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ゴシップ②~ターゲット女子高生

午後の診察が終わり附属病院ロビーは徐々に人の往き来がなくなり怪しげなふたりだけポツンとあるのであった。


ひそひそ


「しょせんは女子高生ですよ」


ひそひそ


「見た感じですが女子高生なんて普通です。家庭の事情や知り合いの入院で病院通いをしているんじゃあないですか」


ゴシップ雑誌のフリー記者は病院で女子高生のゴシップを狙う。


ひそひそ


「タレコミはいかがわしいからね。まあっだからタレコミだけどねアッハハ」


記者は編集長からのメールをクリックしてみる。


"シンデレラ姫の正体"


あの女には男がいる


"オーディションの女子高生は清純なヒロインではない"


グランプリは取り消せ


強い口調の匿名電話が編集長にあった。


「電話を受けた編集長が編集長だもの」


それが第一の問題だ


スキャンダルは真偽か


タレコミを見極める責任は最高責任者が断を決めてくれ


"匿名性の高いタレコミ"


このアンダーグラウンドな世界には必要悪である。


「このタレコミは人の暗部に手を入れて暗躍したい(やから)ばかりだけど」


手当たり次第


マスメディアに


タレコミしている。


『ガセの悪戯(いたずら)

「編集長はフリーの記者(ライター)に流すだけでおしまいだけどさ」


真偽のほどは神のみ知る!

偽ならば


テレビの新人発掘キャンペーンに根を持つ輩の仕業か

携帯サイトのタレコミを眺める記者はため息が出てしまう。


「タレコミが真偽の"(まこと)"ならば」


我が(ゴシップ)雑誌がメディアを一歩先んじスクープとなる。


タレコミからの取材は当たるも八卦!


真偽1/2は?


「どうせガセだよっ。まだデビューない女子高生にスキャンダル発生だなんて。読者はつまんない」


どうせガセだから


二人の取材精神は薄れ手持ちぶさた。


ロビーに座り込み世間話に花が咲く。


カメラマンはなにげなくロビーを見渡した。


人の気配を感じたのだ。


「やっやあ~!」


ロビーにヒョコっと女学院の制服が現れた。


かわいい女の子


チャーミングな女子高生は一目でシンデレラ姫グランプリとわかった。


おっ!


カメラマンはチャンス到来と身構えた。


女学院の制服はお嬢様学校の象徴でもある。


目にも鮮やか。


「うん?男も一緒か」


あの背の高い男は…


白衣だから医者?


「ちょっと待って」


あの男は…


カメラを構えず


遠目に見てみる


正面から見たいが…


どこかで?


見慣れた部類の


見掛けた顔


初対面ではない


どこかで見たぞ


雰囲気が独特なドクターだ

カメラマンを促し女記者は胸元の録音レコーダーを入れた。


赤い点滅を確認して追尾していく。


ターゲットはエレベーターに乗り込もうとする。


この瞬間に遅れを取ったら

…いけない!


女記者は慌てふためき髪を乱して走る。


まもなく閉まろうかのドアに


"エイヤァ~"


掛け声ひとつ


突進する。


ピタッ


ドアは閉まる。


ハアッハアッ


危うく閉まりかけ


乗り損ねる


微妙なタイミング


ピタリっ


きりきりセーフ!


ハアハア


「すっすいません。急いでいたもので」


急いでいたもので」


危なっかしいお嬢さんだなあっ


カメラマンと女記者はさりげなく面会人のふりをしてみせる。


サングラスを掛けた脚本家。


迷惑なことだぜっ


プイッと横を向こうかとする。


「うん?ちょっと待てよ」

ハアハア


息が切れる女


その苦しそうな横顔を眺めた。


「うん!」


見かけことがあるような


エレベーターは緩やかに昇り始める。


「どこの女だっけ?」


サングラスの奥で目を瞑り記憶に頼る。


エレベーターは沈黙だけが流れていた。

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