第20話~事件の裏で・・・・・・後編~
修正をいたしました。
すみません
タイトルの話の数字は編集をしながら直していきます
レイラ・フォーエルSide
研究エリアに敵が進入との報告を受け、研究エリアに向かう途中でブラッド・フェンリルの戦闘部隊と交戦に入る。
「……邪魔よ、少佐」
両手足のルーンを解放して、襲撃者達を文字通りサンドバックにする余り時間はかけられない。
そして、ようやく研究エリアに着いた私の目に映った光景にリフィアが血を流して倒れてる……撃ったのは、兄のレナード・ウォードだ私は迷わず彼に飛び掛かった。
「よくも、リフィアをっ」
「ほぅ、よく、吠えるな? ホムルンクルス風情がぁっ」
私のパンチを片手で受け止める、そして私は簡単に投げ飛ばされた、しかし私も素早く受け身を取って間合いを取る。
「……くっ」
「ならば、今度はこちらから仕掛けるぞっ」
彼は愛用のモーゼル拳銃を正確な射撃で私を狙い撃つ私は壁や天井を文字通り【踏み台】にして弾をかわす、しかし左頬を弾が掠める左頬から血が流れるが今は、リフィアを助けるのが先だ、この場から早くリフィアを安全な所で治療しないと。
「リフィアを助けるのが目的か? ならかなりの期待ハズレだな……ん?」
「!!」
感づかれた! なら速攻で倒すしか無い空気を拳と脚に纏わせてそれを一気に放つ【ソニックブーム】だしかしリフィアを巻き込まない様に威力をかなり絞って放つ為余り殺傷力は無い。
「その程度のソニックブームは、俺の家の剃刀レベルだな?」
「いちいち五月蝿い」
両腕をクロスさせ、一気に交差させてソニックブームを放つ、レナードの上着のコートを掠めるがレナードから先に私に目掛けて仕掛けて来た。
「さあ、少しは愉しませてくれよ、ホムルンクルス?」
「……くっ」
リフィアを見るとまだ、息は有る…… 絶対に死なせはしない。
****
エレノア・アリアドネSide
迎賓館から戻ると、アルテミスが騎士団施設の研究エリアがブラッド・フェンリルの襲撃を受けてると教えてくれた、しかもヘリ部隊まで、手っ取り早く真っ先に手配済みや、さて、じゃあド派手なパーティと洒落込もか?
うち等を乗せたヘリ部隊は空港から次々と離陸していく、市街地を最短で抜けて騎士団施設が見えて来た。
《なんやっ、まるで戦争やな……アイツ等、此処まで派手にやるか? 普通。》
施設は、かなりの被害が出ていた所々で黒煙や火が激しく燃えている、インカムを使ってアルテミスに話し掛ける。
《目茶苦茶やりやがったなっ、イリア隊長達無事かな?》
《当たり前や、アルテミス、逸れよりアンタに【コレ】貸しとくで》
うちの拳銃を彼女にかなり強引に預ける、うちより射撃が上手いアルテミスの方が持っていた方が良いやろ。
《エレノア、まさか丸腰で戦う気でいるのか?》
《アホかっ、アンタに一旦背中を預ける、それとそれ後で必ず返して貰うで、ええな?》
降下ポイントでは敵がわんさかと居る、排除してから降下やな、実際、こっちにもライフルの弾が飛んできてパイロットの巧みな飛行で避けている。
《パイロット、ミサイルを叩き込めっ》
《了解》
対地ミサイルを敵に目掛けて発射する、たちまち爆炎が起こり敵は混乱状態になる今やな。
《アルテミス、行くでっ》
《了解、さてパーティやりましょうか?》
降下用のワイヤーを使い降下する、待ち伏せを警戒したがどうやら取り越し苦労のようやな、何故ならあちらさん帰り支度のようで、こっちに構う暇が無いようや。
「エレノアさん! 伏せなさい」
彼女は怒鳴り声と同時に反射的に、うちを突き倒して地面に伏せる、やはり待ち伏せがいたらしい。
「あてて、どうやら、退屈せんで済みそうやな?」
「ええ、久しぶりに腕がなりますね」
互いに背中を向け合い襲撃者と対峙する、敵の数は20人位かなら強行突破やな。
***
研究施設広場Side
アルテミス・ガーネットSide
さて、久しぶに活躍出来そうね? 二丁拳銃を構え背中越しに、私はエレノアさんに話し掛ける。
「エレノアさん、先にいけ、此処の雑魚は全部私が片付けるわ、別にいいわよね?」
「……判った、せやけど、負けたら、笑うで?」
はぁ、やっぱり、そうなるわね?
「……三でやるか? エレノア」
「OK、三やな? ええな、アルテミス」
数を数え【三】で飛び出すエレノアの鉄扇で何人か倒れる、当然敵も体制を立て直し反撃をしようとするがそうは問屋は下ろさせない。
「しかし、見事に囲まれたな、だが私の前では無意味ね」
「「ふざけるなっ!!」」
一斉に私に目掛け向かって来る、だから無意味なんだその戦法は、素早く両腕を左右に広げまるでダンスでもするように射撃をする、しかも私の踊りは弾が尽きるまで終わらない次々と敵は倒れる。
勿論、急所は外してあるから、死ぬほど痛い怪我で済んでいる。
「さて、お次は誰?」
と考えていたら背後に殺気を感じる、ちぃ、油断したか!?
「あーあーっ、油断なんて貴女らしく無いね♪」
声と同時に倉庫の上から敵が落ちる、見上げると白い髪の毛の猫又が立っていた、よく知ってる人物だった、ミオの姉の【スズネ】だった。
「ヤッホー、アルテミスに、紅姫♪ 周りの物騒な連中を片付けておいたから、お礼にモフモフじゃあなくて、尻尾に着ける新しいリボン買ってね♪」
「前にあげたやつは?」
「はぁ、あんた相変わらず、モフられんの好きやね」
子供の時に、尻尾を撫でたり、頭を撫でて可愛がってから、かなり俺に懐いている、誕生日プレゼントに尻尾に着けるリボンを送ってやったはずだが?
「ごめんね~♪ さっき、あのリボンダメになっちゃた、テヘ♪」
「判ったから、今は頬ずりはやめなさい、あと何でコート姿だ? 普通は忍者の衣装だろ?」
そう、密偵といえば忍者衣装が定でしょ? それでもヤワトの密偵なの?
「だって、あの衣装で街中歩いてたら、お巡りさんにまず叱られるから、それでこのコートなの」
「さて、おふざけは此処まで、さあエレノアを追い掛けるわよ」
「そうだね? まずは彼女を助けないとね♪」
そうして、二人してエレノアさんの後を追い掛ける。
****
研究施設A棟Side
フィーナ・ローズウッドSide
「一斉射撃撃てーーっ!」
私の号令で銃騎士隊が射撃を開始する、しかし奇妙だ彼等の目的がわからない制圧が目的ならもう少し大部隊のはずだ私の頭の中に何かが引っ掛かる、やがて私の元に伝令兵がやって来る。
「フィーナ副隊長、エレノア参謀が、ご到着されました」
「報告ご苦労様、後は休んで下さい」
「ハッ、了解です」
彼と入れ代わりでエレノアさんが私の元に来る。
「フィーナ副隊長、お疲れ様です、大丈夫やった?」
「まずまずって所ね、外の敵はあの連中だけでも……」
「施設の中は多分敵だらけ……やな?」
何とか入口の前に居る敵を片付けたいけど、向こう側の数が多い、どうやらこちらが本命の様だ。
「おまけに、向こうは吹き抜けみたいな造りでこれ以上進むと十字砲火が来るな、空からの援護はたのんだん?」
エレノアさんの意見はもっともだが、このエリアには小型の化学物質のタンクも複数ある、もしそれらを破壊したらそれこそ大惨事になる。
「せめて空から攻撃が出来れば……」
無線機から、聴いた事のある【声】が聞こえるけっして聴くことが出来ない【声】が。
《空からの援護が無ければ、何も出来ないとはな……とても私を倒した者の台詞とは思えんな?》
「そんな、何故貴女が?」
「リガティ、アンタまさか脱獄したん?」
エレノアさん、そういう問題でも、と言いかけた時私は初めて【黒豹】を見た。
「いや、局長から恩赦だそうだ? エレノア」
「ガレス!? アンタもか…… 恩赦って、国王陛下のご意思で出るものやから……」
「ああ、お前達に【協力】すれば、良いと言われたぜ、レスター局長にな」
エレノアさんが小声で『あの、タヌキ……』と言っているが聞こえないふりをしよう。
《ミュラージュ・ウルフ飛兵隊、攻撃開始!》
空からリガティさんが機関銃の一斉射撃を開始すると彼等も反撃を開始する、それに合わせて、私達も突撃を開始、戦闘は約30分くらい続いていたが、綾人さんが、猫又の女の子と駆け付けて来て直ぐに片付いてしまった。
「よし、これよりミュラージュ・ウルフ陸戦隊は研究施設の奪還を行う、攻撃開始っ、各自私に続けっ」
「「オーーッ」」
リガティさん達飛兵隊とアルテミスさんに猫又のスズネさんが合流して来た、騎士団の増援部隊に地上の方は任せて、私とエレノアさんとガレスさんと制圧部隊で施設内に突入する。
****
研究区画Side
イリア・キサラギSide
私が研究区画にたどり着くと、レイラと少佐が戦っている最中だったレイラがかなり圧されている。
騎士団の制服は戦闘でボロボロになり、彼女自身もあちこち怪我をしていた。
「少佐っ、何故、貴方が此処に居るんですかっ?」
「ほぅ、身体の具合はもう良いのか? イリア・キサラギ隊長殿」
その隙を突いてレイラが勝負に出る、しかしあっさりと少佐に彼女の渾身の一撃は片腕で防がれる。
「なかなか、良いパンチだな…… しかし、最後の詰めが甘いぞっ!」
彼女を片腕のみで弾き飛ばし、壁に背中から叩き付けられた、彼女を片腕で締め上げる。
「ぐっ…… かはぁっ」
床に無造作にほうり出されて彼女はぐったりとなる、そして私の目に入って来たのは動かなくなった
リフィアだった。
「リフィアッ、貴方がリフィアを答えって下さいっ、少佐」
静かに、そして冷たく少佐は答えた。
「そうだ、私がリフィアを撃った…… だからどうした?」
「うあぁぁぁっ!」
その一言で私はキレた、少佐を…… いや、レナードを一撃で倒して、リフィアに謝らせてやる!
私の剣が少佐の腕にぶつかるが、まるで少佐の腕は鋼鉄みたいにびくともしない。
「踏み込みは、良い…… しかし、まだまだだなっ、イリアっ」
少佐の片腕に魔力が集まる、これが、恐らくレイラを倒した少佐の切り札だろう。
「とりあえず、頭を冷やせ騎士隊長の白い制服が泣いているぞ?」
ドン、と衝撃音が聞こえ私は壁に叩き付けられる。
「ぐうっ」
かろうじて立ち上がる事が出来た。
「ほぅ、見直したぞ、では少しだけ教えてやるか…… お前の両親の事を」
「エレノアさんから、少しだけ教えて貰いました」
今は、この男を何とか倒して、リフィアとレイラの治療をしたいのにこれ以上、この男の戯言に付き合う積もりは無い。
「そう邪険にするな、お前の両親は少なくとも他の連中よりマトモだったぞ、何しろ俺に研究していた、データの始末を頼んでいたしな?」
え…… データの処分を依頼していた?
「どうして? 処分を」
その一言で段々頭が冷えて来た、しかし警戒は解かないこの男は危険だ。
「あれは、俺が面白半分で魔人化兵計画に志願した時だったかな? 当時変異体の調査結果で、もし人工的に化け物を造れたらいや化け物の兵士が有ったら? と考えていた連中が、お前の母親にその研究のリーダーになれと命じた、しかしお前の母親は最初は断っていたが連中はこう脅した【自分の娘が可愛いなら協力した方が身のため】だと言ってな」
「わ……たし……のために?」
身体が震えてきた、この震えが怒りの為なのか逸れとも別の何かの為なのか正直解らない。
「最初は何故俺に研究データを渡したのか、理解出来なかったが今なら分かるさ…… 俺ならコレを処分してくれると思ったんだろうな…… 実際もう、この馬鹿げた計画もどうでも良くなった。」
「何故?」
不思議だ、力に憧れより純粋な力を求める人だった貴方が何故?
「そうだな? お前の本物の魔王の力を見た瞬間どうでも良くなった…… さて、最後にリフィアを頼む……」
その言葉に思わず彼を睨みつける、彼は少し笑うと一言だけ呟く。
「安心しろ、麻酔で眠ってるだけだそれと決着の場所は、あの事故の起きた樹海の奥だもし来るならそれなりの歓迎をしてやろう」
そう言うと、天井を突き破り外へと飛び上がってどこかに去って行った。
フィーナさん達がやって来た、みんな無事のようで少し安心した私は彼女達に負傷した、二人を任せた。
「リフィアとレイラの治療を急いで下さい」
「さっきの奴、次に会ったら私が仕留めてやる!」
リガティ少尉が叫んでいた、その一言に少し私は笑っていた多分信頼出来る仲間が居るからだ。
しかし少佐には、仲間は居ないのだろ、少しだけ彼が寂しい人間だと実感した次に対峙した時は必ず少佐を止めて見せる絶対に……。
昼から、残りの回の修正に取り掛かります。