死亡、そして転生
死亡、そして転生
俺の名前は、佐藤 大志 24歳
何故だか、最近寝れない日々が続いている。
ストレスが溜まってるわけでもない、人間関係も上手くいってる方だ。強いて言うなら、この年で未婚。今まで彼女は数人いたが、大学以降は全く恋沙汰なし、、。仕事もブラックという訳でもない。なんなら白い方だと思う。
そんな風に思いながら、昼食を食べ終えて、漫画を読むことにした。俺の数少ない趣味である。すると突然、凄まじい頭痛がきた。今まで感じたことの無い痛み、なんだこれ、、意識が、、、、
しばらくすると、痛みは引いていた。どうやら気絶していたらしい。
ゆっくり目を開けると、視界は真っ白。
(え、なにこれ俺ん家?、、じゃない??)
すると後ろから老人?の声が聞こえた。
その言葉を聞いて、ぼーっとしていた意識がはっきりした。
? 「お主、死んだから」
俺 「、、、は?」
(死んだ、え、、俺が死んだのか??)
? 「ワシは見ての通り神じゃ。お主がいた世界と異世界を繋げる役目を持っておる。」
(異世界ってあの?……例のやつ?——てかこいつ、全然神っぽくないんだが…寝っ転がってせんべいみたいなの食ってるし。)
神 「まあなんじゃ、お主は異世界に魔力を注ぐために元いた世界では死んでもらった訳じゃ…ボリボリ。」
俺 「このオッサン腹立つな!!」
(てか察するに俺を殺したのこの神やん…)
俺 「…………流石に転生は出来るんですよね?」
神 「なんじゃ、飲み込みが早いのう。
もちろん転生は出来る。ただし、異世界で活用できるスキルはひとつだけじゃ。」
俺 「なんて不憫な…」
神 「大体の人間は3つくらいスキルを持ってるのう。稀に4つ、5つスキルを持つ人間もいるようじゃ。。。しかーし!!与えられるスキルは一つだけじゃが、その代わりお主が考えた、どんなスキルでも再現出来る。少し時間やるから考えておくれ」
俺 「………はい」(色々雑なんだよな〜この神)
俺 「ひとつだけ質問させて下さい、スキルは細かく設定しても再現可能ですか?」
神 「問題ない。言ったであろう、どんなスキルでも再現可能じゃと。」
(って言ってもひとつだけか〜。普通チート最強!ってなるとばかり思ってたな…こうなったらこの1つのスキルをチートにしてやる!!)
、、、、、、、、
神「まだか?長いのう」
(ちょっと黙ってろおっさん、こちとら必死なんだわ)
、、、、、、、、、、っ!!!
俺「、、っふふ」
神「考え終わったようじゃの。ほれ、教えてみろ」
俺 「スキル名は、倍。効果は、対峙した相手の能力×2が自分の能力に反映される。※相手が複数の場合は、(相手の合計ステータス)×2。こんな感じです!!ドヤっ」
神 「…とんでもないスキルを思いつきよったのう。だが面白い!もちろん完璧に再現してやろう!」
(我ながらとんでもねえスキルだな…どんな相手が来ても余裕で勝てちゃう。しかも利点はもうひとつ。戦闘以外のステータスは普通だから、もしステータスを見られても変に目立つこともない。)
神 「飲み込みが早いんで分かると思うが、今から行く世界には魔法がある。お主と話してるのも飽きたんでな、そろそろ飛ばすぞ」
俺 「さっき面白いって言ってなかった!?もっと細かく説明してくれても…(最後まで腹立つおっさんだな)」
神 「異世界では好きに生きるが良い。かなり平和な世界じゃからの」
俺「え、じゃあこんなスキルいらなかったんじゃ———」
神「さらばじゃ」
俺「———え、」
いつかあのおっさん殴る———
ん…、視界がぼやける……
んん、?顔近!?ってだれこの美人なお姉さん!!
? 「あなた、男の子よ…」
? 「あぁ、なんて可愛いんだ!お前もよく頑張った、お疲れ様。」
(そうか、赤ちゃんからか…この2人は恐らく俺の両親だな。それにしても、お母さん綺麗すぎないか?)
母 「この子全然泣かないわね、なにか病気でも持っているのかしら…」
(やっぱそうなるよね〜笑、、仕方ない)
「おぎゃー、ぎゃあああ——」
3年後
俺はアイクと名付けられた。
父の名はドルト、母の名はアイシャ。
愛のある両親の元に生まれてまずはホッとしている。
3年間の間に、両親の目を盗んでは本などで、この世界の言葉や文字、情勢とか必要最低限の知識は身につけた。
この世界は4つの国と暗黒大陸で出来ている。
暗黒大陸を4つの国が囲む形。
俺が生まれた国は、フスタリア国のトーチ村というところだ。
父はトーチ村の領主をやっている。
他にはリアデイル国、ドイランテ国、リュディガル国がある。
国同士の戦争もなく、むしろ協力関係にあり、4ヶ国合同で暗黒大陸を抑えている。一見平和に思えるが、逆に言えばそれだけ、暗黒大陸が恐ろしいところだということ。
父は元冒険者らしく、周りが剣などの武器を使う中、拳ひとつで高ランクまで上り詰めたとか。
いやカッコよすぎるよパパ!
国王からの褒美で、田舎に住みたいと進言し、国が持つ領土をほんの少し譲り受けたらしいのだが、父について行く人が割と多くなり、村を起こしちゃったらしい。
母は元冒険者ギルドの受付嬢で、父の5年に及ぶ猛アタックに折れたのだとか。
今は自給自足の生活をしている。
俺は前世で空手をやっていた。そこそこ有名な道場で、父がそこの師範代だったこともあり、小さい頃から無理矢理やらされていた。その甲斐あって一応黒帯である。
そう考えると、今の父の戦闘スタイルは俺に合っていると思い、戦い方を教わっているのだが、、、
父がとんでもなく強い…強すぎる!!
ちなみに父のステータスはこんな感じ
ドルト
パワー 973
スピード 688
魔素量 286
魔素操作 318
魔法適正 75
思考力 257
※MAX1000
ただのバケモンだわ!
魔法適正が無いから、自分に身体強化の魔法をかけてゴリ押しで戦ってたらしい。
これも3年の間に分かったこと。
他人のステータスは見れても、スキルは見れないらしい。
なんでもこの世界では、家族であろうと、他人にスキルを聞くのは禁忌なんだとか。
父との稽古中にこっそりスキルを使い、ステータス確認したらちゃんと倍になってた。つまり俺のステータス数値に限界は無い…まじやべーな俺のスキル、、、
俺のステータス(スキル未使用時) ※3歳の時点
パワー 86
スピード 73
魔素量 46
魔素操作 82
魔法適正 31
思考力 511
思考力だけ高いのは、前世の考え方や知識が影響してるんだろう。ちなみにステータスを見れるのはこの世界で俺だけらしい。神ことあのおっさんから、ステータスに密接に関わるスキルなら、可視化出来るようにしといた!とのこと。まあ、一応感謝はしている。
父との稽古の時は、スキルを使ってない。強くなる為じゃなく、戦い方を習う為である。
とはいえ父が強すぎるので、この稽古が地獄だった…しかもごく普通の体に生まれたせいか、父から見たら成長が感じられないらしく…どんどん厳しくなっていった、、、
5歳になる頃には、同じ歳の子達より格段に強くなっていた…
そして俺がもうすぐ6歳を迎える時期。
俺に妹が出来た、名はリーシャ。
(こんな可愛い生き物がいていいのだろうか。まさに天使…)
俺 「お母さん、天使だ!この子は天使だ!!」
アイシャ 「アイク落ち着いて、リーシャが驚いちゃうでしょ?」
俺 「はっ!ごめんよ〜、愛しのリーシャちゃん…」
そうは言っても、とにかく可愛すぎるのだ。
悶絶どころでは無い!!!
ドルト 「いやこれは、、本当に天使なのかもしれない…!」
アイシャ 「もうあなたまで…」
俺は妹に溺愛した。もうそれは大事に接した。父に独占し過ぎだと怒られるくらいに。 前世では一人っ子だった反動が来てると思われる。
妹のステータスを見たら、魔法に長けたステータスだった。
将来は大賢者になるだろう、いやなるね!類稀なる才能を持っているんだもの!!
そしてここから、第二の人生は
大きく動き出す。