表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
2章 1周年記念ライブ編
90/143

90話 天の見物人

「まったく、何をしに行くのかと思えば……」


 ロッカールームに戻った私を待っていたのはもちろん、薫の叱責……ではなく、少しだけ穏やかな薫だった。


「怒らないのか?」

「りんごさんの全力を隠していたことについては少し怒れるけど、それを引き出そうとしたことを怒ることはないよ。明日香のことだ、なんとかして引き出してあげようと、私の知らないところで頑張っていたんだろう?」

「お、おう……」


 すげぇ……めっちゃ私のこと理解してくる。何なの? 彼女なの? いいよ? むしろウェルカム。


「さて、と。ライブの締めくくりだ。私たちの新曲、行くよ」

「おう! りんごちゃんのおかげで観客のボルテージはMAXだ。それにあやかるわけじゃないけど、もう一回全員を沸かせよう!」

「その意気だ。じゃあ……行こうか」


 私たちは手を繋ぎ、ロッカールームを後にしてステージへと向かった。


 ◆アップる視点◆


 今、ステージではりんごたちの曲が終わり、felizが新曲発表をしている。

 私たちが苦戦した愛知のファンを、すでに取り込んでいるように見える。一体どんな魔法を使ったのか……。


「ふ〜〜ん、なかなかいいライブをするじゃんね、宮子」


 私に話しかけてきたのは小金井詩奈乃。詩奈が他のグループに興味を持つのはいつものことだけど、見つめる視線がいつもと少し違う気がする。


「そうね、まぁ私たちには遠く及ばないわけだけど?」

「宮子がそう言ってことは〜、あまり差がないということアルよー!」

「……りん! 裏をとって解釈するのやめてくれない?」


 りんに注意する時に微かに見えた。社長が……笑っている。普段、滅多に笑うことはないのに。


「お主ら、目的を間違えてはないかえ? 妾たちの目的はりんごのみであったはず……」


 紅玉はfelizには興味ないように優雅にVIPルームの料理をつまんでいる。


「紅玉くん、あまりみくびらないことだね。彼女たち、フルーツパフェはもちろん、felizも相当の実力者だ。油断していると……足元をすくわれるよ」


 そう、felizの実力は本物だ。それに、今回のライブでかなり知名度も人気も上がる。

 もしかしたら、彼女たちが1番の脅威になるかもしれないわね。

 私が優勝しなくてはならない、第1回 ICL での脅威に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ