95話 ICL概要②
私たちが振り分けられたCグループの登録アイドルが決まった。
ポット1 ウェザーガールズ
ポット2 idol QED
ポット3 feliz
ポット4 抽選枠
「私たちの唯一の格下、ポット4は抽選枠か……」
抽選枠、つまり上位の方に入っていないアイドルが選ばれるということ。一見いいクジを引いたように思えるけど、例えば味噌っ子ちゃん達がここに入ってきたら愛知の票が全部味噌っ子ちゃんに流れることになる。そうなると私たちの生き残る道が閉ざされる気がする。
「抽選はこの後行われるんだよね?」
「そうよ。応募したアイドル約3400ユニットから4ユニットが抽選で選ばれるわ」
倍率えぐ……まぁでも最低でもウェザーガールズのようなトップアイドルと同じ舞台に立てるんだからみんなやりたがるよな。
『グループG、ポット4、フルーツパフェ!』
「えっ!? フルーツパフェも出てんの?」
「まぁ当然だろう。私たちと一緒に話題になったんだ、ポット4というのが驚きだけどね」
りんごちゃんを抱えている以上、ポット4の中では最強な気がする。当たらなくて良かった……。
「さてマネージャー、そろそろICLのもっと詳細情報をくれるかな?」
「えぇ。まずあなた達は12月1日から大晦日までにグループCで最も多くの票を集めてもらうわ。そうしないと大晦日から元旦にかけてのICL決勝には出られないからね」
えっ! 確定でみんなで集えるわけじゃないのか。なんだよ〜、アップる見たかった……。
「票はどうやって集めればいいんだい?」
「1次リーグは8グループに分かれているでしょう? 日本国民にはマイナンバーと紐づけられた投票権が12月1日にオンラインで発行されるわ。そして国民1人に与えられる1次リーグでの投票数は同じグループと同じアイドルの被りなしで4つまでよ」
ん、んん? わかんなくなってきたぞ……。
「明日香が困っているから確認だけど、例えばグループAのアップる、Bのトライデント、Cのfeliz、Gのフルーツパフェには投票できるけど、アップるに4票だったり、Cのfelizに投票しているのに同じくCのウェザーガールズに投票する、といったことはできないわけだね?」
「そういうことよ」
ほう、ほうほうほう。なんとなくわかった気がする。
「また絶妙なラインだね。私たちに生き残る希望がないわけではないけど……」
薫は深く考え込んでしまった。こうなったら下手に話しかけない方がいい。何かいいことをズバッと言ってくれるかもしれないからな。
「さぁ、また忙しくなるわよ。なんといっても今回は応援したくなるような要素を伸ばすことが大事なの。つまり、やるべきことはわかっているわよね?」
「お、おい……まさか……」
「えぇ。百合営業よ」