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氷解の進軍

更新しました。

氷上戦とかしたかったのですが空中艦隊戦中心となりました。


ホーリー・クレイブ艦橋Side

イリア・キサラギSide


季節が変わって、北水晶海の氷も薄くなった。この時を待ちわびたように事態は大きく動き出した。

ドラグニア帝国本国から、巨大戦艦を改装した大型砕氷戦艦が10隻到着し更に増援として海上艦隊50隻の艦船と空中機動艦隊が五個艦隊加わった。

私の指揮するホーリー・クレイブも改装を終え次の戦いに備えている。

そして、先日、紋章皇国軍の正規艦隊が増援として加わり、ヤワト王朝近海には味方の軍艦が溢れかえり、まるで観艦式の様相を呈していた。


「おや、キサラギ司令も艦橋勤務でしたか?」


「ええ、カレンさん。ところで新装備の事なのですが、問題がなければテストを行いたいのですが新装備の調整はどんな感じでしょうか?」


「概ね良好だ、後は実戦での本番のみだ」


そう、殆どの大聖堂騎士団直属の特務艦隊は最新装備の改装に今まで時間が掛かり、そして、連戦に次ぐ連戦だったため、将兵の休息と艦の整備を行っていた。

そして、ドラグニア帝国本国からの増援を待って世界規模での大規模反攻作戦を行うことになった。

そして、その日、ヤワト王朝近海から順次離水していく飛行船間の中に私たちのふねホーリー・クレイブの姿もあった。


「各艦、状況知らせ」


《こちら、シルフィード号、問題ありません。所定位置に付きます》


《こちら、臨時編入艦、スザクや、予定通り、所定位置に付く》


《こちら、セイリュウ、これと言って問題なし、いつでも敵を相手にできるゾ》


ヤワト王朝のアマテラス級を護衛するために建造された護衛戦艦で機動性に優れているのが特徴で、残りのゲンブ・ビャッコ・セイリュウに比べると火力不足が否めない艦でもある。そこで、建造元のノア財団がヤワト王朝の要請で改修をして火力も機動性も向上した艦に改造してしまった。

新装備のテストは良好で激戦に投入されるであろう大聖堂騎士団の空中機動艦隊に優先的に装備されている。

セイリュウはバランスを重視している護衛戦艦で、あらゆる状況下での戦闘を想定して建造されていた。

とにかくスザク・ゲンブ・ビャッコ・セイリュウはハイスペックな艦でサクヤ王女がスザクとセイリュウを一時的にこちらに貸与するのを取り決めてそれがヤワト王朝の御前会議で決定したといいことが驚きだった。理由としてはアマテラス級の調整がかなり遅れている代わりに二隻の護衛艦をヴァルゼリア公国に貸すことで貸しを作っておこうとヤワト王朝臨時委員会で決まったらしい。

で、大聖堂騎士団こちらは戦力が少なかったので借りれるものは借りておこうとなったが、問題は誰が艦を動かす事になるという問題があって、会議の結果、一番激戦区に参加することが多くなるミュラージュ・ウルフ(わたしたち)に任せることになり、スザクをエレノアさんがセイリュウはミカさんが一時的に預かることになった。


そして、北水晶海には既に友軍の偵察部隊が展開をしていて威力偵察を行っている。氷山とかに隠れるもしくは氷山に偽装している敵がいる可能性があるので、偵察部隊はかなり攻撃的な偵察部隊の編成になっている。敵が見つかったら私たちの出番ね。


「敵の様子は?」


「はい、キサラギ艦長、今のところ、パトロール艦隊がちらほらしている様です。もちろんあちらさん(敵)に通報される前に撃破をしているようです」


「司令、味方偵察艦隊より緊急通信です! 妨害電波が酷くて不明瞭ですが、救援要請せいです」


《……こちら……第……201偵察艦隊……現在、敵……至急、応援もと……》


通信の内容から、かなり状況が悪いのが手に取るようにわかる。私は急ぎ指揮下の艦艇を纏めると偵察部隊の救出部隊を指揮を執り現場へと向かった。

※※※※※

ゼウレニア帝国特務艦艦橋Side

ソファ・ブルーダーSide


画面を見ると大聖堂騎士団か反ゼウレニア帝国連合軍の偵察艦隊がこちらの用意していた罠にかかり、面白い良いように、次々と大破している。

笑いたければ笑ういいわ、だって、騎士団に居たころに比べて随分と仕事がしやすくなったし、なにより私の事をきちんと評価してくれる連中がゼウレニア帝国には居る。

それに比べて、騎士団の堅苦しい気質が何より気に入らなかった。何しろ実力主義の割には規律が厳しくて私の能力を生かした裏の【アルバイト】が出来ない、結局、ゼウレニアが秘密裏に接触してくるまで私は雌伏の時を過ごした。それもこれも私の両親が私が能力を好き勝手に使って自由気ままに暮らしていたのに、何を考えてか大聖堂騎士団に私を入れさせてしまうから、腹が立つくらいそれまでの【アルバイト】をやめることになった。

今では帝国の地方部隊の任務が私向けの汚れ仕事とか色々と実りがいい仕事が入ってくるから退屈はしない。


「さて、わたくしの部隊に害意を及ぼす敵戦力はもういないわね?」


「はい、マスター。敵部隊の組織的な抵抗はもうありません」


まったく、面白みに欠けるわね? 内心の落胆を表情かおに出さずに私のコピーに指示を与えていく

部下を私のコピーにしたのはただ単に私にアレコレ意見を言わない人形・・が一番扱いやすいから

それだけの理由で私が指揮を執るこの艦隊には私だけのコピーしかいない。


「敵が必死になって援軍を読んでいたから、そろそろ頼みの援軍が来る頃ね? 盛大に歓迎をしてやりましょうか?」


「イエス・マイ・マスター」


「マスター、我が艦隊の前方0時正面、距離約1万8千に新たな敵影を確認、数15隻、旗艦照合……ホーリー・クレイブです!」


ホーリー・クレイブ、イリアのお嬢さんね? さて、こちらの隠し玉を全て見破れるか愉しみだわ。

私は直ぐ様旗下の部隊に配置に着くように命じた。

レーダーを見る限り敵の数は15隻だが、向こうにはエレノアやカレン等の頭の切れるのが何人かいるので

気が抜けない。


「オペレーター、敵から本艦に何かしらの異常はない?」


「はい、電子戦を仕掛けられている兆候はありません。本艦のマザーフレームへの浸食の兆候もありません」


マザーフレームはこの艦と指揮下の艦隊をつなぐリクンクネットワークシステムで常に情報のやり取りをしている。半自律思考艦や完全律思考艦への指示を的確にするためヴァルゼリア公国首都を制圧した時ノア本社の研究施設を制圧した時に私の艦に装備されることになった。

敵もリクンクネットワークシステムを使用しているが騎士団司令艦のヘイルダムがそれを採用しているが各部隊まではリクンクネットワークシステムはまだ装備されていないのが現状でキサラギ艦隊もそれに漏れずこのシステムを装備していない。


(まぁ、このシステムをホーリー・クレイブが装備していても、あのお嬢さんが機械任せの戦術を重要視しているとは思えないわね?)


「マスター、敵艦隊が攻撃陣系に移行、敵艦隊発砲!」


「脅しをしているだけよっ。それよりも、第7・8・6隊に対応させなさい」

※※※※※

特務機動艦スザク艦橋Side

エレノア・アリアドネSide


流石は敵の試作ステルス艦やね? 光学迷彩にステルス装備は昔からあったけれどセンサーを誤魔化す程度やったのが完全に姿を捉える事が出来ん。でも、でも、光学迷彩故の不自然さは残るから、よう探せば案外見つけるのはさほど難しくない。


「索敵班、待機の揺らぎ、つまり陽炎みたいな現象がないか目を凝らして探し出しや、それが敵のいる印や」


「了解です」


「……見つけました、本艦左舷11時方向に一つ!」


オペレーターの報告で画面を拡大するとそこには陽炎のように何かが揺らいでいるのが見えた。

すかさず、うちは発砲許可を出す。

スザクは内臓式ビーム砲が複数艦前部に集中ているため集中攻撃には向いているが基本的には砲撃戦が不得手なふねでカレンさんが大幅にジェネレーターとか色々強化をしてしまったためかなりの攻撃力を有するふねに進化した。

スザクの艦首から無数のビームが放たれ潜んでいた敵ステルス艦を木っ端みじんに吹き飛ばす。

それを機に虚空から次々と砲撃が開始されるが、それは自ら自分の位置をこちらに教えるだけだった。

ミカさんの駆るセイリュウがここぞとばかりに砲撃を浴びせるが追尾機能を無力化するステルス艦相手では普通は仕留めるのが難しいが、うちらは【目視による砲撃】の訓練を頻繁に行っていたため、敵ステルス艦はかえって良い的になってしまっていた。


《おーし、ガンガン狙っちゃおう!》


《はははは、俺と連携しようぜ、ミカ》


ロバートとミカさんが連携して敵を翻弄しているが、若干、ロバートは踊るのが下手やね? 確実に敵を仕留めているけれど、あれは、踊りというより拳闘士スタイルやね? ヒット&ウェイの基本やね。

シルフィード号が6隻の戦艦を率いて一気に畳み掛けるような砲撃を始めると敵艦隊も一斉に火砲を集中していく、ホーリー・クレイブは部隊中央で拡散レーザー砲による弾幕を張って飛来してくるミサイルを片っ端から撃ち落として、味方偵察艦を救助している。


「よし、粗方敵は片付いたな? あの性悪に降伏勧告や! 発光信号で回線開けと打て」


「了解」


降伏勧告を発光信号と全周波回線であの性悪に呼びかけるが完全に彼方はシカトを決め込んでいて返答の代わりに砲撃をしてくる始末や。砲撃のたびに光学ステルス艦の位置が特定できるのでこちらも容赦なくそれを撃破するが我らがキサラギ司令官は交戦を回避しつつ必死に投降を呼びかけていた。


「エレノア戦隊長、やっぱり、私たちの司令官って【甘い】ですね?」


「エルリック、何や今更? まぁ、あんたはミュラージュウルフ(ここ)に配属されたばかりでうちの指揮官が甘いことに戸惑いとか不安があるやろうけれど、うちはそれでもあの人に付いていきたいんや。うちはいい上官に出会ったんは今の司令官が初めてやな、それまでは国防軍の時は碌な指揮官に出会ったことがなくて、おかげで【味方殺し】のエレノアとさえ言われたで」


そんな連中に比べたらキサラギ司令のほうが幾分かマシやな。味方艦をカバー出来るくらいのシールドシステムを展開して防御に徹底し交戦をしても相手の戦闘能力を完全に奪って戦意を削いでいく戦闘スタイルをいつの間にか身に着けている。

そして、ついに性悪の指揮する艦もうちらの攻撃に力尽き黒煙を吹き出しながらふらふらと空中に漂うように浮いているのがやっとの状態になったとき、突然、敵艦が次々と自爆をしていく。


《……甘いわね……キサラギ司令……貴女の様な甘い指揮官に膝を屈する位なら……せめて地獄の道連れにして差し上げるわ……》


「イリア司令ッ! あの性悪、ホーリー・クレイブに突っ込んでくるでっ、早よ逃げろや! 全門一斉射ッ」


突然、性悪の艦が爆発炎上しながらホーリー・クレイブ目掛け体当たりをしようと行動をした時、ホーリー・クレイブの紋章砲が放たれ性悪の艦のブリッジを吹き飛ばした。たぶん性悪もこの一撃で消滅したはずや。最後の最後まで悪あがきをする女やな……。


《こちら、ホーリー・クレイブ、本艦は健在です。ミュラージュウルフ旗下の全艦は被害の報告と残敵の警戒に当たってください。当海域の安全が確認され次第、本体に連絡を》


《《了解》》


沈黙した敵艦で北水晶海に着水している艦を臨検接収し詳しく調べるため曳航することになったので、残存している敵艦の内部に潜入したら、そこらじゅうに性悪ことソファ・ブルーダーのコピーが倒れていたので念には念を入れて厳重監視の元、医療班に任せる事になった。

もちろん、彼女らにはソファ・ブルーダーの意思はない命令されるだけの人形やった。

でも、流石に捨てられた子犬みたいな目をしているのをわざわざ殺すのも目覚めが悪いし後味も悪い。

面倒やけれどカレンさん預かりになった。

当のカレンさんはこの件を興味深げに色々生き残ったコピー達を調査していた。

余談ではあるが、それらのコピーを再調整してそれぞれに自我を与えたりとアフターケアまでしているのがカレンさんらしかった。

次回不定期ですが更新を頑張ります。

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