリアさん疲れてへん?」
うちより、彼女が心配やビルの壁に張り付いていた、スパイダーを、あっという間に、二匹も倒して、さらに、雑魚を何人か倒していたから、身体に無理でもしていたら。
「はい、私は平気です」
あっさりと信じられへん事を、口にした……【それ、嘘やろ?】と掛け合い漫才見たいに叫びかけたが、その時、丁度、無線機から呼出があったので、通信に専念した。
《こちら、アルト、隊長、聞こえますか? どうぞ》
うちは直ぐに返事をする、要件や指示は直ぐに出さんとね、今は、時間が惜しいいしね。
「アルち、何や? こっちも、粗方片付けたんで、今から裏口から突入するで」
《はい、こちらも、あらかた片付いたので被害者の捜索に当たります、屋上は、監視班が常時監視しているいて無人機の偵察では、屋上には問題はなかったそうです。 では、隊長、後で、通信終わります》
向こうは順調やな…… こっちも予定通りや、さて、今の騒ぎで、あちらも気付いたやろし、そろそろ、正面の方は警官隊も突入してる、ここらで、一気に、たたみ掛ける好機やな。
「了解や、無理はすんるんやないで」
と、うちはアルトに言って、無線機を切る、後は建物の奥に進むだけやな? さて、ここからが本番や。
****
???Side
フェリオSide
路地裏に誘い込んだと思ったら、それは罠だった、複数の男達に囲まれての乱戦で僕たちは最初から、勝ち目がなかったかもしれない、だって、僕は手加減をしながらの戦闘で、正直、面倒ながら、何とか頑張っていた、だって手加減無しだと人間とかは簡単に殺めてしまうから、それに、まだ目的を果たすまでは情報が入りやすい組織に所属して時を待ったほうが好都合だったから、こんな事で、僕たちの状況を悪くする行動は慎みたかった。
しかし相手は、獣人や半獣人の混成の襲撃犯でこの手の荒事には手馴れているようだった、マスターに目掛けての攻撃は、どうやらフェイントだったらしくて、僕は、マスターを庇おうとしたら、いきなり電撃が腹部に走ったと思ったら、そこで、僕は気を失った。
(此処は、何処だろ……? マスターは居ない……のか?)
まだ、クラクラする頭を振り、体が少し痺れているのを確認すると、次に、自身の身体の状態を確認する、どうやら、捕獲用の武器か何かで気絶させられていただけで、特にたいした怪我をしていない、手足は、縛られているが、この程度のロープは僕にとっては、ただの紙縄だ、僕は一指し指の爪をすこし伸ばして、ヤスリの要領でロープを少しずつ切っていった、それと同時に、辺りを見回すと、かなり広いこの部屋には、外見の僕と同い年の獣人の子から半獣人の子供達が約20人捕らわれて居る。
(皆、半獣人の子供達だ、みんな無理やり攫われたのだろう、ひどい事するよね?)
みんなは疲れきっていて、中にはさらわれる時抵抗したのだろか? 顔にアザが出来てる子も居るとにかく要保護がいる状態だ。
(皆…… 表情が、虚ろだ、僕が何とかしないと)
まずは、外の見張りに悟られないように、捕らわれている子供達の手足の獣人用の拘束具を破壊する幸い、壊すのは簡単だったので、みんなの目を見ながら彼等を安心させてから、それらの拘束具を僕は丁寧に外してあげた、そして、みんなに目でアイコンタクトで此処からの脱出を伝えると、みんなは黙ってうなずいてくれた。
よし、反撃開始だ、まずは、手前のドアを破壊する、そして、ドアの壊れる音を聞いて、駆け付けて来る奴らを全員倒すただし、子供の前だ殺しはしない。
僕を誘拐したのは獣人攫いか? せめて、僕の手で生き地獄に落としてやる…… 立ち上がって皆に叫ぶ。
「皆っ、目を閉じて!」
子供達が僕の声にならう、僕は右腕を前に突き出し、ドアの空間を<押す>派手な音と共にドアが吹き飛び見張りの一人が巻き添えになる。
「ぐべぇっ」
『なんだぁ、ガキ達の部屋で何かあったのか!?』
『お、おい見にくぞ、警官隊と騎士団の連中が、此処に乗り込んでくるぞ、こうなったら、ガキ共を盾にして、ずらかろうぜ』
と、勝手な事ばかり言いながら、こちらに近づいてくるのが解った、壁にドアごと叩き付けられ、男は気絶する、騒ぎに気がついた、他の見張りが次々とこちらに向かってくるのが、僕の耳に聞こえていた、足音からして、二人くらいその他はどうやら、警官隊と衝突をしていて、こちらに、これないようだ近づいてくる男達の慌て具合からも、それが聞き取れた。
(なるほど、残りは二人か、だとしたら、突破は簡単だね?)
僕は、壊したドアの部屋の死角に皆を避難させると、彼等が近付いて来るまで、待つことにした。
そして、バタバタと彼等が走ってやって来た、僕はタイミングを見計って外に飛び出すと直ぐさまに、二人に襲い掛かる。
「おい、ど…… がぼっ」
「なっ、げぶっ」
はっきり言って、この前戦った人狼より弱いね、ふう、でも数が多くちゃ厄介な相手だ、そして、その他にも足音が聞こえてきたが、マスターの気配がしたので、どうやら、此処も次期に安全になる、安心して、応援の来るほうを見てみるとマスターと保安部隊の人達が目を丸くしている。
だって、扉が半壊していて、大の大人が二・三人廊下に伸びていて、しかも、その大人を倒したのが、半獣人の子供なのだから当然の反応だと思う。
「フェリオ君、大丈夫だった?」
「この子が、フェリオ君やね? よし、この部屋の人質の解放を急げ、後、伸びてる連中の確保や急ぐんや」
「僕以外のみんな無事ですが中には、怪我をしている子もいますので手当てをお願いします、それと、マスター、サポート能力は無事に発動しましたか?」
その声に、素早く途中入隊の隊員が反応して、捕らわれていた、子供達を次々と救助して、安全な屋外に連れ出していく。
中には泣きじゃくる女の子の半獣人の子を励ましながら、建物の外に連れて行く女性隊員の姿もあった。
一通り救助がおわって、僕はマスターの力の変化に気がついて、彼女に、少し質問をしてみる事にした。
「ええ、そうね、少し痛み後に、軽い脱力感が、在って、それも、しばらくしたら、何もなかったように治まったのだけど、その、サポート能力て、いったい何?」
そう、僕は、マスターに僕の力の説明をしていなかった、と言うより、その事を伝え忘れていた。
僕は、説明不足の非礼を詫びて、マスターに、それらの使い方を、彼女の頭の中にイメージとして説明する。
「なるほどね、なんとなく解ってきたわ、まずは、試しにやってみるわね? 武器精製開始、イメージは切れ味の良い剣ね?」
マスターの手に、剣が出現した、やりましたね、サポート言っても、特に大げさなものではなく、それは、僕の核を少しマスターに移植した時から使えるように、なって入るが慣れない状態では、体への負担が大きいので、もう少ししてから、色々教える予定だったのに、今回の騒ぎで、その予定が前倒しになってしまった。
「コホン、あーっ、そろそろえーか? しかし、いや、今は、こいつ等(獣人狩)をなんとかせやんとね」
マスターの横に居た、女の人が僕達に話し掛ける、どうやら、彼女が、このビルに突入した部隊の隊長らしい。
そして、少し、マスターの力の説明を省いた事に少し怒っている気がした。
「す、済みません、エレノアさん」
「ごめんなさい」
僕たちは、二人で直ぐに謝る、しかし彼女は茶目っ気のある表情で、手のひらを軽く振って。
「別に、えーよ、逸れより、フェリオ君やったね? 少し君に教えて、欲しいんやけれど、保護した子達の他にも誘拐された他の子達とか見なかった?」
「いえ、僕の知っている限りは、ここには僕を含めて、20人しかいませんでした」
「そっか、ありがとう、皆、もう少し先進したら、一度、後続の補給を受けて再攻撃や、イリアさん後は、うち等に任せて、フェリオ君と安全な所に下がる?」
「いえ、此処で、彼等を再起不能にしてしまいましょう、エレノアさん、ところで、フェリオ君はアイツ等に酷い事されなかった?」
僕は、知っている限りの事を話すと、みるみる、マスターの顔が笑みを浮かべて…… それは、昨日喧嘩したと時よりも恐ろしく、そして怖かった
エレノアさんも、何やら怖い笑みをうっすらと浮かべていた。
(ま、まるで魔王と破壊神が降臨した用だ……)
「イリアさん、今、うち等の気持ちが見事に、一致しおったな?」
「ええ、見事に、一致しましたエレノアさん」
それについては、僕も同じです、マスターにエレノアさん。
そして、三人は、口々に言葉を出す、それは、第三者が聞いたら確実に震え上がるような表情とある意味嬉しそうな声で、三人は意見が見事に一致していた。
「殲滅、やっちゃて、良いですか?」
「もちろん、無双とか、やっちって良いわよ♪」
「いや、そこは、半殺しやったらな♪」
それぞれの決意が固まり、エレノアさんが命令を下す、後は、ここのボスを捕らえるだけだ。
そうすれば、この組織も自然と規模を縮小して消滅を待つだけだった。
「おーし、直ぐに、犯人共を血祭りするでーっ」
「「おーっ」」
なんだか悪人になった気分だ、僕達は廊下の警備をしている他脚や見張りを片付けながら進むと、そこに、ぶ厚いドアが有った。
僕は、ドアを一通り調べると爪で、分厚い扉を無理やりこじ開ける。
「なっ何者だーっ」
「まじぃ、騎士団の保安部まで、きやがった」
ドアの向こうには、複数の男達とシルクハットとタキシードを着た白髪で小柄の中年の男が口を開く、おそらくこいつが、この、獣人狩のボスだろう?
そこに、エレノアさんの質問が入る。
「ふーん、うち等を見て、まだ解らん? あんたらを捕まえに来た、警官隊と騎士団の保安隊やけど…… アンタがドン・トカレフ?」
「違うわいっ、ドン・マカロフだ!」
男が、名前をわざと間違われていることに気がついて、辺りかまわず怒鳴り散らす。
「まあ、マカロフやろうがトカレフやろが、うちには関係あらへん、おとなしくうち等と来てもらって、あんたらの組織の事とか、色々と話聞かせて貰うで?
ついでに、刑務所って、言う別荘に、ご招待するけど? 大人しくうち等の招待を受けたほうが身のためやで?」
「ふ、ふざけるなっーっ! わっ、ワシが一っ、体何をした? 大体、令状とか、無しに人の施設を滅茶苦茶に荒らしおってからに、そっちが、タダですむと思うなよ? 小娘がっ」
「やれやれ、まだ、惚けんの? あんたら、半獣人の子供達をさろうたやろ? ネタは十分上がってるんや、ここらで往生したほうが身のためやって、教えてあげてんのに、まだ、シラきるん?」
そこに、止めとばかりに、エレノアさんの声に、さらにドスが入る、うん、これじゃあ、どちらが悪い人か判断が出来なくなってきた。
「ひっ、あ、あんな、人間の成りぞこないの奴等何ぞ、ら、ラボや奴隷で十分役立つだろうが!」
「ふーん、ラボも、一枚噛んでんねんななぁ、なあ、ラボ云々は詳しく聞きたいけれど…… さっきの言葉、奴隷云々は取り消す気は……あらへんの?」
「だ、誰が、だ、だ、大体、屑を屑呼ばわりして何が悪い?」
「そっかぁ…… じゃあ、一片逝ってみるか? 冥界に? いや、真っ先に生き地獄が先になるなぁ、じゃあ、ぼちぼち始めよか?」
たちまち顔が青くなる、ドン・マカロフ、そして、彼は小物ゆえのお約束の台詞を口にする。
「こ、こうなったら、野郎共やってしまえ、それと、ガル・ディアスを出せ! 今すぐだっ」
「は、はい、ボス」
手下の一人が、何かのボタンを操作すると、壁を突き破って、一つ目の熊の様な怪物が現れた。
恐らくは、キメラか何かだろう? 僕たちが、そいつと対峙しようとした時いきなり後ろのドアが吹き飛んで来たので、それぞれ、素早くよけた、そして勢いよく、ドアの向こうの通路中から飛び出して来たのは、スクラップになったスパイダーだった。
若い男の人と女の人が、見張り達を蹴散らしながら乱入する。
「隊長、お待たせしました」
「……直ぐに、片付ける」
キメラが二人を睨む、そして彼等も直ぐに戦闘態勢に入るが、僕は一つだけ、このキメラについてこの男から聞きたい事がどうしてもあったので聞く事にした。
「ねぇ、オジサン、このキメラに、オジサン達が捕まえてきた子供を使ったの?」
すると、奴は、差も当然のように、平然と言い返してきた、その答えで僕は完全にキレた。
「いったい、何を聞くかと思えば、そんな事か、使ったのは屑のDNAだけならな? 小僧、まあ、奴等はそのままの方がよく売れるのでな? 化け物は化け物から生み出すのが一番いいが、わざわざ元から化け物なのに、キメラにしてどうする? まぁ、注文があればしたかもしれんがな、うはははっ」
じゃあ、コレには遠慮は、しなくて良いや…… もう、怒りで頭が爆発しそうだ…… またマスターにビンタされるけど…… もう、我慢しなくて良いよね?
マスター?
「うぁぁぁぁぁっ!!」
僕は、叫ぶと、キメラに向かって突進する、キメラのガギ爪が振り下されるがそれを、僕はバックステップで避ける。
キメラのガギ爪はむなしく空振りをし床だけが床のタイルを粉々にして大小の破片になって辺りに吹き飛ぶ、それを見ていた誰もが、僕の動きに目を見張る。
「!」
「……何なんだ、あの小僧は?」
「ば、化け物!?」
僕は、右腕の爪を巨大化させるとキメラを真っ二つに切り裂くと奴は、大量血を吹き出しながら床に倒れ動かなくなる。
後は…… コイツダ、マスターやエレノアさんはもちろん 獣人狩りと言うふざけた雑魚さえも僕の戦う…… 違う、一方的な殺戮の行いに動けなくなっていた、キメラは二度と立ち上がれない、僕は次に、まるで獲物を探す飢えたケモノのように、次の相手を探すと、そこに、さっきの小男の姿が映った、奴は僕の姿を見るなり、恐怖におののきながら無様に逃げ惑っていた。
「うぁぁぁぁぁっ、た、助けてくれーっ、ば、化け物だぁぁぁぁっ」
「ネェ、ナニ……言ってるのか…… ワカラナイナ?」
(爪を構える…… こう言う奴は生かしては、イケナイ…… イキテチャ…… ダメダヨ……?)
「ふぇ、フェリオ君、ダメーッ!」
「フェリオっ、殺したら…… アカン、止めいやーっ!!」
(ゴメン、今はボクハ…… ワルイコ…… で良いよ……マスター)
エレノアさんとマスターが反射的に僕に向かおうとするが、なんて事はない、マスター達が近づいていてくるよりも早く
事を終わらせる、それだけだ。
そう、二人が止めに来る前に…… コイツを殺す…… 僕は腕を大きく上げて腕を振り下ろす、しかし、その時少し陽気だけれど、どことなく油断できない感じの声が聞こえてきた。
「おーっと、おいたは、イケナイナよな? 坊主?」
小男に振り上げた、腕を振り下ろそうとした瞬間、黒い影が、僕の前に現れたと思ったら重く硬い金属が、僕の爪にぶつかる。
僕は、冷たい視線で、前を見ると、目の前に、褐色のオールバックの半獣人が、バスターソードで僕の攻撃を防いでいる。
「……邪魔しないでよ、オジサン?」
「オジサンじやねぇ、お兄さんだっ、つっても、このなりじゃあ、おっさんに見えるか? ま、こまけぇ、こたあぁ、どうでもいいんだよ、それより、坊主、ああ、今は、お前の邪魔するね
特にお前見たいに血が上ってるヤツは……なっ? それに、一応、こんなクズでも俺の雇い主なんでな……」
彼は、そう言葉を、言うと僕を、バスターソードで後ろの壁まで、思いっきり吹き飛ばされた、突然の不意打ちに、防ぐ事も出来ずに、僕は、4・5メートルは軽く飛ばされて壁に叩き付けられた。
「ぐぁっ」
「フェリオ君!? こ、このおぉぉぉぉっーーーーっ」
マスターが武器を、ソードからバスターソードに変えて、男に挑み激しい切り合いが始まるがマスターも、剣の腕は、まだ、目の前の男にくらべれば、まだ、未熟だった。
まるで、男の方が、僕たちに、わざと攻撃を合わせている感じだった。
「悪いな? お嬢さん…… 恨みは無いが、これも仕事でね? アンタも、腕は良いし度胸もある、後、2・3年したら、アンタの剣の相手してやるよ?」
「きゃあっ」
そう言って、マスターをバスターソードで弾き飛ばす、マスターが床に叩き付けられ、2・3回床をバウンドし、転がっりならが、何とか体勢を立て直すとバスターソードを杖代わりにしてかろうじて立ち上がった。
「くっ…… 強い……」
僕は、起き上がろうと上半身を起こそうとすると、僕の目の前に、いつの間にか男のバスターソードの剣先があった。
(コイツ、いつの間に、ここまで近付いたんだ?)
男はゆっくりと得物透きも無く構え直すと、僕を見下ろして、そして静かに話しかけてきた。
「なあ? 坊主、少し頭冷えたか?」
「……」
「俺も、他人に、どうこう言えた義理はねぇが、お前には血生臭い事は、似合わねえよ?」
「……」
僕は無言で、奴を睨み返す、しかし男は、そんな僕の一睨み等、異に返さず勝手に話を続ける。
「それに、お前の力は、一体何の為に有る? お前の守りたい物は何だ? そこの嬢ちゃんか? それとも…… 無理やり此処にさらわれた子供達か?」
男の言葉に皆が男の言葉を聞いていた、その時、首領が近寄り口を開く。
「ガレス、御託はもういい! さっさと、そいつ等を片付けろ、そして、俺を安全なところまで逃がせ、解ったかっ」
「そうだな、さっさと片付けるか? テメェから……な?」
そう、言い終えるなり、いきなり首領の顔を足で素早く蹴り上げる、首領は、宙を舞うと地面に叩き付けられて、痛みにあまりの転げまわる。
「くべぇっ」
「たっく、俺の話の腰を折るな、バーカ」
そして首領は、動かなくなる、たぶん気絶したのだろう、そして、僕も頭が冷えてきたので辺りを見ると、大半のザコは応援の部隊に取り押さえられていたが、この男は、明らかに強さの格が違いすぎるため、皆は迂闊に手出しが出来ないでいた。
「ぼ、僕は、皆やマスターを護りたい、ただ、それだけだよ」
「じゃあ、さっきのは何だ? 俺から見れば、ただの血に飢えた野獣じゃねぇか? 誰かの力になりたけりゃあ、てめぇの力に……振り回されてんじゃあねょ!」
ガレスと呼ばれた男の怒号に思わずびっくとなる、今ので、完全に頭が冷えた。
そして、僕たちに向かって、ゆっくりとエレノアさんが近付いて来る、そして、僕とガレスの間に入って、ガレスと対峙する。
「なあ…… アンタ、さっきから偉そうな言葉吐いてるけど、アンタは何しとんねん? そこらへん、教えて欲しいな?」
※※※※
エレノア・アリアドネSide
いきなり現れた、ガレスとか言う傭兵のおかげで、この男は確かに強い、ただ強いだけや、でも何やこの寂しさ気な雰囲気は? うち等の仲間の何人かが、負傷して床に倒れてうずくまっている、幸いな事に手傷は浅い、しかし放って置いてもいい怪我ではない、おそらく、わざとこちらの追撃を防ぐためにしたんやろ、現に、このアジトから逃げ出してる連中もいるようやが逃げたところで、既に外には大勢の騎士の治安隊他警察の特殊部隊も展開している、逃げ切れんのはこの男も承知のはず? おそらく【報酬分の義理は果たした】んやろな? うちはこの男とは初対面なので、一応、通過儀礼程度の挨拶をしておく、おそらく、この男に【逃げる】の選択肢は無い有るのは、うち等と闘っての捕縛やろ、でなけれければ、こんな奴が、わざわざ此処に留まる理由が見当たらん。
「うちは、ヴァルゼリア公国聖堂騎士団第7治安維持部隊隊長、エレノア・アリアドネや、アンタ名前は……?」
「ガレスだ、よろしくな。可愛い、騎士団の治安部隊の隊長さんよ」
うーん、何か調子狂うわ、ガレスの雰囲気は悪党には不釣合いくらいの…… 説明しにくいけれど、なかなか良い空気が漂っとる。
でも、油断が出来んのも事実やな、まったく、やりずろうてかなわん。
「一応聞くけれど、投降する気は、無いんか? 周り見んでも解るやろ? まともに残ってんのはアンタだけや古臭いけど…… お縄になる気無いか? 今なら、まだ、間に合うで、こんな事で意地張っても、詰らん怪我をするだけや、違うか?」
うちの提案を聞いて、ガレスは呟く様に、之までのことを吐き出すかのように、うちに話してくれた、それはある種の懺悔にも似たような重さのある言葉だった。
「それは、もう、無理かもな? 俺は悪党だ、もう此処まで色々やって来て、これに染まっちまった今更、元には戻れないさ」
「そう言ってるけれど、アンタ、根っからの悪党とちゃうやろ? 人に言えん、一回・二回の失敗やったら、うちにもあるそれに、何で、アンタみたいな人が獣人さらいに手貸したん?
他にするべき事は、沢山あったはずや、違うか?」
うちは、何とか、これ以上の流血沙汰を回避しようと、ガレスを説得しようと試みるが、ガレスは諦めた様に叫ぶそれは、血を吐くような心の叫ぶでもあった。
「ハッ、今更か? そりゃ無理だな? 大体、俺達見たいな半獣人に、まともな仕事有るか? 何処に行っても化け物扱いだ、ろくな飯にありつけず、その日その日が地獄のような生活さ、そして、自棄やけになって気が付いたら…… こんな所で、こんなゲスの用心棒だぜ? ま、半分は、おれ自身の道を踏み外した事が失敗なんだがな? さて、アンタとの話、少し楽しかったが此処で大人しく、投降するのは俺のプライドが許さんのさっ、いくぞ!」
そして、ガレスは、うちに容赦なく斬り掛かって来た、回避はできない事は無いが身体が動かん多分、この男の、これまでの苦々しい思いの台詞がうちをそうさせとる、この男とうちは
よう似とる、生い立ちとかは、ともかく、何処か似ていた。
うちは常に、ある人のために自身を示そうとしてきたし、この男は、完全に悪になりきれないまま、こんな所まで、自分の求める何かを満たされない飢えた心のまま此処まで来てしまった
そして、ガレスの剣がうちの頭上に振り下ろされようとした、まさに、そん時や、アルトがうちの間に割って入った、ガレスの攻撃を押し返して、お互いに、一進一退の攻防を続けていた。
互いに、お互いの剣を防ぎ鍔迫り合いをしたまま、アルトは。
「ふぅ、困りましたね、隊長らしくないですよ?」
えっ、うちらしく無い…… どういう事や? そう言われて、一瞬頭の中が真っ白になる。
そして、次に、うちの目に映ったのは、ガレスに圧され気味のアルトの姿やった、アルトは【夢幻流】の使い手や【夢幻流】それは、俊敏な動きと清流の流れのような動きで相手の攻撃を、防いだり、相手の勢いをそのまま自分の攻撃として、利用したりする攻守のとれた剣術やが、しかし、ガレスの猛攻の前に、かなり手こずってる、そして、二人は闘いながら、うちに語りかけてきた。
「はあぁぁぁぁっ、まったく、闘うときは心を乱すな、とは、隊長の何時もの姿勢でしょう? 今日は、特に貴女が一番、心が乱れていますよ?」
「ふっ、でぇっ! たっく、俺の言ったことを気にしてるのか? いや、お前の所の隊長さんも、たいした、アマちゃんだな? オイ」
二人の剣が激しくぶつかる、なかなかお互いに決定打が出ない状況が続いている、そんななか、レイラは、二人の戦いを見て直ぐ差に【自分の実力では、この男に勝てない】と判断して、アルトにその場を譲っていた。
まったくそんな事にさえ気が付けなかった、自分に腹立たしさと苛立ちを、うちは、自分に覚えた。
けど、うちにも言いたい言葉は有る。
「確かに、ガレス、アンタの言うとおり、半獣人いや、全ての混血の種族には、今は住み辛い世の中やっ、けどなっ、誰もが、アンタ見たいに燻って、へんでっ、それになぁ、人さらいに手貸して、それで満足かアンタは!」
うちは、思わず叫ばずに要られんかった、そして、何度か斬り合いをしていた、アルトがガレスの猛攻に圧されて、ついに、膝を床についた。
「はぁはぁ、中々、やりますね…… 流石に此処で、出会えるとは思ってませんでしたけど、黒の闘剣王」
「ふん、気付いたか? 全くだぜ、俺もこんな所で、噂の夢幻使いと殺り合えるとは…… 夢にも思ってなかったぜ?」
アルトはボロボロや、うちのせいやな、獣人狩とか捕らわれていた、獣人の子供らとか、昔の自分の事とか色々考えてしまう。
うちも、まだ、ガレスの言うとおり、アマちゃんやったな?
余りに、ふがいない自分に腹が立ったんで、自分の額に、グーを入れる、さて、自分の不始末は自分で着ける。
「アルト、それに、ガレス、アンタ等のお陰で気合い入ったわ、サンキューやで、おかげで頭がよう冷えたわ、けど、ガレス、アンタは、うちが全力で倒す」
「エレノア隊長……?」
「ふん、そう来なくてわな?」
そう言って、うちは着ていた、白いロングコートを脱ぎ捨てると身軽になった、ロングコートは対刃コーティングされている一種の鎧のようなものやけれど
正直、うちの素早さを殺すだけの足枷でしかない。
うちは鉄扇を構える、鉄扇の刃が開かれ、舞踏の準備は整った、さあ、舞を舞わせて貰おか、黒の闘剣王ガレス?
「なるほど、その鉄扇……鬼姫か? もう少し、凛々しい女戦士かと思っていたのだが、嬢ちゃんなら、その二つ名も頷けるな、さあ、遠慮は要らん、本気で来い」
「それは、どうも、でも、他の奴やったら、もう一遍言うてみぃ? と、怒ってたで…… まあ、有名な、アンタなら別に怒る気なんてないで、けれど、うちはこう見えて今年で、19や、来年で20になるけどな?」
うちは今正直嬉しいと想った、あの有名な黒豹の傭兵の彼となら、久しぶりに修羅の舞を踊れそうやな?
とっその前に隊長としてやっておかな…… アカン事とイリアさんにうちの秘密を知って貰わなアカンな。
「アルト・レイラ・それに、各班っ、勝手に、手ぇ出したら懲罰や! こいつは、うちが捕縛する」
「「りっ、了解です」」
多分う、ちの怒気に圧されたな、皆には後で謝るわそう思いながら、ベレー帽とコートを脱ぎ捨てる、頭に有る一本の鬼の角、正直この姿見られんのは嫌なんよ、でも、私を産んでくれた両親には感謝してるで。
「イリアさん…… うちな鬼族の子供なんよ、けど……」
そう、言いかけた時イリアさんの口から、想ってもなかった言葉が掛けられる、いまでに、出会った誰よりもその言葉は、うちの心に深く響いた」
「エレノアさん、私は貴女の【友達】に成りたい、その前に…… ガレスさんを救って…… 多分…… いえ貴女にしか出来ないから」
友達に成りたい…… か、本当に…… 変わった人や、普通【鬼】て聞いたら普通は逃げるで、まあ、どうでもいいか、うれしくて、少しこそいばゆいけれど、悪い気はせえへんな。
「ガレス、待たせてごめんな? じゃあ、最後の勝負を始めよか」
「なに、構わんさ、こちらも、ようやく本気になれる相手と出会えたしな、ま、俺にとっても、この勝負いいものだったぜ?」
さあ、始めよか互いに、遠慮は要らんな? 同時に仕掛ける、まさに死の舞踏会や、ガレスは 剣舞うちは演舞や、余りの愉しさに互いに顔が喜んどる、でも何か寂しいで…… あんたの実力はこんなもんか? 激しい斬り合いが繰り広げられたいた、しかし、お互いに決定打を欠いていた。
このままじゃあ、埒があかんな、おそらく、向こうもうちも、まだ、様子見、いや、お互いに楽しんどる、そして、いよいよ、お互いに全力を出し尽くしてくる。
「どうした! それで終わりか? 鬼姫、俺を捕縛するのは止めたのか?」
「冗談ぬかせ、鉄扇が取り柄だけ? これだけやったら、あんまり面白無いやろ? 黒豹」
そう言って、うちは鉄扇を床に捨てる、鉄の重い音が響く、ガレスは少し怪訝な顔をしている、そんな、彼に対して、うちは直ぐに拳法の構えを見せる、鉄扇で倒しても、うちは面白くない、なら、素手と言う意表を突いた闘い方を、アンタに見せてやる。
「おいおい、剣士相手に素手か? いや、誰かの闘い方にケチをつけても仕方が無いな?」
「せやね、ウオーミングアップは、お互いこれまでやろ? さ、本気になった、アンタの剣へし折ったるさかい、全力で掛かってきぃや!」
ガレスは無言のまま突きの構えをとる、そしてうちに突進して来た、うちは、それを見据えると、タイミングを見計らって、カウンターを決める事にした。
「……なにっい!?」
ガレスの驚きも解る何故なら、うちは肘と膝で刀身を挟んでいたからや、そして、ガレスをうちの間合いに引きずり寄せる。
「さあ、へし折るでっ、覚悟しいや!!」
ガレスの剣の刀身にひびが入る、これがうちの、力や、やがて、剣の折れる音がした剣は真ん中から真っ二つに折れた、ガレスは驚いて。
「ほぅ…… やるな鬼姫! なら、俺も少し隠し技を披露しよう」
そう言って、半分折れた剣を床に落とすと中華拳法の様な構えをとる、その構えには、まったく隙が無い、これは、迂闊に飛び込んだらこっちの負けや、だから、次で終わらせる。
「ふーん、剣術は洋式で拳法は中華流かぁ? 随分良い趣味してんよ、アンタ」
「そりゃ、どうせなら、二つをと想ってな、ま、生き残るための切り札って奴さ」
(二つ? 一つのやうて? せやね、うちも、鉄扇と拳法使うしね、隙を狙って一撃で決める)
「そんな事は、どうでもいい今度は…… こちらから行くぞ!」
彼が駆ける、うちと言う獲物に向かって来る、うちはとっさにガードする、次々と繰り出される、その一撃は、今までのとは違いとてつもなく重かった。
(凄い、まるで疾風や防ぐのが、やっとや、しかし、パターンを見極めれば対処はできる)
まるで、拳と脚技の暴風やな【黒豹】の二つ名伊達やあらへん、あらゆる攻撃が嵐のように襲ってくる、それらを、かわして、こちらも反撃をするが決定打が出せずに時間が無駄に流れていく、そんな中、たがいに、軽口を相手に叩く。
「良い動きするなぁ、黒豹、はぁ、うおりゃあ」
「俺について来るとはやるな、鬼姫、しっ、ふっ、はぁ!」
互いに拳や脚を打ち込む、まるで嵐の用に、そして、互いのひじやひざで、それらの攻撃を防ぎ、また、一撃を繰り出すを繰り返す、でも、流石に疲れた、もう、そろそろ仕舞いにしようか?
「なぁ、これから、うちの取っておき(一撃)を、食らわししたる、最後にもう一度だけ、聞くけれど、もう一度、人生をやり直す気い無いか?」
「そうだなぁ、それを望むとしたら、お前が俺を倒せたらな?」
ガレスは目を閉じて静かに言った、彼は此処で敗北を、それも自分が納得のいく敗北を望んでいた、しかし、手加減は出来ん、下手に手を抜いたら、それこそ彼に失礼やし、そんな事うちが出来るはずもない。
「男に、二言は無いな?」
「聞くまでも無いだろ? さあ、俺を捕まえてみろ」
ふぅ、何でアンタ、そんなに不器用なん? そんだけ潔かったら、別の行き方も出来たやろ? 不器用にも程があるで?
「なぁ、うちが…… アンタの想い受け止めたろか?」
「それは…… 告白か? ふふふ、まあ、悪くはないな」
(なっ、なっ、何言ってんねん、それは、うちわな)
「/// アンタが…… 余りにも不器用で…… ほっとけやんからや ///」
確かに、ほっとけやんな、アンタは…… 半獣人で犯罪に手を染める奴はこの国でも珍しくない、まぁ、告白といえば告白か…… うちは頭を振って雑念を払った。
たしかに、うちはまだ、恵まれてる方やろ? 色々有ったけどこうして物騒な仕事してるけど仲間に巡り会えた、ただ彼にはそんな機会が無かったのだろ。
「そろそろ決めるか?」
「もちろん決めよか?」
言葉少なく、相手と言葉を交わし、同時に駆け出す、お互いの急所に、一撃を見舞う、うちはガレスのわき腹に、ガレスはうちのわき腹を狙って来た、おそらく、もろに彼に一撃を喰らったな、余りの激痛に、うちは膝を折る。
「なんで、急所はずしたん?」
さっきのは、下手したら、うちが死んでも、おかしくない一撃やった、しかし、わざと急所を外されて、うちは不思議に想い黒豹に聞いてみる、すると彼は、さも当然のように。
「別に、ただ殺すのが惜しい…… だけだ」
黒豹の脇腹が朱に染まる、あれは、うちが叩き込んだ一撃やった、半獣人は人間と比べて生命力があるため、下手に手加減したら、直ぐに体力を回復されてしまう、だから、うちも本気を出すしかなかった。
「うちは、アンタみたいな強敵を相手に手加減なんて器用な真似出来るか!」
脇腹の痛みを堪えてそう叫ぶ、でも返事が無い、彼は床に倒れこんで気を失っていた、そして、うちも、だんだん気が遠くなっていく、みんながうちに駆け寄って来るのを、うっすらとぼやけためでみながら、ガレスにつぶやいてそこで気を失った、うちが、意識を取り戻したんは逸れから三日後の話や。
「何や、気絶したんか? 案外だらし無いんや…… な……」
また、イリアさんたちが騎士見習いで今回の件で、一方的に事件に巻き込まれたのを上に報告したのと、同時に、カレン・ノア女史の夫のエルウィン・ノアが裏で根回しをして、イリアさんたちの査問会を穏便に済ませたと言うことも、大分、後で知った。
描写を修正しました。




