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ばけもの子供の物語

詩 ばけもの子供の物語 迷

作者: 仲仁へび



 とてもとても 入り組んだ迷路の中

 そこは捨てられた子供達が迷い込む場所


 鏡が反射して 心が映し出される迷宮

 その迷路の中では 陽はずっと高くて

 永遠に夜は来ない 休む時間は与えられない

 迷子のままで 朽ち果てるだけ


「ねぇ」


 何の才能もないからねと

 人から見限られた者達の末路

 今日の夜も哀れな子供が彷徨いはじめる


「誰かいないの?」


 つぎはぎの木々たちが笑っているよ


「カワイソウダネ」


 けたけた やかましく


――だから それの足音が聞こえないんだ!!


 迷子の子供を狙う ばけものの存在


「ウマソウダナ」


 一人ずつ消えていく


 お腹の中に消えていく


「どうして?」


「なんで?」


 無念の声を残しながら


――だぁれも 一人も 生き残れない


 つぎはぎの木々たちは見守りながら


「アッチだヨ」


「コッチからくるヨ」


 怯える子供達を弄ぶ


 助けるふりは簡単で


 誘導するのはたやすくて


 気が付かないうちに舞台は整えられてて


 最後に 袋小路で待ち構えるそれ


「だましたの!?」

「ダマしてマシタ!!」


 けたけた笑うつぎはぎの木々たち


 風にそよぐだけの存在


 犠牲になった者達で繕った


 哀れな木々たち 繰り返す



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