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つかの間の休息

諸事情で投稿が遅れていました事を深くお詫び申し上げいたします。

イリア・キサラギside


ヤワト王朝は数日前、我々連合軍に降伏を申し出てきた。

また、ヤワト王朝国王は行方不明となり、現在国王の身柄の捜索が続けられているが未だ発見には繋がっていない。そんな中、サクヤ殿下を始め、旧ヤワト王朝の高官が、ドラグニア帝国皇帝親衛第7艦隊旗艦【グラン・バハムート】に集まるように、との、通達があった為、私達も警備に借り出されることになった。迂闊な事は言えないが、どうやら、グラン・バハムート艦内で、これから、この国の処遇を決める内容が言い渡される。一指揮官に過ぎない私は旗艦周辺の警備部隊の指揮を任され、フェリオ君達と厳重すぎる警備に当たっていた。


「フェリオ、艦の周囲の異常は無い?」


「はい、イリア姉さん、僕が感じ取れる異常はこの艦の周囲には無しですね」


フェリオ君の言う通り、今の所、周囲には、異常は無い、このまま、何事も無ければ良いのだけれど・・・・・・。

私は何かこう、言い様の無い不安を覚えていた・・・・・・。

※※※※

ドラグニア帝国皇帝親衛第7艦隊旗艦【グラン・バハムート】艦内会議室side

ドラグニア帝国皇帝:アレウス一世side


艦内の会議室には、私を始めサクヤ姫と付き添いの葉月殿と文官達がヤワト王朝の交渉役として

此方に赴いている。気が重いが、我がドラグニア帝国の【決定事案】を、私は皇帝として伝えねばなない。私の隣にはランスロット提督が控え、ドラグニア帝国側とヤワト王朝側の間に入るように、紋章皇国のティルム殿下と大聖堂騎士団騎士団長のレスター局長とヴァルゼリア公国現国王のヴァイン陛下が我々を牽制するように、また、サラ将軍も此方が用件を伝えるために、わざわざ来てもらった。

紋章皇国側は間に入ってくれている。


「では、これより、我が連合国の貴国ヤワト王朝への降伏の条件をお伝えいたします。もちろん、これは元老院の要求案なので決定権は我がドラグニア帝国国民議会とその議会の最高責任者の私にあります事を予めお伝えいたします。では、まず最初に、いくつかの条件をお伝えいたします。

まず、一つ目は、ヤワト王朝帝都近海に帝国艦隊司令部の設置と乗員の非武装での寄港を認めていただきたい、第二に、紋章皇国と同じく北水晶海の艦船の無害通過です。第三に・・・・・・」


この先、北水晶海を通らねば、ヴァルゼリア公国への最短ルートはヤワト王朝の北に位置する【北水晶海】を通過しなくてはならないが、ゼウラニアス帝国の海上封鎖艦隊が展開しているのと、この季節、北水晶海は分厚い氷に閉ざされ、海上艦艇の通過は困難なものになっている、氷砕艦を連れてこなかったのと、予想より早く冬将軍が到来したので、北水晶海突破は春先まで待たなくてはいけなくなった。

そのため、元老院を説得し何とか、私のドラグニア帝国への帰還は見送られたのだが・・・・・・。


「そうですね、アレウス一世殿の申される通り、不本意ながら、ヤワト王朝に春先まで駐屯するしかないですね」


「まったくだ、勿論、あちらも我々と春先まで睨み合いになるので、当面は此処で英気を養うしかないのが歯がゆいが・・・・・・」


「同感です」


ティルム皇王とヴァイン国王が私の意見に同意して、降伏と停戦の調印式はスムーズにおわった。

帝国元老院も、今回の一件では、余りヤワト王朝や紋章皇国には厳しい内容の条件を出さなかった。

此方としても、遺恨を余り残さないように、戦後復興後の状況がどうなるかは、今はまだ解らない

だから、万が一此方が敗れた時の事を踏まえて、あまり厳しい条件は出さないでおこうと言うのが本音だ。後、最前線に私自ら出来るだけ居続けようと考えていたのだが、流石に元老院の反対意見が厳しく

私の代わりに、ランスロット。フォン・ドラシェル提督を最前線の司令官に任命し、私はヤワト王朝に留まる事になった。また、5時間を掛けての各国の話し合いは特に反対意見も出ず、スムーズに終わり

サクヤ王女一行とティルム皇王一行もヴァイン国王と一緒に会議室から退出し、サラ将軍も退出をしようとしていたので、私は彼女を引き止める。


「ああ、サラ・フェンリル将軍、少し【個人的な話】をしたいのだけれど、かまわないかい?」


「え、そうですね、10分くらいなら大丈夫です」


私は、ランス提督を残して文官達に下がるように命じると、二人に席に付くように促し、二人が座ってから、一呼吸を置いて、本題を切り出した。


「サラ将軍、帝国本国に戻る気はあるかい? 驚くのも無理もないか、君達一族のドラグニア帝国追放については、先帝の浅慮だった、その事を踏まえて、長い時間を掛けて、元老院と議論を重ねた結果

ようやく、君達、一族の名誉回復に至ったのが先日だった。先ほど本国から私に直接連絡があった」


「陛下、それは本当ですか!?」


「・・・・・・」


ランス提督の問いに、私は静かにうなずき返してから、彼女にこの戦いが終ったら、一度帝国に帰国して欲しいとだけ伝えた。そして、穏やかな数日が過ぎて行った。

※※※※※

エレノア・アリアドネside


ふぅ、ヤワト王朝の帝都に来るのも、王国を追放されて以来やね? 市場は賑わって、治安も概ね良好で、久しぶりに自室でのんびりしようと考えていたら、イリア隊長とフィーナ副隊長に部屋から強引に外へと連れ出されて、取り合えず、集合時間まで自由行動に決められて、一人大通りの道をぶらついているんやけれど、姫様が即位してから、まだ、数日しか経っていないのに、治安は概ね平穏で、うちら実質侵攻軍に対しても何かしらのトラブルは今のところ起こっていない、まぁ、ドラグニア帝国のランスロット提督始め帝国の将兵は勿論、紋章皇国も綱紀粛正で組織改革が十分にされているため、地元住民の恨みを買う馬鹿なことはしていない、特に、ランスロット提督は規律に厳しく対応するため、うちらも模範にしたいくらい帝国兵の規律は見事なもんや。


「おや、紅姫ではないか? 久しいな、息災で何よりじゃ」


突然、背後からうちを呼び止める聞き覚えの声がして、うちはまるで錆付いたロボットみたいに

首を、ぐぎぎぎっと振り返ると、そこには、うちが一番この国で苦手としている、金髪の妖孤族の長の

葉月様がうちを見つけ話しかけてきた。

アカン、葉月様を苦手にしてるんは、お酒が入ると絡み酒になったり、とか、するから、とにかく此処は三十六計逃げるに如かずや。

と、か行動に移すよりも早く、あっさりと腕をつかまれた。


「のぅ、紅姫、わっちを苦手にするのは構わぬが、本人を前にそのような事を言うのは、どうかと思うぞ? さて、わっちも、主に言いたい事があるゆえ、ちょっとそこまで付き合え。

それに、悪態は心の中でつく物じゃ、まぁ、主は心まで【ちんまい】のう?」


「むっ、心まで、ちんまいは余計です、葉月様も相変わらずですね?」


葉月様に、幼少期にちょい、いろいろ可愛がられたのだけれど、この人の場合、たまにそれが行き過ぎる事もあるのがたまに傷やな、また、うちに捕縛術やら格闘術を一から叩き込んだ張本人なので

ここは、無駄な抵抗は諦めて彼女につき青事にしよう。


「おっ、そうじゃ、久しぶりに、主の師の氷華の所に顔を出さぬか? あやつも主のことをかなり心配しておったぞ、さて、膳は急げといううしな、ほれほれ、ゆくぞ」


こうして、うちは葉月様に連れられて、武術の師の氷華様の自宅兼道場に赴くことになった。

※※※

氷華邸~side

ガレスside


和風の道場で俺とこの道場主の氷華(ひょうか)殿といい感じの間合いを互いに取りながら対峙している

エレノアの師が此処にいると聞き、彼女がどのような子供時代を送っていたのか、少し興味があったのと、彼女の武術の事も気になっていて、あちこちヤワト王朝帝都内をぶらぶらしながら、武術に詳しい者に話を聞きながら、今日中に、この道場にたどり着き、そこで指南を受けてみることにした。

以前、俺の剣をへし折られたので、今回は素手でのやり取りを教わることにした。

まぁ、エレノアに負けた事もあるが、やはり彼女を支えたいと思った以上、素手でもある程度対処できないのでは話にならないしな? 武器のない状況で戦ったことは何度かあったが、エレノアに負けた時が一番きつかった。

それは今はどうでもいい事だ、俺たちはお互いに試合う前に礼をし、そして、互いに一撃必殺の技を繰り出しながら中々決着が付かないこう着状態になり、道場の静かな空気もあって中々清清しい時間を味わっていた、流石はエレノアの師匠だけあって隙が無い、下手に仕掛けると負けると俺の本能がそう、告げていた。そして、静から動へ流れるような動きを見せる氷華殿に負けじと俺も守り主体の体術を繰り出してみたが、最後はあっさりと床に組み伏せられてしまった。


「なかなか、やりますね。ガレス殿」


「いえ、氷華殿もお見事です」


「あだだだっ、は、葉月様、そんなに引っ張らんで~」


「はははっ、紅姫も、これしきの事で音を上げていては、鬼姫の二つ名が泣くぞ」


エレノアと誰かが、この道場にやって来たようだったので、氷華殿はやれやれといった感じで、戦闘態勢を解き、俺も流石に来客が来ているのに、無粋な真似をするほど礼儀知らずでも無いので、そのまま

今回はこれで終了となった。

あれが、現在、この国ヤワト王朝国摂政の葉月か、エレノアを子ども扱いするくらいの事はあるな?

いや、彼女方がエレノアよりやや子供っぽいか? と、俺が感じてしまうほどだった。


「やれやれ、葉月様は相変わらずだな? そんな事では、紅姫も持たんぞ」


「はははっ、氷華殿も、手厳しい、折角、愛弟子が無事帰って来たのだから、少しくらいは、喜んでも構わないだろう?」


「葉月様! 一体これの何処が喜こんどるんですか? まったく、少しはうちの身にもなって・・・・・・ あれ、ガレス、あんた此処に来ったん?」


ああ、来ていたぞ、まさかお前も此処に来るとは、思いもしなかったがな。この場は、早々に退散をしようと考えていたが、葉月殿が俺にも話があるとの事だったので、そのまま、氷華殿の屋敷の客間に通され、そこでお茶会をする事になった。

※※※※

エレノア・アリアドネside


久しぶりの道場は活気があった、うちが居た頃よりも盛り上がっていそうな気がする。

できれば、もう少し道場内をゆっくりみてまわりかったのやけれど、葉月様に強引に連れられてきたので、気が付けば目の前に、氷華師匠とガレスがおった。ガレスがこの道場に居るという事は・・・・・・ 

あ、そっか、あの時、うちが彼の愛用の大剣をへし折ったから、此処でうちの技の癖とかいろいろ学んでおこうと考えてのことやな。


「お久しぶりです、師匠」


「うん、久ぶりやね、紅姫、やっはり、葉月様にはあんたでも勝てなかったか?」


「違うぞ、氷華、わっちが偶々、市で紅姫を見つけて、此処まで連れてきた。ついでに主とも甘酒でも飲もうと思ってな、なに、昼間は酒とはいかんので、甘酒にしたのじゃ」


と、言いながら、甘酒の入った徳利を持ち出す葉月様に、皆、あきれながらも、応接間に場所を移して

それぞれの近況を語り合ったまでは、良かったのやけれど・・・・・・。

突然、葉月様がうちとガレスを交互に見るなり、「うむ」と、頷いた後で、爆弾発言を繰り出して来た。


「ところで、紅姫、ガレスと言う、そこの半獣人の青年とは何時添遂げるのかな?」


「ぶはぁ!」


「ごはぁっ! けほっ、けほっ、//// は、葉月様・・・・・・」


「もったいない、それ。それはそれとして、確かに、それは気になりますね、紅姫、何時、祝言をあげんや?」


もう、変な事言いうから飲みかけた甘酒を吹いてしまったが、師匠が魔術でうちらが噴出した甘酒を泡にすると、そままま庭にゆっくりと沈めていったので被害はゼロだった。

そこに、見事に前が禿げ上がった一人の鬼族の髭のおっさんが案内されて、居間にやってきた。

そう、うちのおとんのライゾウだ、国外追放されて、しばらくヴァルゼリアに滞在していたが、突然、見聞を広げようと世界漫遊にでて、彼此三年は会っていなかった、ちなみに、強面だが何故か子供に人気があって、旅先の町や村では子供達と写真を撮ってうちら宛ての手紙に送付されてくる。


「おう、紅姫、元気だったか? ワシは相変わらず元気にしておったぞ、おや、葉月殿もご一緒か?

これは、この前、旅の途中で立ち寄った国の土産だ」


「それは、ありがたくいただくとしよう、所で、ライゾウ殿、奥方は息災か?」


「葉月様、おかんやったら、相変わらず元気やで、最近はギザ方面で魔法医として活躍しとるそうや」


おかん事、メリッサ・アリアドネは普段は魔術師兼魔法医として、活躍してる。ただ、うちが、魔術的な素養ゼロなんで、まぁ、安心しながらも「娘に魔術を教える事ができなかった」とボヤイテおったな。それは、まぁ、この場はおいておいて、おとんが来て、お茶を飲みながらうちの自慢話や何時ガレスと会ったのか解らんが、意気投合していて、色々とうちの短所と長所をガレスに教えていたりとか、そのつどうちのエルボーがおとんの脇腹にクリティカルで入った、その後、北水晶海の雪解けまでの間両軍とも動けないのでしばらく時間があると知ると、ガレスと一緒に旅行に行って来いと、回りから提案され、上に許可をとって、ヤワト王朝国の観光巡りに出かけることになった。

不定期ですが更新がんばります。

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