プロローグ
桜が満開になり暖かな風が吹く四月の下旬、上級国民が通う聖ラリアール学園の通学路を一人の愛らしい少女が歩いていた。
彼女の名前は東雲凛花。国で一、二を争う程の権力を持つ政治家の一人娘だ。
腰まである青みがかった黒髪がふわふわと歩くたびに揺れ、少し垂れている目は透き通るような青色をしており、形の良い桜色の唇は緩く弧を描いていて、道ですれ違えば振り返って確認したくなるほどの容姿の持ち主だ。
「あっ、」
彼女の視線の先に一人の男性が映る。同じ制服を着ていることから、同じ学校の生徒だとわかる。
彼の名前は如月雪橙。この国の総理大臣の息子である。
彼もまた、類い稀なる美しい容姿をしていた。輝くような金髪に、切れ長の目には翡翠色の瞳が輝いており、高めの身長がより一層美しさを強調している。ハーフの彼は、見るものを魅了する独特の雰囲気を纏っている。
せんぱーいと、可愛らしい声で呼びながら、凛花は彼のいる方へまっすぐ駆け寄っていく。その顔には満面の笑みが浮かんでおり、側からみれば恋人同士の微笑ましい日常に見える。
はぁはぁと息を切らし、雪橙の横まできた凛花。そして、息を整え、顔に愛らしい笑みを浮かべ雪橙に向かって一言こう告げる。
その言葉は可愛らしい彼女には似合わないとても物騒な言葉だった。
「先輩、いい加減―――殺されてください♡ 」
はじめまして春空天音ハルゾラアマネと申します。文才がなく、ぐだぐだですが生暖かく見守ってください。本当に閲覧ありがとうございました。