第3話〜契約と邂逅〜
1話から3話まで、描写および文章の修正をいたしました。
第3話〜契約と邂逅〜
イリア・キララギside
私は倉庫区画に無事に着いたとりあえずは13番倉庫に入る。周りを見渡す。
中は酷い荒れようだ、まるで何かが暴れ回ったようだった。
不意に、後ろに気配を感じ振り返るとそこには、一匹の人狼が居た
私を獲物として見ているようね?
私は落ち着いて、狙いを定めてから銃の引き金を引く
狙いは、正確にそして奴を仕留めるはずだった……
しかし、奴は臆する事無く私に向かって来る
時には、フェイントをかけ床を蹴りながら
奴は壁や天井の鉄柱等を踏み台にして襲い掛かって来た。
「!!」
咄嗟に、その場を飛びのいて攻撃をかわす。
「ガァァァァッ!」
両腕を振り回し襲い掛かって来る、まるで、チャンピオンのボクサーの様だ
とてもじゃ無いが避けきれない
突然腕を床に叩き付ける床のコンクリートが破片を撒き散らす。
「キャ……」
破片で目尻が切れた、少し血が出ている、今までとは違う
どうやら、こいつがリーダー?
いや、軍隊で言う所の小隊長クラスのようね。
(こいつ…… 強敵だ、油断出来ない!)
銃を構え様としその時、奴が私目掛け飛び掛かって来た
ダメ避けきれない、ドッサと私は押し倒された、よだれが頬にべったりと垂れ落ちてきて
かなり気持ちが悪いと、ただでさえ恐ろしい怪物の狼の顔が目の前に迫ってくる
でも、こんな二度と、やりたくない至近距離での零距離射撃なら、確実に私でも倒せる
私は、意を決して怯まず撃ち返そうとした時奴が、その大きな口を開け噛み付こうとする。
「い、嫌ーっ!」
咄嗟に右手で顔を庇う……ガブリと鈍い音がして
凄まじい激痛が私を襲う、右手に生暖かい赤い液体が物凄い量で流れ落ちる
噛まれた、奴の刃がかなり腕に食いこんでいる
そして。
「――っ!」
私は声に鳴らない、悲鳴を上げる
よく見ると私の腕が、く・い・ち・ぎ・ら・れ・た!
血が溢れ出す痛みで気がおかしく成りそうだ
いや、もう気がふれたかったが……
運がいいのか? 悪いのか? 私は辛うじて意識を保っていた。
(な、ナイフを使って戦わないと……)
次の瞬間脇腹に激痛が走る、足で思いっきり踏みつけらているので
身動きが取れなくなった。
「ガハッ……っ」
もう、ダメ…… 意識がボンヤリして来た、そこに少年が現れた
私は声を振り絞り彼に逃げる様に叫ぶ。
「だ、駄目…… に、逃げて!!」
しかし彼は、逃げる所か、あらうことか魔物に向かって行く
静かにそして、ゆっくりと。
(ダメ早く逃げてっ)
私は祈った、少年が無事に逃げる事をそして助かる事を
しかし、それは別の意味でその願いは裏切られた。
(う、嘘……!?)
そこには、動かない二人はまるで居合を決めた剣士の様だった
やがて、人狼が静かに倒れる。
そこで私は気を失った。
(私死ぬのかな? お父さん…… お母さん…… ゴメンなさい……
お二人の分まで、長く生きてお二人に会いたかった……
それからカール叔父さん…… わがまま言ってゴメンなさい……
もう少し早く軍を辞めて…… 叔父さんの心配の種に成らない様にしたかった……です
少しだけ、悔いが、有るならお父さんとお母さんの事故死の事もっと調べたかった……
穏やかなあの日あの時が懐かしい……
あの日に戻りたかったなぁ……)
そう想いながら私の意識は闇に墜ちる…… そうまるで深い海の様だ……
不意に景色が変わる全く記憶に無い風景だ。
あれはさっきの男の子?
それに、あの女のは?
私は彼に近付こうとした……
その時だ、いきなり沢山の大人達に囲まれる
そして何かを話してるが解らなかったが
彼を非難しているようだ……。
よく見ると周りの人は皆歴史の本でしか見たことの無い服を着ている。
「―――!!」
「―――!!」
大人達が何かを叫ぶが、聞き取れない、そして、少年は踵を反して
彼等から去っていく。
そして、いきなり目の前が白い光りに包まる
やがて、光が収まるとそこには、大きな大木があって
少年以外辺りは誰も居ない。
「眩しい……」
彼は…… 先ほどの少年だ、なぜか一人で泣いている。
「ねぇ君どうしたの?」
私は、思い切って、彼に声を欠ける彼に触れた瞬間
私の脳裏に誰かの記憶が流れ来る。
(これは、少年の記憶?)
その光景は酷いものだった……
彼は何処に行っても、まるで疫病神扱いだ
そして、当ても無くただ独り世界を放浪している
その度に、繰り返し、あらゆる種族に何かを罵倒されていた
あまりの酷さに心が痛む。
何故彼がこんな目に遇うのだろう?
どうして誰も助け無いのだろう?
心が痛い…… 胸が苦しいそう思ったら、自然に涙が流れて来た同情ではなく
余りの理不尽さから来る哀しみだった
何かの気配を感じ周りを見ると前方に巨大な獣がいた。
−−巨大な狼の胴体と狐の頭、私彼を知っている子供の頃、読んだ童話に出て来る魔物だ。
でもそこに立って居る、彼は怖くなかった…… どちらかと言えば勇ましい聖獣の様にも見える
そして目はとても優しかった。
童話では、子供達をさらって食べるとか?
お姫様を惑わして勇者に倒されたとか、そんな話しばかりだ
彼が近づいて来る、私は彼に近づく。
私は聞くべきでは言うべきでは無い事を言った。
「貴方は地獄の門番? それとも案内者?」
少し心が痛むがそれでも、聞きたかった何故なら
さっきから私と彼のいや……
全てが漆黒(真っ暗)だ。
そんな私に彼は姿をあの少年に変える。
「もし此処が冥界の入口なら、僕では無くケルベロスの筈ですよ?
此処は貴女の深層世界です。」
深層世界?
私は混乱して首を傾げた?
少年は話しを続ける。
「貴女は、まだ死んでいません
現実の貴方の傷を治して
僕の方からこちらに出向きました。」
私は、キョトンとした私は、まだ混乱して居るの
が面白いのか、彼は少し苦笑する。
一体、何がそんなに可笑しいのだろうか?
私は少し苛立つすると彼は少し心申し訳なさそうに私に謝りだした。
「済みません、貴女が、つい訳が解らない顔をして居たので」
「別に構わないわ…… 逸れよりも何故こう成ったのか教えて
蒼き獣王……で、良いんだよね?」
少年は驚いた顔で私を見る……
正直にカワイイと思った。
「すみません、貴女と契約をしたいのですが?」
契約? 何で…… 私と?
「実は、貴女の怪我が……」
(そう言えば…… 現実の私の状態忘れてたー!!)
「す、ストッープ、お願いだから……
それ以上言わないで……」
これ以上聞いたら卒倒する……
こんな少年の前で倒れたくない。
「ご、ゴメンなさい。」
彼は少しびっくりして私に謝ってくれた。
「私の方こそごめんね、突然大声なんか出して」
少し慌てた私の方が恥ずかしい。
「では良いですか?」
彼が私に問うでもその前に聞かなければ。
「何故私なの?」
一言そう告げる。
彼も一言。
「貴女の心は常に平穏を安息をそして、大切な人々を想い続けていました」
彼も私の心に触れたんだ。
なら、おあいこだ…… 迷う必要なんか無い。
「我が名はフェリオ! 汝の中の心に問う!」
私も応える。
「我が名はイリア! 我も汝に問う!」
「「我が二人、想いは同じ共に永久とわの安息を共に求めん!」
「これで契約は終わりです…… マスター」
(貴女は戦い向かない人だ…… 僕が護りますマスター)
「マスターて何だか //// 少し恥ずかしいな」
(フェリオ君は戦っては、ダメ…… 私が変わりに戦う!)
二人のそれぞれの想いに二人は気付かない。
「何だかとっても眠くなって…… 来たよ、フェリオ……」
急な眠気にその場に倒れる。
「それは僕も、同じですマスター
魔力をお互いに、使いすぎましたから……
お休みなさいマスター」
(フェリオ君…… お休みなさい)
そして今度こそ私は深い眠りつく。
4話から6話の修正に取り掛かります。