第30話~サラヘの手紙~
文章と人物名の差し替えを行いました
北黒水晶海Side
イリア・キサラギSide
私達とヤワト王朝海軍の戦いは激しさをましていった、私達の戦隊の攻撃で何とか【覇王】を沈める亊ができた、まず覇王の艦橋等の装甲が比較的に弱い部分に目掛けて攻撃を浴びせる、そして覇王は甲板を始め瞬く間に業火に包まれ、指揮系統を失った覇王は無秩序に使える砲頭を使って反撃を行うが、紋章皇国の潜水艦隊の雷撃に次々と沈められて行く、そして、覇王の次に神王は凄まじい戦いを私達に見せ付けた、まさにヤワト王朝海軍の象徴に恥じない闘志だった、しかし、空と海上と海中からの攻撃で神王が巨大な水柱で姿が見えなくなった、その瞬間、凄まじい閃光が辺りを照らし、一瞬海上が真っ白になったと思った瞬間神王の船隊が真っ二つに裂け、大爆発を起こす、そして小型の砲頭が何百メートルも飛び、ヤワト王朝海軍の駆逐艦を直撃して爆発した。
これで、ヤワト王朝海軍は二つの守護神を失い、全軍総崩れも時間の問題かと思われたが、神王の爆発の爆炎を利用して海王を含む数隻の艦艇が脱出をし、更に追撃に移ろうとした時に、ヤワト王朝軍の暗号で極秘の島で新兵器の起動と島の住民の抹殺を行うとの内容の暗号が送られてきたため、私達ミラージュ・ウルフにその島に向かう命令が入り、本体と別行動を取りながらその島にむかった。
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ドラグニア帝国ギザ方面治安維持軍駐屯地Side
リムル・フェンリルSide
わたしはサラ・フェンリルの妹でリムル・フェンリル、今、我がドラグニアギザ防衛隊はギザ砂漠北部にいるレウレニアスギザ方面進行軍残党と戦いをしている、現在彼等は以前ほどの烈しい攻撃はしてこないが、まだ、かなりの戦力が残って居るため、新たに本国から七個師団が増援として送られて来た、わたし達もその中の一つだ。
赤毛のショートポニーが部屋の中に吹き付けて来る風になびく、姉は今どの辺りだろか? もう海峡を越えただろか? こちらの喧伝放送ではヤワト王朝海軍は海軍の守護神とも言える富士型双胴戦艦を全て失ったそうだ、しかも、姉が一目置いているイリア司令の指揮する艦隊に敗れたそうだ。
「しかし、新人の司令官にしては物凄い成長ね? もし、わたしの階級が将軍だったら、大聖堂騎士団からヘッドハンティンしたいな♪」
「おい、リムル、何時まで下らん妄想をしている?」
ツリ目で長身の赤毛のロングヘアーの女将軍が入って来た、わたしのこわ〜い姉で名前を……。
「エルフリーデ・フェンリルだ、あと独り言なら、聞こえぬ位で喋らないか?」
「はぅぅ……」
そう、わたし達三姉妹の中で一番怖くて、男運が無くて、そして根暗な、わたしのお姉ちゃんで。
「悪かったな、後、男運が悪いのでは無いぞ?」
「うぅ…… ! お姉様、所で、今、わたしサラお姉様に手紙を書いてるのですが、何かサラお姉様に言づては?」
お怒りモード全開の姉様には勝てない、だから話題を代えてしまおう、サラお姉様には甘い所があるからね? エルフリーデお姉様は。
「そうだな? 並ば一言一句聞き逃すなよ? おほん!」
「もぅ、勿体振っちゃって……」
紅く頬を染め、恐らくサラお姉様の事を思い照れているのであろう、我が鬼姉は、わたしに代筆をさせる。
「では頼むぞ【親愛なる、我が妹、サラ、恐らくこの手紙を受け取る時にはお前達はヤワトの近くまで軍を進めているはずだな? こちらも、ようやくギザ方面軍の攻勢が落ち着き各市内は平穏を取り戻しつつある、私達が最初、ギザに派遣された時は酷いものだった、砂漠の熱さで砂漠に慣れていない兵士達が体調不良で倒れ、軍医達が引っ切り無しに対処していた、今は、その問題も解決しつつある、そして、サラ、無事に還って来いよ? 今度こそ、ランスとの約束の顛末を聞かせて貰うぞ? 最愛の妹サラ・ファイルへ、姉、エルフリーデ・フェンリルより。】で頼む」
黙って手紙を静かに書き上げる、わたし自信は自信の近況報告を簡単に済ませた。
【ヤッホー♪ サラお姉様、元気でしていますか? ランス提督とは仲良くしていますか? 余り提督とケンカしないで下さいね? ではでは〜♪ P.S. わたしは、あーつーい砂漠で、溶けそうです、嗚呼、今は涼しい所に居るサラお姉様が少し羨ましいです】
書き終えると、使い魔を呼び出して、書菅に入れた手紙を渡し、わたしはお茶を入れて一息入れる事にした。
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旧ヤワト王朝黒水晶島:収容所Side
サラ・フェンリルSide
海戦は我々の勝利で幕を下ろした、しかし、流石はヤワト王朝の最強の戦艦達だった、しかし紋章皇国の潜水艦艦隊や我々に合流して来たドラグニア帝国海軍の奮戦もあって、その大半は海に沈んでいった。
「それにしても、作戦の途中で思わぬ収穫があった物だな? カオス。」
「はい姉さん、全くの偶然でした、まさか海図に載っていない島が近くにあったとは。」
そう、偶然、敵の暗号を解読して、そこで【アマテラス級の護衛戦闘艦】を建造していて、秘密りに就役させる予定で、その建造には多くの捕らえられた人々がそこで働かされていて、四艦就役と同時に彼等を抹殺する手筈と言う内容だった。
(しかし、ずさんな暗号だったな? まるで助けに行けと言わんばかりの物だ、まさか、ヤワト王朝でも、内部分裂が起きているのか?)
勿論、私とイリア司令達とサクヤ姫の指揮する臨時の救出部隊が編成され、立場上サクヤ姫が指揮を採る事になった、そして、その島は大した戦力も無く呆気なく我々の攻撃でに陥落した、まるで我々に収容所の人々を業と救出させさせる為かの様に。
「失礼いたします、サラ司令、司令宛てにお手紙が届いています」
「そうか、ご苦労、下がっていい」
縦卒がフェンリル家の家門入りの封の入った書菅を私に手渡す、私はそれを受け取り、手紙に目を通し……。
「/////// ば、ば、ば、な、な、な、っ、何を言っているのだ! 姉達はっ! だ、だいたい、ランスが、わ、私に…… ほ、本気で、いや、彼に、その、ごにょごにょ……。」
「サラ姉さん? 誰かーーっ! 氷水を! 姉さんしっかりっ!」
その後の事は覚えていない、カオスいわく、まるで茹蛸の様な私が艦橋ないで、一人延々と朱くなっていたそうだ。
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イリア・キサラギSide
収容所の人々が解放されて、しばらくは私達は残務処理に追われていた、そんな中でも、子供たちは明るく日々を過ごしていた。
「あはははっ~ま~てっ♪」
「よーし、負けないぞ!!」
フェリオ君と子供たちは元気に集落の広場を走り回っている、何だかんだ言ってもまだまだ、フェリオ君も子供だ、そして違う意味で無邪気に遊んでいる人が一人・・・・・・。
「モフモフモフモフ~っ♪」
「ひゃん! くすぐったい~」
「お兄ちゃん、ボクもなでなでしてよ~。」
アルテミス少佐・・・・・・ エレノアさん達が居ない事を良い亊にすっかり子供たちと打ち解けていた、さて、私が一応釘を打って・・・・・・ あれ、何だか立ち眩みが・・・・・・ 急に目眩を感じて額に人差し指を当てて、木陰の下にある大きな石に腰を下ろす。
〈イリア、貴女、大丈夫なの?〉
〈えっ、アイリス? でもどうして?〉
そう、私の周囲は真っ暗闇に包まれ、以前私にフェリオ君を託した彼女がそこに立っていた。
〈イリア、貴女、身体の方は大丈夫なの? 〉
〈え? あっ!〉
自分の体をよく見ると片腕が異形の物に変化していた、慌てて腕を掴んでみると、まるで怪物の腕みたいな感じだった。
「もしかして、アイリス、私はこのまま・・・・・・・」
〈かもしれないわね? でも、貴女の身体の限界が近いのかも知れないわね? いい、あまり【力】に頼らないでね? あと、アレス様に診て貰うと良いわ〉
そう言うと彼女の姿が霞がかって消えていった、そして、辺りを改めて見回すと私は木陰の下の石に腰を下ろして眠っていたらしい。
(白昼夢にしては、良く出来ていたわね?)
とにかく、一度アレスさんに診て貰うとしましょう、私は両手を伸ばして背伸びをしたあと気分を切り換える為に村を歩いて回る亊にした。
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エレノア・アリアドネside
うちらは、今この島の秘密ドッグの最下層に来ていた、エレベーターで降りるとそこにはヤワト王朝の文字で壱・弍・参・四と書かれてあった、全く漢字で数字を書くか? 今時、普通に1・2・3・4って書けっ!
「はぁ、漢字のせいで頭がくらくらしおる、明日は頭痛やな?」
「フム、エレノア、そろそろ【漢字】を覚えてはどうだ?」
カレンさんが眉間に人差し指を押し当てて、うちをチラリと見る、うーん、でも。
「イヤや、あんなカクカクした文字より英文の方がええ」
「まあ、まあ、エレノア様、それよりこの艦達は一体?」
サクヤ姫が驚きながら、4隻の艦を見上げていた、まず赤い艦は高機動性高い艦やな、そして対の青い艦も恐らく同型艦やな? 流線型の鳥の様なデザインに数多くの武装、そして、白い艦は小型ながらも四基の無人攻撃ユニットを搭載している、どうやらこのユニットがシールドの役割をはたしているみたいなかんじや、最後の黒い双同の空母はかなり起動していたら厄介な相手やったやろな?
「しかし、気になるな?」
「何がですか? エレノア副司令」
リガティがしかめっ面のうちの顔を見てどうしたのか? と訪ねてきた。
「いや、うちらが、この島を簡単に制圧出来たのは、どうも上手く相手に乗せられたきがするんや、もしかしたら、罠の可能性も考えた方がええかもしれへんな?」
「確かに、そうかも知れませんね?」
うち等は真剣な面持ちで頷きあった
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???Side
ヤワト王朝帝都某所~Side
ふぅ・・・・・・ 時々この都の重苦しい空気が堪らなく嫌になる、わっちが幼子の頃は、まるで楽園の様にも思えたんじゃが、今や魔物の巣窟になってしまいよった、実に嘆かわしい話よ……。
(葉月様、【会食会】はどうでした?)
何処からともなく、優希の声が聴こえてきた優希は、わっちの密偵の一人で、他の【話の解る者達】との連絡要員で国王派の監視を命じている、ただ、普段は元気なやんちゃ娘の外見そのままなので、密偵には向いていないかと思いきや、かなり優秀じゃった。
「俗物共の出す酒は不味い、やはり、わっちの口に合わん。」
(確かに、余り美味しくないですよね?)
そう、既に国王は、このヤワトを見捨てる算段をしており、また、反国王派の中には唯一王族の中で王位継承権を持つサクヤに戦争責任を押し付け、サクヤをドラグニア帝国への生け贄にするつもりらしい……。
(同感じゃな、さて、屋敷に戻って、飲み直すとしようかの?)
しかし、まだ、わっちらは動けぬな? せめて、サクヤの母つまりわっちの親類に当たる夢月が国王派に事実上【人質】となっている為、迂闊に此方から手出しは出来ない。
(そうじゃな、動くなら、連合軍が乗り込んで来た時が勝負時じゃな?)
わっちは月を見上げて、サクヤ達が来るのが待ち遠しかったが、それは、わっち等の住んでいる都が戦禍に呑まれると言うことじゃ、もし、わっちが使者として赴く事が出来れば、必死で戦火の回避に務めようが、無念な事に流れは本土決戦の様相を呈していた。
次回更新をがんばります。